「レインくん…僕気になることが…」「ん?どうした?」
付き合って2週間ほどだった日のことだった。朝からやけにマッシュは上の空で。いつも以上にふわふわしていた。そういえば大好きなシュークリームも、今日はあまり手をつけていなかったような。
「はぁ…黙っていてもわからないぞ?」
あ、顔が赤い。どう見てもいつもと違う様子に、心配の感情が生まれていた。すると意を決したように、俺の顔を見た。その、赤らめた顔で。
「あの…おちんちんをいじると…気持ち良くなるんですか…?」
「…は?」
まさかの質問だった。は?あのマッシュが?
「…マッシュ…それはどこで…聞い」
「そのっ!…そういう…話が…聞こえてきたから…」
「…まったく…誰がそんな自慰の話など……」
「じ…い?…」
呆れる。しかしそれもそのはず。このくらいの歳は性にも興味を持つ。マッシュだって同じなのだろう。
「あぁ…そうだ」
「…どうやるんですか?…」
「お前…したいのか?」
「…その…したいとか…じゃなくて…気になるっていうか…」
まさかマッシュがこんなにも積極的だとは。思いもしなかった。もしや、俺と付き合ったから?いつのまにか彼の純粋な心を…俺は…
「そうだな…」
そう言って俺はおもむろに立ち、マッシュの下半身に手をやった。
「…ここを…いじるんだよ…」
「…こ…こ??」
マッシュはあからさまに恥ずかしそうにする。
「…てかお前…何もしてないのに、勃ってるじゃないか…」
「…た…つ?…」
「そうだ。ほんとは知ってるんじゃないか?自慰のことだって…」
「わっわからないんですよ…!」
なにかを必死に言いたそうな目をして。拳を握りしめて。
「僕は…わからないけど…でもっ…不思議だったんです。レインくんといると…なんかこう…ここが、痛いっていうか、大きくなるっていうか…わからないけどっ!!同級生が…おなにー?とかそういう話してるの聞いて…気持ち良くなるって…でもわからなくて…。」
マッシュの目から涙が溢れていた。
「嫌われるんじゃないかなって思ったんです…。そういう…わかんないけどっ…えっちなこと…付き合ってるのに、男なのにわからないなんて、知られたら嫌われると思ったんです…」
気がつけばローブが濡れるほど、今までか抱えてた不安が全部溢れ出したようにマッシュは話し始めた。
「いいか?マッシュ。別に俺はその程度で嫌いになるなんてことはない。誰でも初めは知らないものだ。でも知らないからと言って嫌いになる理由はないだろ?」
ポロポロ泣いているマッシュの方に手をやって目線を合わせる。泣いて赤くなった目も鼻も、全てが愛おしいマッシュを、嫌いになんてなるはずない。
「俺が教えてやる。」
そういいマッシュの手を引いてベッドに向かった。
ーーーーー
「いい加減泣きやめ…な?」
ベッドについても涙が止まらないマッシュの涙をローブで拭いてやる。
「別に嫌いになんかならないから…」
ーちゅ…
そう言っておでこにキスをする。
「いいか…?えっと…そうだな、どう説明したもんか…」
「…レインくんに…やってほしい…」
マッシュはそういう時俺の手に触れた。
「俺が?」
「すっ好きな人に…やってもらったら…もっときもちよくなるかなって…」
「まぁいい…」
そう言って俺はマッシュを後ろから抱える形で座る。
「ローブ脱ぐか?」
「大丈夫…」
カチャカチャとベルトを外し俺はゆっくりとマッシュの下半身に触れた。
「いいか?まずはゆっくり…」
「…んっ…」
ガッチリと勃ったそのものを俺はしごき始める。
「はぁっ…んっ…れいぅ…んくんっ…」
「…お前もうそんなか?」
「なんかっ…んっ…ひっ…//」
こんな可愛い反応されたら俺の理性が持たない。
「少しずつ激しくするぞ…?」
「んっ…あっ…んひっ…はぁっ//」
涙目になって俺のローブを掴む。
「まっ…って…れいぅ…んくんっ…」
「ん?どうした??」
「ん…なんかっ…ぁ…でっ…でるっ…はぁっ…//」
「あぁ…だしていいぞ?」
「ひっ…いっ…んっ…あっ…//…めっ…」
っ…
「…マッシュ、マッシュ?」
「れい…ぅ…くん…?」
「気持ちよかったか…?」
「なんかっ…ふしぎなかんじだった…」
そう言ってマッシュはキョトンとしてる。
「お前飛ばしたの拭くぞ」
「レインくん…」
「ん?」
「これ何?」
なんと言ったらいいか…嫌いにはならない、むしろ愛おしく思うほど、マッシュの無知さ加減が可愛く思えた。
「これは…そうだな…なんだと思う?」
「うーん…わかんないです…」
そう言いながらマッシュも自分で汚した周りを拭き始める。
「まぁなんだ…これがお前の同級生達が言ってたやつだよ。」
「なるほど…」
そう言ってローブからシュークリームを取り出し食べ出す。
「お前はこんな時までシュークリームか…」
「レインくん…」
すっかり泣き止んだ顔でこちらを見つめてくる。
「僕…少しは大人になれましたかね。」
「そうだな…次は俺がお前を抱くよ」
「でもハグなら昨日もしてくれましたよね…?」
シュークリームを食べきって2個目を出そうとするマッシュの手を止めた。そしてそっとマッシュの顔を見つめて
「もっと…いいことだよ」
そう言ってそっと口付けをした。今は深くない、軽いキスだけど。いつか深くまで触れて抱きしめあって体温を感じて、そんな日が早く来ればいいのにな、と思った。
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