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どっちかって言うとわんこっぽいほうがすきなんです。
マフィアって、かっこいい。
〈長編〉ほんとは連載しようと思っていたやつ。
これでとりま2ヶ月分の遅れを埋める。
朝
いつも通り用意されている、量がちょこっと多い朝ごはんを食べて、
自室に戻り、クローゼットの中からハンガーに掛けられた制服を取り出して着替える。
鏡に向き直って、いまだ慣れない手つきでネクタイを結び、
鞄を手にとって、部屋の引き戸を開けて
黄/行ってきますっ
母/気を付けて、いってらっしゃい
母親の声に頷いて、玄関を出て、門を開ければ
翠/おはようございます
翠/今日もしっかりとお守りします
俺と同じ制服を着たすっちーが、今日も門の前に迎えに来てくれている。
黄/おはようっ
挨拶を返すと、突然すっちーの手がこっちに伸びてくる。
翠/ネクタイ、曲がってますよ
そう言って歪んだネクタイを真っ直ぐに直してくれた。
黄/あ、りがと⸝⸝
照れているのに気付かれないよう、顔を少しだけ下げる。
早まった鼓動を誤魔化すため、すっちーより先に足を進めた。
黄/っ、早く行こうっ、
翠/はあい
ここから、並んで歩くふたりだけの時間。
俺にとっては、幸せの時間。
主従関係なんて気にせず、恋人として、素のままでいられる。
暗い空に月が浮かぶ。
黒い影の間から光がこぼれる。
足元を青い光が照らす。
生臭いにおいが漂う。
荒い息遣いが耳に入る。
微かに震えている、真っ赤な手。
血だらけになった頭を頑張って傾けて、地面に這いつくばりながら一生懸命にこっちを睨んでいる。
翠/……奥さんと、小学生の息子がふたり
翠/守らなきゃいけない人が家で待ってるのに
翠/こんな夜中までお勤めご苦労さまです
しゃがみ込んで、さっきよりさらに目線を近づける。
冷たい銃口を突きつけ、引き金にかかる手に力を込める。
翠/今あなたに残された選択肢は3つです
翠/ここで撃たれる
情報を吐く
黙って家族の元へ帰る
翠/3秒数える間に考えて
翠/さーん
考える隙も与えず、すぐさまカウントを開始する。
殺意の隠ったその男の瞳の奥で、恐怖が揺れていた。
銃口を頭に押し付け、さらに圧をかける。
翠/にー、
それでも一向に口を開く気配はない。
憎悪の念を持って、未だ俺を睨みつけている。
敵意丸見え。
瞳孔だって、ガン開き。
翠/いーち、
翠/…ぜろ、
呆気なく訪れたタイムオーバー。
最期に何かを言いかけるように唇が動いた。
/…てめぇも道連れに____
一つの区切りがついたように、街の空気を切り裂く音が響き渡る。
こっちの世界では、ちょっと待って、なんて言葉は通用しない。
辺りにじわじわと広がった赤いドロドロの液体がローファーに付く前に、さっと立ち上がりその場から距離を取る。
拳銃に引っ付いた返り血をタオルでそっと拭き取り、ポケットにしまうと、やがて背後から落ち着いた声が聞こえた。
桐山/……やりすぎだ馬鹿
翠/…すいません、
柔らかく頭を小突かれて、小さく謝罪の声を口にする。
後藤/こりゃまた派手にやったなあ…
後藤/後片付けが面倒だ、笑
生臭さに加え、煙草の煙臭い匂いが鼻をつく。
一定のテンポで煙が濃くなっては影に溶け込む。
翠/…未成年の前で堂々とタバコ吸うのやめてください
後藤/こうでもしねぇとやってけねぇんだよ
手慣れた様子で掃除をしてくれている横で、ふと夜空を見上げる。
星が薄っすらと輝いてる。
桐山/お前は隙があるんだよ、
桐山/だから怪我が多い
翠/………、
翠/隙を作ってるつもりは、ないんですけどね
血液の流れる熱を感じる。
今になって、左手の裂傷が痛みを思い出させてきた。
机に向かってだいぶ時間がたった頃。
ふと時計を見上げると、もうすぐ0時を回るところ。
いつもに比べて今日は明らかに帰りが遅い。
勉強しようにも集中できないし、ペンが進まない。
不安な気持ちが徐々に頭の中を侵食していく。
携帯に電話してしようかなと思い、スマホを手に取ろうとした時。
玄関ががらっと開かれる音が深夜の家に響いた。
黄/っ、.ᐟ
考えるより先に体が動く。
廊下を駆け、玄関に通じるドアを開けると
黄/…すっちー、っ
翠/、…
玄関に体重を預けるように立っている。
俺の声に気付いて、ちらっと目線だけをこちらに向けた。
翠/…ただいま戻りました、
そう言って軽く笑ってみせる。
それでも、疲れが顔に出てる気がする。
黄/全然帰ってこないから、心配____
そこまで言いかけて、すっちーの左手の甲に昨日までなかったはずの大きな傷があるのに気がついた。
よくみると、所々に血みたいなものがこびりついてる。
心臓がどくって飛び跳ねる。
黄/手…、どうしたの、.ᐣ
それを指差して俺が聞くと、すっちーもその傷に目を向けて、それから隠すみたいに後ろに回した。
翠/このくらいの傷、どうってことないです
はぐらかすように口角を上げて笑って、目線を合わせようとせずに俺の横を通り過ぎようとする。
その腕を引っ張った。
黄/…だめだよ、
黄/ちゃんと手当しないと、悪化するよ
翠/……
俺の言葉にすっちーは特に抵抗する様子もなく、睫毛を下げて、俺をじっと見つめてきた。
好きにしていいよって、言ってる。
拒絶されなくて安心した。
俺の部屋に連れてきて、ベッドの上に座らせた。
救急箱を棚から引っ張り出し、消毒液やら絆創膏やらを取る。
黄/…すっちーさ、
黄/初めて会った時のこと、覚えとる、.ᐣ
消毒液を染み込ませたガーゼで、優しく傷口を押さえる。
ガーゼ越しでも赤黒い血が分かるくらいに傷が深い。
きっと、今俺が想像しているよりももっとすっちーの方が苦しいはず。
グロテスクな光景に胸が痛んだ。
翠/…覚えてる
痛みは感じないのか、それとも、我慢上手なだけなのか、
すっちーは手を動かそうともせず、俺の質問に対してただ静かに頷いた。
黄/あの時も、
黄/すっちー、ほっぺに絆創膏貼っとったよね、笑
話してるうちに、あの日の鮮明な記憶が脳に流れ込む。
柔らかい日差しが降り注ぐ春日和。
初めて出会った日。
もう10年も前の話。
雨上がりのお昼すぎ。
庭の石畳の細道の近くに水たまりができていた。
しゃがみこんで、雨水の匂いと共にゆらゆらと揺れる雲と、そこからちょっとだけ顔を出した太陽を水面越しに眺めていた。
地面に伸びる小さい影が、ふたつに分身した。
びっくりして横を見ると、同い年くらいの男の子がこっちを見ていた。
きれいだった。
女の子みたいに華奢で、
まるで、天使みたいな。
だから、ほっぺに貼られてる大きな絆創膏が、その可憐さに似つかなかった。
ふっと笑って、その子は口を開く。
翠/Tu fais quio.ᐣ(なにしてるの.ᐣ
黄/…….ᐣ.ᐣ
よく分からなかった。
聞いたことのない言葉。
黄(宇宙人、.ᐣ
翠/…あ、かえるっ
今度は分かる言葉で、その子が水たまりの向こうの茂みを指差す。
目を向けると、小さなかえるが飛び跳ねていた。
黄/ぁ、ほんとだ、、
翠/Attrapons.ᐟ(捕まえよ.ᐟ
黄/…ぅえ、、っ.ᐣ
訳の分からぬままその子に腕を引っ張られ、庭の奥へと突き進む。
結局、追いかけてたかえるはふたりして見失って、
まだ髭もそんなに濃くなかった頃の庭の管理人さんに見つかって、
俺のお母さんにこっぴどく怒られたんだっけ。
あとで桐山さんから聞いた。
すっちーのお母さんがフランス人で、お父さんが中国人だったらしい。
日本語が少しだけ喋れるのは、俺のお母さんに昔から沢山教わったからだって、本人が言ってた。
翠/……かっこわるい、
黄/ぇ、….ᐣ
絆創膏を貼り終えて片付けていると、後ろからぼそっと呟くのが聞こえた。
振り向くと、すっちーは貼ったばかりの絆創膏をじっと見つめている。
翠/怪我してばっかで、
翠/いつも迷惑かけて
その口調が、自身のことを責めているようで。
黄/すっちーはかっこいいからっ.ᐟ
反射的に言い返してしまった。
いつにも増して俺が大きな声を出したことにびっくりしたのか、すっちーは一度顔を上げた。
が、またすぐに目を下げる。
翠/でも、怪我してたら貴方のことも守れないし……
黄/いつも守ってくれてるやんっ
すっちーの言葉を食い気味に遮る。
黄/すっちーは自分のことを卑下しすぎ.ᐟ
黄/謙虚なのは良いことやけど…
黄/俺の前ではもっと自分に甘々でいて
言いたいことが次から次へと口から溢れる。
それでもすっちーは納得がいかないのか、
今や弱った仔犬見たく落ち込んでしまっていた。
もし尻尾がついてたら垂れ下がってるくらい。
こっちを見ようとせず、ずっと俯いている。
どうしようと悩んだ末に、すっちーの前に座り込んだ。
黄/…すっちー、顔上げて
翠/、.ᐣ
すっちーの両頬に手を当て、無理やり目線を合わせる。
されるがままに顔を上げたすっちーの耳に甘噛みした。
キスを落として、
噛んだところを優しく舌で触れる。
黄/んっ、ふ……っぅ、⸝⸝⸝♡
壊れるんじゃないかってくらい、心臓がドキドキしてる。
頬に添えてる手が震える。
指先が熱くなる。
これは、あくまで応急処置。
翠/…ぁ、え、.ᐣ
黄/……ん、⸝⸝⸝
一度顔を離す。
すっちーは固まったまま動かない。
そのまま首筋に視線をずらした。
黄/ぅ、…、っん♡⸝⸝
翠/っぃ、っ゛.ᐟ.ᐣ
唇を付けて、少し強めに吸う。
跡がしっかり付くように。
教えてもらった通りに。
ただの、応急処置だから。
黄/……っ、は⸝⸝
そう何度も自分に言い聞かせる。
唇を離すと、ちょっとだけ歪なキスマができあがった。
上から優しくなぞる。
ただでさえ白いすっちーの肌に、赤い跡がよく映える。
すっちーが今どんな表情をして、何を思っているかなんて分からない。
自らがした行為なのに、恥ずかしさが全身を駆け巡り、目を合わせることはできなかった。
黄/…すっちーみたいに上手やないけど、⸝⸝⸝
黄/っじゃ、.ᐟ
黄/おれ喉乾いたからお水飲んでくるっ⸝⸝⸝
羞恥心を隠すため、早口で言い訳を捲し立て、勢いよく立ち上がる。
呆然としているすっちーを残して、逃げるように部屋を出た。
____________
さっきまで唇が触れていたところが熱を帯びる。
顔が熱い。
体中の力が一気に抜けて、ベッドに倒れ込んだ。
翠/……っ、⸝⸝
翠/これは、ずるいって⸝⸝
____________
ドアに背中を付けて、へたり込む。
まだばくばくしている心臓を抑
える。
お腹の奥がきゅうって苦しくなる。
今の俺、ぜったい耳まで真っ赤になってる。
黄/…〜〜〜っ、⸝⸝⸝
黄(早く鳴り止んで、っ⸝⸝
夜中、誰もいないと分かっていても、熱くなった顔を見られまいと、その場に蹲った。
連日雨が激しかった。
湿っぽい部屋の中で、時折曇天の空に鋭く光る筋が胸をざわつかせる。
黄/…すっちー、この問題____
翠/……はぃ、.ᐣ
問いかけに対してワンテンポ、ツーテンポ遅い返事。
机に項垂れて、首だけをこっちに向けている。
その右手に握られたペンは、さっきから少しも動いていない気がする。
黄/すっちー、眠いん、.ᐣ
翠/、眠くないです、
黄/声がふわふわしとるよ、笑
それに、ほっぺも少し赤いような……
まさかと思い、自分のおでことすっちーのおでことを交互に手を当てて確認する。
黄/…あつい、
ぼーっとしているすっちーに、眉をひそめる。
黄/すっちー、風邪引いた.ᐣ
すっちーと出会って一週間がたった日。
前日降った雨がまだ生乾きで、太陽に当たって暖かい風に靡く花々を縁側から眺めていた。
静かな昼間の空間で、春風の柔らかい音と、畳が擦れる音と、
小さく咳き込む音が聞こえる。
角にある部屋の襖をゆっくり開ける。
黄/…だいじょうぶ、.ᐣ
翠/けほっ……、っ.ᐣ
部屋の真ん中で、体を縮こませて布団にくるまり、荒く息をする。
熱に魘されて苦しそうなその額にはじんわりと汗が浮かんでいた。
布団の横には、体温計と薬に冷めたココア。
勝手に部屋に入ってきた俺の存在に気がついたのか、涙ぐんだ目をこっちに向けた。
翠/…はいっちゃだめです、っ
翠/おれまだ熱下がってないから
翠/風邪、うつっちゃいますよ
体を無理やり起き上がらせて、俺が近くに行くのを止めようとする。
黄/…おれ、風邪引かないもん
翠/引かなくてもダメですっ
せめてもの反抗なのか、毛布を頭まで被ってしまった。
そのせいで余計に息苦しくなって、咳が多くなる。
布団の隙間から覗く小さな左手にそっと触れる。
びくって手が震えて、すちくんは顔を出した。
翠/…なんですか?
黄/すちくんが寝れるまで、おれが手にぎっててあげるっ
布団の中に潜り込み、すちくんの隣に寝っ転がる。
一瞬、すちくんは目を見開いて、それからそっぽを向いてしまった。
でも、繋いだ手を解こうとはしない。
翠/……ん、
俺と同じくらいのサイズの、すちくんの手。
その指には、絆創膏が幾つか貼られていた。
手を握りはじめて数分。
落ち着いてきたのか、息をする音がゆっくりになってきた。
翠(お花の匂い、
翠(落ち着く匂い…
弱く握り返してくれる感覚が伝わる。
あったかい部屋の中で、葉擦れの音が聞こえる。
解けないようぎゅっと握って、目を閉じた。
ホットミルクを持って部屋に戻ると、すっちーはもう寝ていた。
俺の勉強が終わるまで起きてるって、あれだけ意地張ってたのに。
やっぱり体はしんどかったんじゃん。
熱が下がったらちゃんとお説教しないと、なんて考えながら、手に持っていたカップを机に置いてベッドの端にそっと腰掛ける。
改めてじっくり見てみると、肌が白くて、睫毛が長くて、髪もさらさらしてて、口元が小さくて、
ほんとに天使みたい。
でも、首元とか手を見たら男の人らしさもあって。
ゆっくり手を伸ばして、すっちーの手を握る。
翠/……对不起、
目の端がきらっと光った。
一筋の涙が真っ白なシーツに染み込む。
昔の夢でも見ているのか。
俺が触れられなかった、7年間の夢。
俺は、すっちーのお母さんもお父さんも写真でしか見たことがないから、どんな人達だったのかは人伝にしか聞いたことがないけれど。
今、目の前にいるのに。
簡単に触れてしまえる距離にいるのに。
その中で、俺の知らないすっちーがいることに、不安しかなくて。
手を握る指先に力を込める。
もう片方の手で、すっちーの髪を優しく撫でる。
黄/…ずっといっしょにいるから、
黄/いなくならないで、
おでこをくっつけて、今は聞こえるはずもない彼に向けて、はっきりと呟いた。
週末。
夜。
甘くなる部屋。
黄/んぃ゛〜〜〜〜っ.ᐟ.ᐣ♡⸝⸝⸝
黄/ぁ、…っう、、⸝⸝
艶っぽい声。
翠/っ、
黄/あっ゛.ᐟ.ᐣ♡、ぅん……っ゛ふ、.ᐣ♡♡⸝⸝⸝
黄/っま、っ……止まっ、、ぁ゛⸝⸝
乱れたシーツ。
全部が興奮材料。
黄/ん゛……ぁ、っ♡゛⸝⸝⸝
翠(…シーツ、掴まないんだ、
翠(手に力入ってたら、爪が食い込みそう
固く握られた手を優しく解いて、指を絡める。
黄/ん……゛、ぅぁ、っ.ᐣ.ᐣ♡♡
翠/俺の手、ぎゅって握って、
黄/、ゎか、ったぁ、…⸝⸝
逃げないように、さらに奥へ腰を沈める。
黄/ぁ゛っ.ᐟ.ᐣ…〜〜〜〜っ゛んん、⸝⸝♡
声が一段と高くなる。
黄/っう、♡ぁ゛……ん、っ⸝⸝
黄/やっ、ゃあ、♡゛……あぅ゛.ᐟ.ᐣ♡
閉じない口からずっと嬌声が漏れている。
翠/…きもち.ᐣ
黄/…っ、ん⸝⸝⸝
首を小刻みに動かした。
繋がれた手が弱々しく握り返される。
黄/っぃ、゛♡……あ、っ⸝⸝⸝♡
黄/……ま、っ゛.ᐟ.ᐣ、っだめだめ…っ⸝⸝⸝
黄/ぃく、っ…〜〜〜゛っぁ゛、♡♡⸝⸝⸝
体の力が抜けたところをわざと襲って。
黄/ああっ゛.ᐟ.ᐣ⸝⸝♡
黄/い゛、った、ぁ…っ゛⸝⸝⸝
黄/おれ、も、ぅっ…いっ、たから゛♡
体の中が痙攣してる。
奥がきゅって締まった。
翠/…俺の、欲しい.ᐣ
黄/……欲しい、⸝⸝⸝
もし、これが夢なら
翠/っ、⸝⸝
黄/ぃあ゛、〜〜〜…゛っ.ᐟ.ᐣ♡♡⸝⸝⸝
二度と覚めないで。
小話の集合体なので。
連載しようと思ってやっぱめんどくなって辞めたやつなので。
low Quality過ぎてSorry。
コメント
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もうほんとに大好きです…泣