テラーノベル
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月島を追うように、日向と影山も倉庫を後にする。
そのまま、何事も無かったかの様に練習が始まった。
影山は、合間合間に月島をチラリと見る。
見るときは、月島が背を向けている時なので、もちろん視線は合わない。
練習に集中したいが、先程の行為の影響で、影山の集中力が削がれる。
烏コ「おーし、いったん休憩」
烏養コーチの声で、部員は汗を拭いながら各々休憩に入る。
影「・・・・」
日「影山・・・なんか、今日変だぞ」
日「バレー以外の事考えてるだろ」
影山が水分補給をしていると、日向が隣にやってきて、そう言った。
影「はっ?」
影山は、図星をつかれて動揺し、それを隠すように眉間に皺を寄せた。
山「え、影山どうかしたの?」
日「いつもと違ったから、ちゃんと集中しなさいよって言ってやったの!」
山「そうなの?気がつかなかったな」
影山を置き去りにし、日向と近くにいた山口のふたりで、会話が進んでいく。
影(コイツに・・・言われるくらい集中してなかったって事か)
影「ーーーーっ、フゥーーーーー」
深く息を吸い、ゆっくりと息を吐いた。
雑念を捨て、気持ちを切り替える為の深呼吸。
月「・・・」
菅「どうした、月島」
山口と日向越しに、影山を見ていた月島に、菅原は声をかける。
菅原には、月島がぼーっとしているように見えたのだろう。
月「!?」
いきなり背後から声をかけられ、月島の身体が硬直した。
影山を、見ていたことがバレてしまったのでは、と思い早くなる鼓動を感じながら振り返る。
菅「?」
月島の反応に、首を傾げる菅原。
その行動を見る限り、バレてはいないと確信した。
影山を見ていた事が、バレたとしても別に深く突っ込まれる事は無いだろう。
しかし、やましい事があると、人間はうまく取り繕えない。
だから、安堵した。
月「いえ、ぼーっとしてました」
烏コ「集合」
烏養コーチの声に、皆が集合する。
2022/12/29
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