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ハロウィンの夜には

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ハロウィンの夜には

1 - ハロウィンの夜には

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2024年11月01日

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※セーフ(アウト)

※ハロウィン桃赤大量にあるのにハロウィン赤桃ないの悔しすぎて書きました

※さーもんさんが大好きなショタおに赤桃です





小さい頃、吸血鬼に会ったことがある。

なんて言ったら、友達の大半に笑われるんだけど。

10歳の時、ハロウィンの夜にりうらは吸血鬼に会った。





ハロウィンにクラスメイト数人が近所を回ってお菓子を貰いに行く、今年もそんなイベントが計画されてた。

参加する人の中には友達もいたし、りうらも参加したかったんだけど、その日は習い事の予定が被ってて参加できなかった。

で、その習い事の帰りにりうらは自称吸血鬼に会った。

両親は共働きで、送迎がなかったからちょこっと寄り道しながらお小遣いで買い食いとかして帰ってた。

バニラアイス咥えながら、今日はお月様綺麗だなぁとか思ってたら、ふと声をかけられた。

「キミ、こんな時間にそんなカッコしてちゃ危ないよ」

さっきまで気配を感じてなかったのに後ろを振り返れば、奇抜な見た目のおにいさんが立っていた。

桃色の髪と瞳で、貴族の正装っぽい服と裏地が真っ赤な黒のマントを着けた人。

いい年した大人がハロウィンに浮かれてんのかぁ……と冷めた目で見ながら、万が一のために防犯ブザーを握った。

「待って待って待って、俺、怪しい人じゃないから!!!」

「どう見たって怪しい人ですよ」

「だから違うって!!!」

……このおにいさんいい顔してるのに喋ったらなんか、残念だな。

ていうか、さっき『そんなカッコしてちゃ危ないよ』って言ってたよね?

りうら別に普通の服装だと思うんだけど。

「今日はハロウィンだよ?あの世の生き物がこの世に流れ込んでくる日。仮装して擬態してないと襲われちゃうよってこと。ちびっ子が好きな怪物とかうじゃうじゃいるんだから。」

「へ〜……」

「絶対信じてないじゃん!?!?」

りうらの心を読んだかのように始めたおにいさんの話に適当に相槌を打てば、流石にバレたみたいでおにいさんに『ひどい……』って言われた。なんかごめん。

「も〜……じゃあこれで信じてくれる?」

おにいさんがりうらの隣にしゃがんできて、手をつないできた。ひんやりとした感触が手に伝わってきたあと、視界に飛び込んできたのはアニメとか漫画に出てくるようなモンスターたち。

なにこれ、すご。りうらも一応小学生男子だから普通にこういうのには興奮する。でも、

「……ここって日本ですよね?」

そう、目の前のモンスターはフランケンシュタインだったりケルベロスだったりめちゃめちゃ洋風の怪物。

「……キミ、そういうのは気にしちゃだめなんだよ」

手を繋いだまま、諭すようにおにいさんに言われた。

おにいさんの手はずっと冷たかった。最初は冷え性なのかな、とか思ってたんだけど。

「……おにいさんもモンスターってわけですか」

「せーかい。鋭いね、キミ」

俺は見ての通り、吸血鬼だよ。

そう言って、おにいさんは八重歯を見せて笑った。

とくん、と心臓が鳴った。

「あ、取って食ったりとかしないから安心して。俺、ちびっ子の血とか興味ないし」

……たぶん、このドキドキは食べられるかも、とかの恐怖からじゃない気がする。

「……ところでキミ、お菓子とか持ってる?」

「あー……持ってないです」

今日買ったのはさっきのアイスだけだし、ポケットの中を軽く漁ってもそれらしきものはなかったから、そう答えたら、

ちゅ、と不意にリップ音がして数秒後に頬にキスされたのだと理解した。

「え、えっ、は?え……?」

「あいつらに襲われないようにって、おまじない」

ドキドキが一層増して、顔が訳わかんないくらい熱い。

これもう、好きでしょ、おにいさんのこと。

小学生男子とか、チョロいんだから、やめてほしい。

とか考えてたら、『じゃあ俺もう行くね』っておにいさんの手が離れそうになったから、咄嗟に繋ぎ止めた。

「どした」

「……吸血鬼に噛まれた眷属になるってホント、ですか」

「あながち間違いじゃないけど、俺ちびっ子の血には興味ないって言ったでしょ?」

「……っじゃあ、りうらが大人になったらいい?」

必死すぎてカッコつかない。最高にカッコ悪い。

けど、今この手を離したらもう二度と会えない気がして。

「……っ、おにいさんとずっと一緒にいたい」

「あは、嬉しいこと言ってくれるね」

「しょーがないなぁ、キミが成人……人間は18だっけ?成人したら考えてあげるよ」

「……っ、ホント!?」

「ホントだよ。吸血鬼にとって18年なんてすぐだし」

やった、やった、やった。

心の中でガッツポーズしまくる。

「俺は『ないこ』、名前さえ覚えてたら数年後でも会えるはずだから」

「『ないこ』……、うん、わかった。絶対迎えに行くから」

「……じゃあ、楽しみにしてるね、りうら」

そう言って、手を離したらないこさんは闇夜に消えていった。





で、18歳のハロウィンを今年迎えたんだけど。

「どこだよないくーん」

人気のない道をひとり歩く。8年前みたいにアイスを咥えながら。

外出てから数時間立つけど全然ないくんと出くわさない。

8年間ちゃんと名前忘れずにいたんですけど?

もう諦めて友達とハロウィンをエンジョイしようかとスマホに手をかけたところで。

「そんなカッコしてちゃ危ないって言ったでしょ」

「……!!!」

勢いよく振り返ると、そこに居たのは予想通り、桃色の髪と瞳の青年だった。

「ないくん!!!」

ないくんのもとに駆け寄って手を取る。相変わらず冷たい。りうら冷え性だから暖が欲しいところではあるんだけど、ないくんだからもうなんでもいいや。

「……なにその顔」

こっちはないくんに会えて超嬉しいのに、ないくんは苦虫を噛み潰したような、すごい顔してる。

せっかくイケメンなのに変顔しないでよ。

「いやぁ……りうらがドタイプのイケメンになってて悔しいというかなんというか……てか変顔してねぇし!!」

『ドタイプのイケメン』。

やばい、えぐい口角上がる。今とてつもなく顔キモいのでは。ニヤニヤ止まらないんだもん。

「うわぁ……すっげぇ嬉しそう」

「嬉しいに決まってるでしょ。8年前は全然意識してもらえなかったんだから」

久しぶりのないくんを満喫しようと、じっと見つめると、ないくんの耳がだんだんと赤く染まっていく。

「……ないくん、りうらでドキドキしてくれてるの?」

「う、うるさいなぁ……っ、顔近いんだよばかたれ」

はぁーーーっ、ほんとかわいい。

そっかぁ、ないくん、りうらでドキドキしてくれてるんだ。8年前はこっちがドキドキしてばっかだったから、優越感が嬉しさと一緒にやってくる。

「ってか敬語使えよ敬語!!俺りうらより500倍くらい生きてんだからな!?!?」

「まぁまぁいいじゃん。それよりほら、りうらのこと眷属にしてくれるんでしょ?ないくん、」

「はぐらかすなよ。いや、りうらがほんとにいいならいいんだけどさ……眷属になるには吸血と性交渉が必要なんだよ」

前はりうらがちびっ子だったから言わなかったけど、と続けるないくん。

「そんなのいいに決まってるじゃん」

逆にどこに問題があるの?って感じなんだけど。

「んなあっさり……身体の負担とか大丈夫?」

「ネコってないくんじゃないの?」

「……え?」

「さっきの反応からしてネコでしょ」

「いやいやいやいや」

目線逸らして必死にりうらの手を振りほどこうとするないくんの手を引いて、りうらん家まで連行する。

こっちは8年片想い拗らせたんだから、責任とってくんなきゃ困るの。

でも、これからはずっと一緒だから。

もうかわいいなんて言わせないよ。

「ハッピーハロウィン、ないくん!!」

「ハッピーじゃなぁぁぁあい!!!」

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