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琴寧
そうして――その“速報”は、民にまで知れ渡ることとなった。
「まじかよ……比叡山、最低だな」
「よし……燃やすか」
「俺たちがお布施してた金で、贅沢してたらしいぞ」
噂は噂を呼び、瞬く間に広がっていく。
そして――
比叡山は
物理的にも――
そして世間的にも――
大炎上したのだった。
織田信長はそれを聞き、笑う。
「……まさか、こちらが動く前に民が動くとは😁✌️」
「手を下さずに済んだし……ネタもできたわ」
サラサラと筆を進める。
織田瓦版
「日ノ本、民団結」
「天皇を思い、逆賊認定の比叡山に放火」
「物理的にも、世間的にも大炎上(笑)」
そして時が流れた
民が噂話をしている。
「なあ……あの報道、本当だったらしいぜ」
「高野山に参拝に行った知り合いから聞いたんだが――」
「比叡山から逃げてきた僧がいたらしい」
「まじかよ……」
別の民が声を潜める。
「あとさ……今川義元討死の件だけどよ」
「あくまで噂だが……」
「鵜呑みにしてたの織田の瓦版じゃなかったらしい」
「え……?」
「たしか……“キツツキ瓦版”とか言ってたな」
「は……?なにそれ笑」
「しかもその内容、鵜呑みにしてたとか当主としてやばすぎだろ笑」
「しかもその瓦版出してたやつ……」
「川中島で戦死して、もうこの世にいないらしいぜ~」
そして――
誰も真実を確かめることはできなかった。
そうして、全ては終わった。
織田信長が瓦版を出すと決めてから――
何が正しくて、何が正しくないのか。
それはもう――
誰にも分からない。
~終わり~