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秘密。
携帯のアラームが鳴り止まない。
眠い目を擦り、「停止」ボタンを押す
時計の針は8時を指していた
重い体を起こし、洗面台へと向かう。鳥の鳴き声、電車の音、人達の声。
全てが鬱陶しく感じた
階段を「トントン」と、つま先で鳴らしながら降りる
ドアを開けると卵焼きのいい匂いがしていた。
「 おはよう 」
優しく、心地の良い聞き慣れた、元貴の声。
「 おはよう 」
机の上に置いてあるリモコンに手を伸ばし、「元貴を待ってる」と言わんばかりにテレビをつけ、眺めていた。
「 ごめん遅くなって、食べようか 」
いい所で、
そんなことはどうでもよく、両手を合わせ、ナイフとフォークを持ち料理を口に運んだ。
「 おいしい 」
いつもの味、いつものセリフ。
これが毎日のルーティン。
朝食を食べ終わると自分の身支度を進める。
歯磨きをして、髪の毛をセットし、服を決める。
「 どんな服がいいかな 」
なんて言っても、元貴は家事でいっぱい。
返事なんか来やしない。
「 いってきます 」
玄関でポツリと呟き、ドアを開け仕事に向かう。
こんな毎日が俺は好きなはず。
俺の仕事は誰にも言ってない秘密のお仕事。
他人のブツを俺の中で満たせる。
そんなお仕事、
ド変態なクソジジイが見るようなサイトで喘ぎ、世界中のヤツらを充たす。
今日もまた、そんなヤツらの餌食。
「 ん”、、 」
「 あ”ッ、 」
「 や”、らッ、 」
「 イク 」
「 あ”ッ、ぁ”、 ん”ッ 」
今日もまた、俺の腹の中が満たされていく。
もちろん元貴にはこのお仕事は言ってない
自分でもなぜしているのかわかっていない
でも、大金が手に入る。
これで元貴を楽にさせてあげられる、元貴を養っていける、これで、これで、
幸せになれる。
なんてこと思ってた。
自分が良ければ全ていい、って思ってた
贅沢にタクシーを捕まえ、家まで帰る。
家の前に立つといつもドアを開けるのを拒否ってる。
体が気持ち悪い。
なんて気を紛らわせドアを開けて家に入った。
「 おかえり 」
元貴が腕を組み、こちらを見つめていた、
全てを理解するのには時間がかかった。
「 ただいま 」
元貴に会っただけなのに、冷や汗が止まらない。
「 これ、見たよ 」
お揃いのキーホルダーをつけた携帯。
その画面に映っているのは俺が犯されて喘いでる動画。
笑うしかなかった。
「 あぁ、笑これね 」
「 言ってなかったけどさ、 」
こんな”俺”なんだよ。
元貴が想像してる俺とは逆の俺なんだよ
毎日同じように犯されてるんだよ。
元貴を養うために。
もう飽きたよ、嘘つくのは。
元貴の愛が欲しい。
ずっと同じ図、ずっと一緒の毎日で、同じ場面。
元貴は気づいてくれやしないよ。
「 これが本当の若井だから 」
おいしいごはんが食べたいとか、暖かい布団で寝たいとか、暖かいお風呂に浸かりたいとか、面白いテレビをふたりで見たいとか、そんな事じゃなくて。
そんなの求めてない。
「 元貴は俺の事すき? 」
「 すきだよ。 」
好きなんて簡単に言えるよ。思ってても文にして送ったら同じだよ。
行動で示してよ。もっともっと愛して欲しい
「 ずっと我慢してた若井が知らない人に犯されてヤキモチ妬いてた 」
「 苦しかった。 」
「 知らない人の液をお腹の中に溜めて知らない赤ん坊を産むな。」
「 僕との子を孕んで若井 」
「 すき 」
真っ暗な部屋に2人。
白く冷たい息を元貴は口から漏らし、俺の首筋に唇を付けた。
冷くて、温もりも感じた。
さっきから元貴の勃ってるブツが当たってる。
俺の前では、もう
「 がまんしないで元貴 」
────────
気分で続き。