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超特急短編集

12 - 11×3 酔った本音

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2025年12月03日

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11×3


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金曜の夜。

会社の飲み会の帰り、なぜか稜雅が秀哉に「もう一軒行くぞ」と腕を掴んできた。


「お前、酔ってんだろ」


「全然酔ってねぇよ。」


(いや、絶対酔ってるだろ)と思いながらも、秀哉は付き合った。


小さなカウンターの居酒屋で、ふたり向かい合って飲む。


「……で、なんで俺を誘ったん?」


「なんでって……」

稜雅はグラスをいじりながら、目線を合わせない。

「他のやつらとは騒がしいだけで、落ち着かねぇんだよ」


「俺なら落ち着くってこと?」


「……黙れ」


ツンとした返しなのに、耳が赤い。


炭酸のはじける音だけが、間を満たす。

しばらくして、稜雅がぽつりと呟いた。


「……今日、褒められなかったんだよ。仕事でさ」


「稜雅、あの仕事大変だったでしょ。俺はよくやったと思うけど」


その瞬間、稜雅の動きが止まった。


俯いたまま、低く呟く。


「……だから優しくすんなって言ってんだよ」


「嫌か?」


「……嫌じゃねぇけど。調子狂う」


酔ってるのに、声だけは真面目だった。


店を出て、稜雅の家まで送る途中。

突然、稜雅が袖をつかんだ。


「……帰りたくねぇ」


「ん?」


「今日は……誰かの隣にいたかったんだよ」


その“誰か”が自分だと気づいた瞬間、秀哉は背筋が熱くなる。


「じゃあ、もう少し歩くか」


「……うん」


稜雅はツンデレのくせに、

その手を離そうとはしなかった。

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