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「_怜?」
少なくとも今1番会いたくなかった。
でも、彼は目の下に隈ができていて
赤く腫れていた。どうしても、追い返すわけにはいかなかった
「上がって」
「…眞秀、どうして学校に来ないんだ?」
怜の質問が私の心を刺す。
「えっ…と、わからない」
この機会に話そうと思ったけれど、やっぱり無理みたい。
大粒の涙がわたしから流れる。
「ごめん、ごめんなさい!ごめんなさい…」
これは誰が言っているの?そうか、私か。
「俺は」
その言葉が聞こえてハッとする。
「俺はただ_」
怜も精神が弱くなってる?
「ねぇ…バスケットボールしっかりやれてるの?」
「あ、えっと、やって、る」
明らかに動揺してる。
「じゃあ、その包帯どうしたの?」
不自然に手首に包帯が巻かれれている。
「これは…」
「怜も大丈夫じゃないよね?」
「俺、死にたいんだ」
私は、表情が固まった。
「もう、嫌なんだ。」
「じゃあ、一緒に死のう」
私は自分自身からそんな言葉がでてきたことにびっくりした。
でも、それは本心だと思った。
「明日、一緒に海で。最後にゲームをしてすごそう。10時から○○公園でね」
10時は誰もいないからちょうどいいと思った。それに、優等生の怜がサボるのは騒ぎになるだろうなと思ったから。
「うん。いいよ。」
軽く話が終わってしまった。
でも、怜と一緒に死ねるなら_いっか。
翌日、いつもはきないお気に入りのワンピースと帽子をかぶって、黒いバックに
スマホとスケッチブックを入れた。
最後にゲームをしたかったし、絵も描きたかったから。
9時30にそっと家から出る。家出した気分でとても楽しい。
実際家出かもしれないけど。
公園に行くと、もう怜がいてびっくりした。
半袖にズボンふつうの私服っていう感じだ。
「ごめんねーじゃあいこう」
「ん」
そこから二人で海に向かった。
砂浜に行くと、風が気持ちよかった。
ワンピースのスカートが靡いている。
「スマホ持ってきた…?」
「うん。何する?」
「私が最近ハマっているのは…」
どのくらいたったかわからないくらいスマホゲームを楽しんだ。
それから、私のわがままでスケッチをすることにした。
きれいな海を。この海に私たちは入って、簡単に死んで海を汚すのだろうか?
まぁ…そんなことを考えても仕方ないか。
気づいたら空はオレンジ色になっていて太陽は海に溺れているようだった。
「…みんなびっくりするようにクラスラインに自殺することいわない?」
興味本位で言ってみた。
すると「お、ロマンを感じるな」と案外ノリが良かったので、海の写真を怜が送って
私が「学校のことが疲れたので死にます。今までありがとうございました。」と送った。
そして、二人でしばらく笑って、思い出話をした。
「じゃあ、もういいよね」
「うん。心残りはないよ」
「あのね_好きだったよ。怜のこと」
「俺も」
手を繋いで海に沈んでいく。
不思議と冷たさは感じなかった。
幼馴染、いや好きな人と一緒に死ねたから心残りはなかった。
泣き声が聞こえた。
お母さん、お父さん、彩、莉音、クラスのみんな。
怜、心残りあったよ。怜のお母さんが作ってくれた晩ごはんもう一回食べたいなぁ…。
END