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以下伏字無し
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「小柳くん、これはどういうつもりですか?」
そう言いながらにこにこしながらスマホの画面を見せてくる星導、画面には、俺と最近仲良くしている男友達が写っていた。
「俺がいながら浮気なんて、最低ですよ小柳くん」
「浮気も何も、そいつとはただの友達で、そんな関係じゃねぇよ」
本当に浮気などしていないため、そう返す俺。どうせいつもの茶番だろう、そう思いスマホを見ながら適当に返事をしてしまった。それが間違いだった。
「こっちも見ずに返事なんて、るべちかなしいなー。小柳くんは浮気なんてしないと信じてある程度の事は許していましたが、やはり付き合った時点で部屋に閉じ込めておくべきでしたかね?」
感情などどこかに捨ててきたかのような真顔で、物騒なことを言う星導。お前だって友達と遊ぶくせに、なぜ俺だけ遊ぶのさえ許されないのか。
「お前だって友達と遊ぶくらいするだろ、そんなに言うならもう別れよう俺ら」
イラついた勢いのままに、そう言ってしまった。本当は嘘だ、別れたいなど微塵も思っていない。だが、星導の部屋に閉じ込めて置くべきだったか?と言う発言も嘘には思えず、もうどうすればいいのか分からなくなっていた。
「小柳くんてば馬鹿ですね、別れられるとでも思ってるんですか?笑」
意外にも、星導は笑っていた。先程まで感情の消えたような顔をしていたとは思えないくらいに。俺はその顔に、声音に、ありえないほどの恐怖を覚えた。伊波かカゲツ、どちらかを呼んでこいつを説得するのを手伝ってもらわなければ、確実に俺は丸め込まれ、部屋に閉じ込められる。そう思いスマホを取ろうと動かした手を星導に握られた、どうやらもう手遅れのようだ。
「そんな怯えた顔しないでくださいよ、俺は浮気した上に別れ話までした躾のなってない犬を、躾し直した上で部屋に閉じ込めておこうとしているだけです。俺の事だけ見て、俺のことだけを好きになって、俺のことだけを喋る。幸せでしょう?小柳くん」
そう語る星導に、どんどん俺を閉じ込めるであろう場所に引きずられて行く。どうやら星導の方が力が強いようで、どれだけ抵抗してもびくともしなかった。
「ほら着きましたよ小柳くん、ここから今日が小柳くんのお部屋です。死ぬまで一生俺と過ごせる場所ですよ、嬉しいですよね?ついでに、この部屋から出られないように首輪だけつけましょうか。良かったですね、俺が優しくて」
そう言いながら、いつの間に買っていたのか分からない首輪を持ってこちらに近寄ってくる星導。優しくてなんて言っているが、優しいやつは人のことを閉じ込めたりしない。
「一旦落ち着けって星導、こんなことしたって意味ねぇって、な?」
「意味ありますよ、小柳くんは一旦黙っててください」
抵抗も虚しく、俺は首輪を付けられてしまった。本当にこの部屋に閉じ込められてしまうんだ、早く隙を見て逃げなければと思う反面、どこか嬉しくも思っていた。
「さすが犬ですね、似合ってますよ小柳くん。これからはずっとずーっと、俺とこの場所で一緒に過ごしましょうね♡あ、そういえば俺、この後任務があるんでした。大人しく良い子にしててくださいね、小柳くん♡」
そう言いながら、星導は任務に向かった。俺が閉じ込められた部屋には、扉の閉まる音だけが静かに響いていた。