「 只今帰りました 」
自宅へ帰ってきた。
…演奏を求められるなんて彼は何を考えているのだろうか
『 おかえりなさい 』
「 ただいま、夕食のの用意をしますね 」
そう言って僕はキッチンへ立った。
『 どうでした? 』
「 六四で僕の負けです。 」
『 そうでしたか。今度チェスを教えてあげます 』
「 っほんと?!ありがとう兄さん!! 」
思わず笑がこぼれてしまう。
『 それで勝ったのだから演奏を聞かせてほしいと…… 』
「 矢っ張り聞いてたんですね 」
『 ぼくも同行していいですか? 』
「 勿論 」
混ぜる音、加える音、焼く音。
料理の音が響く部屋で2人、兄さんと2人きりで会話をする。
料理を終わらせ時計に目を遣ると時刻は7時を示していた。
そろそろ家を出よう。
「 兄さんも一緒に演奏します? 」
『 太宰君はユーラの演奏を求めています 』
『 ぼくが演奏するべきではありません 』
「 兄さん用意できた? 」
『 勿論です 』
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