「あの日消えた君。」
_空白の1ヶ月
___の2ヶ月前。
僕は、先生と約束を交した。
冬休み明け1日目。
その日は、遅刻なんてしない優しくて完璧主義者の担任の紫藤ななもり、なな先生が教室に来なかった。
珍しいと騒ぐヤツらもいれば、ラッキーと騒ぐヤツらもいた。
何故か胸がざわめく。
僕は、不安な気持ちを抱えつつ、
急いで、だけど慎重に、職員室へ向かった。
職員室に着くと、教室以上にやけに騒がしかった。
ちらっと中を覗いても、誰も気がつかない。
それ程には、緊急事態だったのだろう。
先生同士の話を聞こうと息を潜めると、衝撃的な話を耳にした。
「なな先生が消えた」
消えた?なな先生が?
何を言ってるんだ。
そんな、なな先生が消えるはずない。
だって、僕達の、担任の、………
そんな訳ないのに、、
今の僕には馬鹿らしいそんな事しか考えられなかった。
数日すると、生徒にも伝えられた。
今は警察が捜索してるらしい。
そりゃあ、不安でしか無かった。
担任が消えるなんて、そんな怖い話他にない。
きっと消えた人が友達だって、知らない人だって怖いと思う。
でもそれは、担任の先生がなな先生だったからこそ、もし、もし、…と考えてしまってもっと不安だったのだろう。
なな先生が行方不明になり、もう1ヶ月が経過しようとしていた。
特に手掛かりも無く、不安な日々が続いた。
残されているのは、なな先生の”生きていた”という証拠だけだった。
2月28日。
そんな実感の無いような日々が続き、2月も終わり頃。
中学卒業に向けて準備を進めていた。
青「………ん、…」
眩く光る長方形の端末を手にし、時間を確認すると7:35と表示されていた。
青「………、やっばッ!」
高校まではさほど遠くないが、電車を利用している為、いつも乗っている時間というものがある。
急いで制服に着替え、机に置いてあるパンをかじる。
どれだけ緊急事態だってご飯はしっかり食べよう。それが僕のマイルール。
コーンスープで口いっぱいに詰め込んだパンを流し込みつつ、ぼーっとテレビを見ていた。
『__。_続いてのニュースです。先月から行方不明となっていた紫藤ななもりさんが、昨夜、東京都_区__で遺体となって発見されました。遺体は、__で_』
思わず手に持っていたコーンスープを落とした。
恐れていたことが起きてしまった。
周りの音が遠くなる。心臓の音がやけに五月蝿い。
『東京都_区__紫藤ななもり_遺体___』
脳内で何度も再生される。
手足が痺れるように痛い。
僕には、受け止められなかった。
黄「『俺が紫藤先生を殺した。』」
黄「そう言って泣きながら帰ってきました」
そう、確かにあの空白の1ヶ月の間に、先生は死んだ。
確かに殺されたんだ。
紫藤ななもりは、赤瀬莉犬の手によって。
__To be continued
♡200~
意外な展開へ持っていけたでしょうか
続きをお楽しみに…
コメント
4件
初コメ失礼します。 いつも見させてもらってます!! ほんとにすべてが天才すぎて最高です😭😭🎶🎶
衝撃展開すぎて大興奮してます() 続きありがとうございます🥹🫶🏻今回もめちゃめちゃに最高でした〜!!