偽らなければ、自分という人間は生きていくことができないから。
α、Ω、βの3つの性。
俺は、この性が大嫌いだった。
αであれば優秀で、Ωであれば不優秀。βはいわゆる凡人って…
なんでそんなことがたかが性1つで決められてしまのだろうか。
俺は、自分の性が大嫌いだった。
生まれた頃から、運命は決まっていた。
そんなもの、覆してやろうと思っていた。
βであれば、どれほど生きやすかったのだろうか。
希少性の高い性は、抱く希望も絶望も…段違いに高かった。
期待も、失望も、大嫌いだ。
俺は、自分の性が大嫌いだった。
幸せそうな人たちは、俺の苦痛の象徴だった。
「きりやんの弁当美味しそ〜!」
Ωでありながらにこにこと幸せそうにしている友人に、何度も嫉妬の念を抱いた。
「お、あげようか?nakamu好きそうな味してるし」
期待通りに動いてみせるαの彼は、忌々しくてたまらない瞬間が幾度もあった。
「え、すまさんってこれ好きだったよね〜?…今日もってってあ〜げよ〜!」
努力なんて知らないような…飛び抜けて優秀なαの奴に、憤りを感じることが何度もあった。
引きこもりΩの彼奴は、その勇気に寧ろ感嘆した。
「…」
黙りこけてるあいつは、よくわからないけど。
まぁ…俺も、黙りこけているけれど。
つまり、あいつと俺は似た者同士…なんだよなぁ。
とある一点においては…だけれども。
「今日、きんときがシャケ起こしに行ってくれない?」
「ぁあ、うん。………ぇ?」
nakamuに急にそう言われた俺は、条件反射のような形で思わず承諾してしまった。
「じゃ、よろしく〜!」「よろしくな〜」
nakamuときりやんはさっさと学校方面へ行ってしまい、俺は1人…取り残される形になった。
…broooockは今日もスマイルの家に寄ってから学校に来るのだろう。
「行くかぁ〜…」
俺は仕方なく寝坊したシャケを起こしに向かった。
アパートのインターホンを押す。
「シャケ〜?」返事はない。
インターホンを押す。
「おーい。シャケ〜?」返事はない。
以前借りた合鍵を使い鍵をあけドアノブを引いてみる。がちゃりと音がして扉が開く。
「入るぞ?」返事はない。
…甘い匂いが漂ってきた。
俺の頭の中には不安の念が浮かび上がってきた。
シャケの居るであろう寝室の扉の前で立ち止まる。
「…ッシャケ…?」強い香りが鼻を刺激する。
俺の理性がおかしくなりそうだ。
「…、きん…と、きッ……?」シャケの甘ったるい声が聞こえてくる。
シャケの荒い息が俺の思考を脆くする。
「シャケって…、Ωなの?」
「そぉッ、だけど…」シャケはすごく苦しそうだった。
「っみんなにッ、…いわ、ないで…」俺も知らなかったからなぁ。言ってなかったんだもんな。
言われたくないよな。
「…うん。わかった」
…わかったけども。
安静に…なんて、俺は言わないよ。
俺は扉を静かに開けた。シャケは驚いた顔をしていた。
「実はなんだけどさ、俺………」
この発言が、運命の始まりだった。
「…α、なんだよね」
シャケは何故か嬉しそうな顔をしていた。
〜終わり(一応)〜
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作者の相談
こういった感じのオメガバの学パロが長編になるのって見たいと思いますか?
カプとしては借金、スマブラ、医者になると思います。
もし見たいと言ってくれる人が1人でも居るのならば長編小説として作成したいと思っています。
コメントでご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。
見てくださってありがとうございました。
コメント
10件
物語の入り方がめちゃくちゃ好きだぁぁ… 続きめちゃくちゃ見たいです!! イラストも文章もどっちも上手いってどういうことですか?!(なんかキレてる)