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あにこぶ 短編集

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あにこぶ 短編集

3 - トップコート

♥

272

2024年10月31日

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fwhr


以下名前伏せません 。


それでも良い方のみお進み下さい ⬇






𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄


hr . 視点


「 っ … ゛ 」


ストレスが溜まり , 爪を噛む 。

なんて行動 , 最早僕の中ではテンプレのようになって来た 。

元々ストレスが溜まると物にぶつかってしまう僕が , 爪を噛むなんて覚えてしまったら , 其れはもう依存状態のようになってしまう訳で 。

先生からは , 自傷行為に近い , なんて言われてしまった 。


何時もであれば , 人にバレないよう家であったり一人の状況でやる其の行動だが , 今の僕は相当ストレスが溜まっていたみたいで 。


( やってしまった … )


… 今の状況を整理しようか 。

目を見開くもちさん , 『 何してるんですか !! 』なんて止めに来る社長 , 真顔の不破さん 。

… そう , ここはろふまおの楽屋である 。


『 あなた っ … 何してるんで ( 』


『 はぁる , だめ 』


口元にあった僕の手に自分の手を添え , 不破さんの両手に僕の左手が包み込まれる 。


「 ちょ っ … !! 汚いですよ , 」


『 … 汚くないよ , すっごい綺麗 』


すると , 自分のポーチから何か四角い物を取り出し , 再度僕の左手を取る 。


『 すいません , ちょっと部屋臭くなるかもっす 』


「 … ? 」


クルクル , と容器を開け , 中から筆のような物を取り出し , 透明な液体を僕の爪に乗せる 。


「 … ふゎさ , ?  」


『 … あかん , やっぱむずいな … 』

『 もちさん , ティッシュ取ってください 』


『 え , ? う , うん … 』


もちさんから受け取ったティッシュケースからティッシュを一枚取り出し , 爪に巻き付けて器用にはみ出た液体を拭き取る 。

全部塗り終わった , と思えば , 再度立ち上がって鞄を漁り出した 。


『 … ふわっち , 何 ? それ 』


『 ちょっと待って下さいね ~ , 』


先程の物より遥かにでかい其れから垂れたプラグをコンセントに差し , 机の上に置く 。


『 甲斐田 , これに手突っ込んで  』


「 … え ? 」


言われた通り穴 ? に左手を差し込めば , 紫がかった白色のライトに手が照らされる 。


「 … 暖かい , ? 」


差し込んだ左手が , 太陽の光を浴びているような心地よい暖かさに覆われた 。


『 不破さん , なんなんですか ? 其れ 』


と問われると , 『 これね ~ 』 等と話し始めた 。


『 とっぷこーと ? みたいな感じのやつ 。 』

『 ネイリストの姫に貰ったんよ , ミナトも爪大事にしてね ~ って 』


… え


「 姫からの贈り物 , 僕なんかが使っちゃ … 」


『 俺が使いたいと思ったんだからい ~ の 。 』


そう言葉を遮られると , 此方も何も言えなくなってしまう 。 それから数十秒沈黙が流れた 。

その沈黙を破ったのは , 僕の手元にあるライト 。 ピピーッ , なんてなんとも無機質な音を立てた後 , 静かにライトが消えていった 。


『 手痛くなかったか ? uv ライトって言われたんやけど 』


「 はい , 手は全然 … 」


『 んじゃあもう爪触って大丈夫 』


と促され右手の親指の腹で左手人差し指の爪を撫でる 。


「 つるつる , 」


爪の上に透明な膜が張られているみたいで , あんなに嫌だった自分の爪が , 何だか綺麗に感じる 。


『 これ 』


スっ , と先程まで不破さんの手元にあった二品が手渡され , 思わず分かりやすく動揺してしまう 。


「 え , ぇ 」


『 俺は多分使わんし , 』


「 いやでも … それにほら , 僕自分で出来ないですし 」


『 じゃあ俺がやったる , これ楽屋置いとってええよな ? 二人共 』


半ば脅迫のように聞こえる其れだが , 他二人は深々と頷く 。


「 えぇ … っ 」


『 けって - , 』






『 これで毎回甲斐田と話す口実出来た 』


「 は , ぇ っ ? 」


そう言って , ニヤリと笑う彼 。 何それ , とか口実って ? とか , そんなの聞く隙も無く荷物を纏めて帰ってしまった 。

其の後直ぐにもちさんと社長も帰ってしまい , 取り残されたのは僕一人だけ 。


「 … なに , あれ …  」


漸くまともに口から言葉が出たと思えば , やはり疑問を唱える物だった 。

妖艶に笑う彼の顔 , 何時もより暗く輝いていたように見えたアメジストの瞳 , 左側だけ少し釣り上がった口角 。

それらを思い出しただけでもうだめで , もしかしたらもうとっくに惚れ込んでるのかもな , なんて頭を過ぎる 。


「 … 嫌だと思ってない時点で負けなのかな 」


なんて独り言は , 誰の耳にも届かなかった 。

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