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叶side 通夜
『明那っ!!?』
一番に倒れた明那のところへ駆けつけて声をかける。
『大丈夫。明那。ごめんね、。』
ひそひそ囁く冷たい針を背中で受けながら、明那を抱える。
〔あの人じゃない?一緒に住んでたっていう〕
〔あらほんと?〕
〔あの人がなんかしたんじゃないの?〕
〔そうよ、事故で死ぬような子じゃないわ〕
〔じゃああれも演技よきっと。〕
〔でもそれじゃ事件よ?〕
『明那の事、悪く言わないでよ、。』
ポツリと呟く。
『ここにいるみんなと、同じように』
『ふわっちが…大好きだったんだから、さ。』
女たちが息もできず立ちすくむ。
『明那のこと、守ってあげたいんだ、。』
『もう、失いたくなくて…。』
明那を抱えて、葛葉と一緒に会場を出る。
貸出用のブランケットを借りて、明那を横にした。
もう何度涙を流したかわからないな。
僕は弱い。明那をこんなにするしか自分を保つ術がない。
明那はいま初めて泣いたんだ。
明那は強いよ。
でも、ふわっちの顔を見られてよかった。
このままみんな塞いじゃって、ここに来なかったら。
きっと生涯後悔する。
悲しい別れだけど、きっとこれでよかったんだ。
これが最善だった。
涙は溢れて止まらない。