TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

続きです











準決勝第2試合は案の定かっちゃんが勝利を納めた。ずっと彼は僕の前にいた。ちょっとやればなんでもできてしまう才能に派手な個性をもっていた彼は僕にとってはオールマイトと同じくらいのヒーローに見えた。だが現実はどうだった?ヒーローだと思っていた二人に僕は殺された。夢も希望も…生きる希望さえも…それが何より気に入らなかった。ヒーローなのに『弱者』を救わない…助けを求めているのに手を差し伸べない。もうすぐだ…もうすぐヒーロー社会を壊す第一歩を踏み出す事ができる。

マ さあぁぁぁ~!!ついに始まる決勝戦!!!緑谷VS(爆豪!!

観客席から歓声が上がる。ここまでお互いに圧倒的な力で勝ち上がってきたのだ。一般人もプロヒーローも注目の一戦だ。ミッドナイトの開始の合図とともに試合が始まった。かっちゃん相手なら殺さない程度に個性を使って相手をすればいいと考えていた。かっちゃんは先手必勝と正面突破で突っ込んで来た。

爆 クソデクが!!テメぇがなんの個性を持ってるかよくわからねェが俺より上の筈がねぇ!!

緑 本当に成長しないね…

かっちゃんは最初の一手は100%の確率で右のストレートがくる。僕はかっちゃんの右手首掴み背負い投げを食らわした。受け身を上手く取れなかった為「カハッ…」といってその場に倒れ込んだ。僕は『脚力強化』を使いかっちゃんの顔面に踵落としをしようと脚を上げ思い切り振り落とした。瞬時に反応して横に身を転がして回避した。踵落としが落ちた場所は粉砕されて辺りには砕かれたコンクリートの塊が転がった。

爆 チィッ!!どうなってやがる!?デクてめェ…「…呼ぶな…」あ”ぁ!?

緑 デクって呼ぶなっていってんだよ!!!この偽善者が!!」

僕が大声で怒鳴ると先ほどまで盛り上がりを見せていた会場が一瞬で静寂に包まれた。かっちゃんに『デク』と呼ばれると苛ついて仕方ながない。

緑君に『デク』と言われるとイライラして仕方ない!君を見ているとこの左目が疼いて仕方ない!!見ろ!!この醜い素顔を!!!

隠していた左側の髪の毛をあげ、包帯を取り、自らの醜い素顔を世間の前に出した。目は火傷により皮膚が溶けて固まってしまい開くことが出来ずに肉が露になった醜いバケモノの顔を晒したのだ。

緑 君のせいで僕は左目の視力を失った!そして同時に僕は醜くいバケモノになった!そのせいで母に捨てられ、父には奴隷同然の扱いを受けるようになった!!

爆 うるせぇ!!んなことわかってるんだよ!!

緑 分かってるだと!?ならなぜ僕をバカにし続けた!?『無個性で何もできない木偶の坊のデク』とずっっとバカにされた!

一度火が着いた『怒り』は止まることはなかった長年苦しまされてきた。『無個性』とバカにされたことでどれだけ辛かったか…家庭でも学校でも居場所が見つからず、必死にどうにかしようともがき苦しんでいた。“ヒーローになりたい”という夢を真っ向から否定したのもかっちゃんだ。無個性で何もできないお前はヒーローなれないと…

緑 君は周りに認められたいだけだろ?僕は弱くて自分は強い…そう周りに印象付けて優越感に浸ってたたんだろ?そうだよねぇ…僕とは違うもんねぇ…恵まれた才能もある派手な個性もある…僕とは違って全部恵まれている…

爆 デク…

緑 ヒーローだってそうだ…個性があって強ければ地位も名誉も手に入る。結局『強者』しか恵まれないんだよ!!『弱者』は何も手に入れることはできない!何故なら『強者』に奪われてしまうからだ!夢も希望も全て奪われてしまうからだ!

観客席にいた多くのプロヒーロー達は何も言えなかった。僕から出ている激しい憎悪が身体中から滲み出ているからだ。

緑 現に僕はオールマイトに夢を奪われた!『無個性でもヒーローに慣れるか』という問い掛けにオールマイトは『 ..夢を見るのは悪いことじゃない。 だが、相応に現実も見なくてはな。少年』ふざけるな!!

現実がクソだから夢をみてんだろうが!!何がヒーロー、平和の象徴だ!!笑わせんじゃねぇよ!僕は敵になって『現実』を見た!!お前ら全員ただの社会の犬だ!何がヒーローだ!!目に見える敵を倒し、助けを求める者にしか手を差し伸べないじゃないか!お前らは自らの私腹を肥やす為に人助けをする偽物だ!!皆、クズばかりだ!!!

プロヒーロー達がいる客席に指を向け、ヒーローを真っ正面から否定した。プロヒーロー達は僕の迫力に負けてしまい何も言わない。再びかっちゃんの方に視線を向き直した。かっちゃんは鋭い目付きで僕を睨んでいた。

緑 …そんなに気に入らない?道端に落ちてた石ッコロが前に立ち塞がるのが…かっちゃんこれだけは言っておくね…」

“僕はあの時に既に個性は発症していた”

爆 なっ!?嘘つくな!お前は『無個性』なは…!?

かっちゃんの言葉を遮るようにぼくは口から火を吹いた。かっちゃんの横を通りすぎで後ろの芝生に火が燃え広がった。そして僕は左手を前に出して『エネルギー吸収』の個性を発動させた。燃え広がった火が僕の左手に集まり一塊の球体になり、僕はそれを喰らった。

緑 慣れればこの味も中々美味しいな…

爆 なんで…なんでテメェがおじさんの個性を使ってるんだ!?

緑 言ったろ?個性は発症していたって…僕の個性はねぇ…他者を殺してその個性を奪う“強奪”だ…つまり発動するには人を殺さなきゃならなかった…けど!君とオールマイトのお陰で僕はこの個性を使えるようになったんだ!感謝しているよ~

爆 ならテメェは個性を奪うために人を殺したのか!?そこまでして…

緑 それはちょっと違うよ?僕は君たちヒーローが裁けない『クズ』しか殺してないし、そいつからしか『個性』を奪っていない。一時期あったろ?謎のアンチヒーロー現れる!て奴あれ僕だよ

『アンチヒーロー』 …自分自身の目的を達成するためには、手段を選ばない。自身の行為が悪行であると理解しながら非合法な手段を取る。社会から求められている正義を成すために、非合法な手段つまり暗殺や殺人を行うのだ。

法律や社会のルールよりも、自分自身で定めた「掟」を優先し、「掟」に従う。外観や能力が本来的には「悪」に属するものを源と行動する。行為も目的も悪であるが、普段は侮蔑され現状の体制が良い物だとは考えておらず、反体制の姿勢を選択する人物のことだ。この国には僕のようなヒーローが必要なのだ。

緑 僕は例え人の道を外れようとも困っている者を見捨てたりしない!自らを血に染めようが泥水を被ろうが構わない!この国のヒーローは腐っている!僕は見た!日の当たらない場所で明日を生きる希望も夢も見れない残酷な世界を!!なのにだ『ヒーロー』と呼ばれると貴様らはその者達を見捨てたのだ!だから僕がヒーローになり、その者達を救わないといけないんだ!

両手を広げ自らの目的を大々的に掲げた。スタジアムいる人間は勿論TVの前にいる敵(ヴィラン)達にも効果はあるはずだ。ヒーロー社会崩壊の一歩を今、踏み出した。


ヒーロー社会の崩壊の第一歩を踏み出すことができ、上機嫌だった。スタジアムも僕の狂気に言葉を失っていた。だがこの男は違った。『BOOM!!』聞き慣れた不愉快な爆発音、かっちゃんの個性だ。音に気づいた僕はかっちゃんに向き直る。

爆 てめぇがどうしようと俺には関係ねぇことだ。だけどなぁ俺の前に立ち塞がるなら叩き潰すだけだ!!BOOM

かっちゃんは僕に突っ込んできた。掌を爆発させ素早い動きで僕の間合いに入ってきた。僕は再び口から火を吹いた。かっちゃんはそれを難なく避ける。かっちゃんの『爆破』で汗腺からニトロような汗を着火することで爆発を起こすことができる。つまり汗をかくほど威力は増してくるのだ。かっちゃんは僕の間合いに入るとパンチや蹴りを繰り出してきた。僕はそれを難なく避け、反撃を試みた。かっちゃんは持ち前の高い身体能力を活かして攻撃を瞬時に避ける。

爆 シネェェ!!BOOM

機敏に動き廻るかっちゃんに翻弄される僕をみて、かっちゃんはヒット&ウェイを繰り返して攻撃を仕掛けてくる。僕はそれならばと指を銃の形を作り『水鉄砲』の個性での攻撃に変更をした。しかしかっちゃんはこれを狙っていた。

かっちゃんは僕が指から水を飛ばす前に懐に入り、左腕を掴んで僕を背負い投げた。背中に激痛が走る。かっちゃんは僕の左腕を掴んだまま上半身を持ち上げて僕をうつ伏せにさせた。そして背中を踏みつけて僕を逃げられらないようにする。

爆 悪く思うなよ…デク!!ニヤッ

“““”バキッ!!!!”””

緑 ぐぁぁぁぁあぁぁぁ~!!

鈍い音がスタジアムに響き渡った。かっちゃんは容赦なく、僕の左腕を折ったのだ。余りの痛さに左腕を押さえてその場にうずくまった。

マ 残虐うぅぅ~!!爆豪!緑谷の左腕をへし折ったぁぁぁ~!!

相 …緑谷は個性を使う際に左腕でしか使用していなかった。爆豪は緑谷の個性を封じる為に腕をへし折った…

…流石、雄英が誇るプロヒーロー達だ。そうだ僕は左側でしか個性は使っていない。おそらくかっちゃんもそれに気づいていた。だから左腕を使えなくすることによって僕の『個性』を封じたのだ。激痛に耐えながら顔を上げてかっちゃんを見た。何も変わってない。君はヒーローになれる器の人間じゃあない。君は勝ち負けにしか興味がない。自分が上に上がることしか興味がない。そんな君がヒーローなれるこんな世の中が憎い…

“““憎くて仕方ない!!!!”””

僕はかっちゃんの距離を取った。かっちゃんは当然これを後ろに避ける。フラフラしながらなんとか立ちあがるが左腕はだらんっと垂れ下がったままだ。

爆 その腕じゃご自慢の個性も使えねぇだろ?ギッブアップしろ。デク…そうすりゃ…あ?

緑 右も使えるんだよwこれで最後だ!轟くんの炎を使って!

僕は轟くんの個性使って勝利を収めた。

ミ …爆豪くん場外!これにより優勝は緑谷出久!!

ミッドナイトにより勝者が宣言された。静寂に包まれていた会場が歓喜に沸き立った。僕は生まれて初めてかっちゃんに勝利したのだ。

次はオールマイト…貴方だ…



雄英体育祭トーナメント戦で僕は優勝することがでした。本来ならば3位決定戦として飯田VS常闇の試合を行われるはずだったが飯田はヒーロー殺しによって重症を負わされたプロヒーローでもある兄・インゲニウムが搬送された病院に向かってしまった為常闇の3位が決まった。あのあと僕は保健室に連れていかれリカバリーガールにド叱れた。けど左腕を代償にしたことにより僕は更なる力を手にいれることができた。雄英の校訓通り『さらに向こうに(Plus Ultra)』することができたのだ。

…しばらくして雄英高校一年生は会場のフィールドに全クラスが集まって表彰式が行われている。そして表彰される三人が表彰台に乗っている。

ミ それではこれより!!表彰式に移ります!

爆 ん”ん”~~~~~!! ジタバタ

表彰台で爆豪が唸って暴れている。拘束具をがっちり付けられ、セメントスの作った石柱に拘束されている。余ほど僕に負けたことが悔しかったらしく目を覚まして直ぐ様「俺は認めねぇ!!もう一度戦え!!」と攻撃を仕掛けてきたがその前にミッドナイトの個性により眠らされ今の状態に至る。

耳 何アレ…

上 起きてからずっと暴れてんだと。しっかしま~ーーなんとも言えねぇな…

常 もはや悪鬼羅刹…

緑 早くメダル寄越せ…かっちゃんが煩い…

ミ そう焦らないで!…それではメダル授与よ!!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!

オ 私がメダルをもって来…『我らがヒーロー・オールマイトォ!!』

緑 …だっさ

被ってしまい、ミッドナイトがジェスチャーでオールマイトに謝っている。それはそれとして授与が始まった。 常闇、爆豪の順番に表彰されメダルを首にかける。かっちゃんはオールマイト 猿轡を外されると大声で「俺は認めねぇ!!!認めねぇぞ!」と騒ぐので中々メダルを掛けないオールマイトに苛立ち、銀メダルと金メダルを奪い取った。

緑 メダル掛けるだけにいつまでも掛かってるんですか?

はずされた猿轡を再びつけ直してかっちゃんの口を封じて無理やり首にメダルを掛けた。

緑 じゃ、お疲れさん。僕はこれを賞金に変えてもらわないといけないので…

オールマイトから奪った金メダルにキスをして上機嫌になる。次はオールマイトに致命傷を与える番だ。身体ではなく精神的に追い詰め確実に仕留める。僕は表彰台から飛び降りて根津校長の元に向かおうとした。だが僕の前にオールマイトが立ちふさがった。

オ 待ちたまえ!緑谷少年!まだ終わっていないぞ!

緑 そこまで付き合う義理ないだろ?こんな娯楽競技に参加してやったんだ。盛大に盛り上げてやっただろ?十分だろ?僕は根津校長からの『支援』が欲しくて参加を了承したんだ。

立ち塞がるオールマイトを横から避けて根津校長の元へ向かおうとする僕を生徒達は恐れるように道を作ってくれた。だから根津校長の元に向かう必要はなくなってしまった。出入り口に根津校長が自分の身体ぐらいあるアタッシュケースを横において僕を待っていたのだ。僕は根津校長の元へ近づいた。

根 緑谷くん!優勝おめでとう!モニターでみていたよ!

僕は根津校長と目線を会わせるためにしゃがみこみメダルを渡した。根津校長はメダルを受けとるとアタッシュケースを僕の前に差し出した。僕は右手でアタッシュケースのロックを外して中身を確認した。

根 優勝は賞金1000万と君への支援だ…なにを望むんだい?

緑 、、、、それは、、、







5609字!頑張った!

終わります




デクはヒーローを諦めたけど、、、!

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

368

コメント

13

ユーザー

すごすぎ"(∩>ω<∩)"‼️

ユーザー

現在2週目見てます!笑

ユーザー

5609文字お疲れ様です! 最高に面白かったです! 続きも楽しみにしてます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚