初ドーム

長い長い下積み。

何度も辞めようと思った。

デビューできないよと言われた。

３人増えた。

９人になって、やっとデビューできた。

アリーナツアーも楽しかったけど、ドームは別物。

あんな広いところで、あんなに多くのファンの方たちがいて、夢のようだった。

大阪初日。

はしゃぎ過ぎて怒られた。

それでも嬉しかった。

唄ってると涙が出そうになり声が詰まって唄えなかった。

佐久間ー翔太、大丈夫？

渡辺ーん、ごめんね。

佐久間ー嬉しいもんな。

岩本ー嬉しかったな。

渡辺ーん。

また熱いものが込み上げてくる。

ちょっと心配そうな顔をして目黒が近づいてきた。

目黒ーおいで。

渡辺ー・・。

目黒ーちょっと２人だけにして。

岩本ー分かった。

空いてる楽屋に渡辺を連れて行く。

渡辺ー・・。

目黒ー良かったね、嬉しいね。

渡辺ーんっ・・んっ・・。

目黒ー夢が１つ叶ったね。

渡辺ーんっ・・んっ・・。

目黒ーいっぱい泣いていいよ。

目黒は渡辺をそっと包み込んで優しく背中を撫でている。

渡辺は目黒の腕の中で顔を覆い泣いている。

目黒が渡辺の手を取り、涙を唇で吸い取った。

渡辺ーめ・・め・・。

目黒ー翔太くん、可愛い。

渡辺ーばか。

目黒ー涙止まった？

渡辺ーんっ・・大丈夫。

目黒ーキスしていい？

渡辺ー・・聞くな。

目黒ー今夜、ホテルの俺の部屋においでね。

渡辺ーしないぞ。

目黒ー分かっている。

固く抱き合い熱いキスをする。

そろそろメンバーが呼びに来るだろう。

何度もキスをしてシャワーを浴びに行こう。

渡辺ーんっ・・んっ・・。

目黒ー続きはホテルね。

２人楽屋から出てきた。

みんな心配して待ってた。

渡辺はもう大丈夫と言う。

少し目が赤いがみんな知らないふりしてシャワーに渡辺を連れて行った。

目黒も行こうと準備していた。

阿部ー翔太は大丈夫？

目黒ーん、凄く嬉しかったみたい。

阿部ーまた泣いた？

目黒ー少しだけ。

阿部ーめめがいれば翔太も大丈夫だね。

目黒ーん、ありがとう。

その日の夜、食事の時に佐久間が岩本に聞いた。

佐久間ーねぇ、あの2人ってさー。

岩本ーそういう事なんだろ？

佐久間ーやっぱり？

岩本ー多分な。

佐久間ーみんな知ってるのかな？

岩本ー今日の様子見て、なんとなくわかったんじゃないか？

佐久間ー翔太がねー？

岩本ー揶揄うなよ？

佐久間ー分かってる。

目黒の部屋。

渡辺はまだ来ていない。

部屋は渡辺が乾燥を気にするから程よく空気が循環している。

冷房のきついのも嫌うから。

ピンポン

目黒ー遅かったね。

渡辺ー荷物の準備してた。

目黒ー荷物？

渡辺ーどうせ、帰してもらえないんだろ？

目黒ー一緒にいるの嫌？

渡辺ーそんな事言ってない。

するりと目黒の横を通り抜け部屋に入ってきた。

後ろから目黒に抱きしめられた。

渡辺の手から荷物が落ちた。

胸の前で組まれた目黒の腕に渡辺の手がかかる。

腕を抱きしめている。

目黒ーもう明日から大丈夫だね？

渡辺ー任せろ。

目黒ー皆んなびっくりしたんじゃない？

渡辺ーどうかな。

目黒ーお水飲む？

渡辺ーん。

手を繋いでソファまできた。

渡辺を座らせ目黒はミネラルウォーターの用意をした。

渡辺は結構水を飲む。

肌にいいらしい。

身体にもいいと言っていた。

目黒ーそれ飲んだら風呂入ろう？

渡辺ー・・。

目黒ーちゃんと湯を溜めてさ。

渡辺ーん。

目黒ーゆっくり飲むんじゃないよ？

渡辺ーいいだろ。

シャワーの下で、2人は抱き合い熱いキスをする。

目黒が手にボディソープを取り渡辺の身体を撫でていく。

渡辺は恥ずかしくて目黒の首に両腕を絡ませて目を閉じている。

ツルツルの身体。

目黒は優しく全身を洗っていく。

渡辺ーまだ？

目黒ー向こう向いて？

渡辺ーん。

背中を向けた渡辺の背中を洗い脇から両手を前に持っていき胸の飾りを撫でる。

渡辺ーしないって言った。

目黒ー洗ってるだけ。

渡辺ーはぁ・・。

胸を弄って目黒は腰から双丘まで洗った。

渡辺が身体を捻る。

足先まで洗ってくれた。

ゆっくり湯船に浸かってろと言われ湯船に入る。

自分の身体を洗ってる目黒を渡辺は見てた。

自分とは違う男らしい身体。

急に恥ずかしくなった。

目黒ー翔太くん、俺の膝の上に座って？

渡辺ー何で？　出るし。

目黒ー一緒に入りたいの。

渡辺ー狭い。

目黒ー入る。

渡辺ー185もあるのに無理だ。

目黒ーだから俺の膝の上に座って？

渡辺ー・・。

向かい合って入る。

目黒は湯を渡辺の肩にかける。

渡辺は目黒にしがみついてる。

背中にも湯をかけ2人はキスをする。

渡辺ー逆上せる。

目黒ー上がろうか？

渡辺ーん。

目黒ー水飲みたいでしょ？

渡辺ーあんまり冷たいのは嫌。

目黒ー分かってる。

2人はバスローブを着てソファに戻ってきた。

水を飲んでほぅと息を吐く。

目黒の手が渡辺の首を引きもう片方の手を頬に当て口に含んだ水を渡辺に飲ます。

水は溢れ首筋から胸に流れる。

その後を目黒の舌が追う。

渡辺ーダメだって。

目黒ー・・。

渡辺ーはぁっ・・。

目黒ー寝ようか？

渡辺ーん、身体がザワザワしてる。

目黒ー抱きしめてあげる。

渡辺ーめめに抱きしめられると安心する。

目黒ーベッドに行こう。

明日もライブがある。

もう寝よう。

2人は仲良く抱き合い熱いキスをして眠りにつく。

目黒の腕の中渡辺は優しく笑った。

目黒ーどうしたの？

渡辺ーきっと皆んなにバレたな。

目黒ー恥ずかしい？

渡辺ーちょっと。

目黒ー今まで通りでいいんでしょう？

渡辺ーそうだな。

目黒ー翔太くん、大好き。

渡辺ー俺の方が大好き。

目黒ーふふふ。

渡辺ー笑うなばか。

目黒ー嬉しいの。

明日のライブの為、早く寝た。

朝は渡辺の方が早かった。

寝てる目黒の頬にキスをして優しく笑った。

完