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『海の声が聴こえる。』


・死亡表現あり

・本編微ネタバレあり


それでも良い方のみ、お進み下さい。



1/5 書き足し&ミニリメイク


✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼


「あ”~..やっぱ海は‥うん。」

「心が浄化されてく~」



『浄化なんてされない。』

そんなの、最初から分かってるさ。



「…何でこうなっちまったんだろ~なぁ。」



口に傷をつけられて。 猫を被って。 嘘を吐いて。 忠誠を誓って。

最後には人の命まで奪い尽くして。

一体、何の為だったんだろうな。

ずっとずっと、心の奥ではどす黒い感情が渦を作っていて。 年月が経つほどそれは深く、複雑になっていって‥

やり直したい。 ずっと、そう思ってるのに。


オレは、これからどうしたら良いのかな。



「なぁ、教えてくれよ」

「圭介…ッ」



誰でも良いんだ。


オレを、助けてくれよ。



泣き虫のヒーローは、きっとオレを助けてはくれない。

何でかって?

オレはマイキーとは違う、 心の底から「悪のヒーロー」だからだよ。 オレがマイキーと居たから、あの人を更に深くへと堕ちさせてしまったんだ。 オレは、本当はあの人の横になんか立って良い人間じゃなかったんだ。



出来ることなら もう一度やり直したい。 皆が幸せで、誰も死なない未来に出来たら、 どれだけ嬉しいだろう。


それでも、時は戻せないから。 オレは明日も人を殺すのだろう。

それがオレに任されたシゴトだから。

与えられた役目さえこなせないのなら、オレが生きている価値は無い。

自分を肯定したいから。 皆に認めて欲しいから。 自分が生きていて良いって、 そう言ってほしいから。

──オレは、どれだけ強欲なんだろうな。


いつか、この罪を償うことになっても、 オレは否定しないし、寧ろ自分から償いに行く。

だって、 それがオレの「役割」なんだろ?

誰か一人だけでもそれを望むなら、 オレはそれを否定しないさ。



「役割を果たすため」。

その為なら、オレは。 明日も、明後日も。 例え何十年かかったとしても。

「悪のヒーロー」に、なってやる。



これが、オレの役割なんだ。 オレの運命なんだよ。

数えきれないくらい多くの人の、 命 と未来を奪って来た オレの贖罪だ。


正義のヒーローは、きっとあの人を助けてくれるから。 だから… オレは、 「オレの役割」を果たさなきゃいけないんだ。



「圭介。」

「 隊長。」

「……千壽。」



……オレも、お前らみたいに オレの役目を果たしてそっちに行っても良いかな?



──冷たい水の中で、目を開ける。

水を切る心地よさを感じながら、体温が徐々に減っていくことがわかった。

更に深くへと潜っていくと、浅いところよりも冷たい海水がオレの身体を優しく包む。

目を閉じると、一生の記憶が脳内に高速で流れて来た。



(あぁ、これが走馬灯か……)



なぁ、



──。

助けてやれなくてごめんな。

また、お前のこと名前で呼びたかった。


──。

また、オレのことを兄と言ってくれるか‥?

お前が生きてる内には言えなかったけど、

お前と兄妹で居たかった。


──。

殺してしまってごめんなさい。

でも、貴方と居られた間は、ずっとずっと…自分らしく居られたんです。


────。

最後まで、お前の隣に居させてくれてありがとう。

──とお前とオレで、

またバカみたいに話したかったな。



なんて。

そんなこと、オレの一方通行で勝手な想いだけど。


でもさ。 想うくらいは良いだろ?



──オレ、決めたんだ。

もう自分の気持ちに嘘は吐かないって。

今度こそ、 お前らとちゃんと向き合えるようになりたかったからさ。



オレが今までしてきたこと…

オレの命一つじゃ到底償えないものだって、そんなの自分でも分かってる。

けど、 せめて、償わせてくれよ。






なぁ、ヒーロー。

あの人を、オレの代わりに助けてやってくれ。

あの人はさ、

もう、壊れちまったんだよ。

オレの手じゃ、あの人を黒い衝動から引きずり出すことなんて出来なかったんだ。

オレじゃ……無理なんだよ。


だから、 あの人を救え。

(頼んだぜ? ヒーローたけみっち。)



──遂に、息が苦しくなって来る。

今になって、どうしてこんな方法を選んでしまったのか、と後悔し始めた。



(あぁ、苦しいなぁ。)

やっぱり、心の底では生きていたかったのかもしれない。

でも、こんな状況の中でも、少しだけ、この終わり方で良かったと思うんだ。

オレが今日死んだお陰で、明日オレの手にかけられる筈だった幾つもの命が救われたんだ。 死ぬ前にそんな大義が出来るなら、これで良かったのかな。



あぁ、やっと 死ねる。

やっと終わらせられた。


普段から死というものに深く関わっているからか、不思議と自分が死ぬことに対して恐怖は沸かなかった。

やっぱり、オレはイカれてるんだなぁ…


目を開けて、水面に反射する太陽の光を見つめる。

頬を擽る柔らかい水を全身に浴びた。

生まれ変わるならこれ位自由なものが良い。

……まぁ、生まれ変わりなんて1ミリも信じてねぇけど。



目を今度こそ重く閉じる。

瞳に、まるでオレの根っこのような黒い景色が映される。


最後の息を振り絞って、誰にも伝わらないメッセージを遺す。



「清々しい程最悪な人生だったよ!!」



そう言い遺して、深い暖かな海の底で微笑む。

閉じた瞼が重くなって、意識が薄れていく。



息が絶える直前に、耳元で誰かの声がした。


「春千夜」

「ハル兄」

「三途」


『_____。』



どこか儚くて、優しい声。





──海の声が聴こえる。

そんな、気がした。




Fin.


✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼


7/3  𝓗𝓪𝓹𝓹𝔂 𝓑𝓲𝓻𝓽𝓱𝓭𝓪𝔂 三途春千夜!




また次の機会にお会いしましょう。


『海の声が聴こえる。』 でした~!

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