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エピローグ「リーダーの贈り物」
数年後。
同じ場所ではない。
同じ時間でもない。
でも、
同じ名前が、それぞれの胸に残っている。
暇72
ライブが終わったあと、
なつは一人、ステージの端に立つ。
客席はもう空。
でも、照明の余熱だけが残っている。
「……今日さ」
誰もいないのに、そう呟く。
「楽しかった」
それは、あの人が教えてくれた言葉。
「……な」
小さく笑う。
「ちゃんと、生きてるよ」
返事はない。
でも、言葉は消えない。
みこと
移動中の電車。
窓に映る自分の顔を見て、
ふと、昔の笑顔を思い出す。
「……らんらん」
小さく名前を呼ぶ。
「俺さ……」
胸の奥で、続ける。
「泣き方、覚えたよ」
それは弱さじゃないって、
教えてもらったから。
すち
深夜。
静かな部屋で、絵を書いている。
ふと、手が止まる。
「……一回、休憩かな、」
そう呟いて、ペンを置く。
無理をしない。
削らない。
それは、
らんらんが守ろうとしていたもの。
こさめ
スマホの写真フォルダ。
消せない写真が、ひとつある。
ブレた景色。
変な角度の横顔。
「……らんくん」
微笑んで、画面を閉じる。
「楽しいってさ」
「こういうことだよね」
そう言って、前を向く。
いるま
夜。
一人で空を見上げる。
「……逃げないって言った」
誰にともなく。
「今も、逃げてない」
苦しい日もある。
立ち止まる日もある。
それでも。
「……恐れるのは、弱いことじゃない」
それだけで、進める。
そして——
誰かが笑った時。
誰かが息を整えた時。
誰かが「楽しい」と言えた時。
そこに、
らんはいる。
姿はなくても、
声はなくても。
生き方として、残っている。
——終わりじゃない。
——忘れられない、でも縛られない。
それぞれの中で、
らんは今日も、
静かに息をしている───。
???
俺は、
強くはなかった。
怖がりで、
息をするのも下手で、
うまく笑えない日も多かった。
でも、
名前を呼ばれるたび、
ここにいていいんだって思えた。
もし、
俺のいない朝が来ても——
楽しいって言っていい。
それを、
最後に知れたから。
#誰にも見せなかったメモ
今日は、
ちゃんと楽しかった。
忘れそうになるから、書く。
笑った。
写真を撮った。
名前を呼ばれた。
それだけで、
生きてたって思えた。
もしこれを読む人がいたら、
ありがとう。
俺は、大丈夫だった。
最高の人生だった───。
らんより───。
𝑻𝑯𝑬 𝑬𝑵𝑫____。
最後まで、読んでくださりありがとうございました。
感想コメ書いて言ってくださると嬉しいです…!
新作について!
明日から公開していきます…!
楽しみにしていてくれると嬉しいです✨
コメント
4件
一気見しました( > <。) 本当に泣いた…( ; ; ) 最後のところで涙ぽろぽろ😭 本当に最高な作品を作っていただきありがとうございます
完結お疲れ様でした、 えふつうに涙でる、ありがとうございました!