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こんにちは。作者の さゆらです!
今回は数ある中でこの作品【輝く星を見ていたから】を選んで頂きありがとうございます。
此方は完全オリジナル小説となります。
ですので、パクリだ、などのコメントはおやめ下さい。
それでは作品へまいりましょう。
行ってらっしゃいませ。
(スクロールすると本編があります。)
【輝く星を見ていたから 】
ー登場人物ー
夜沫 夢泡 (ヤカタ ユワ) ⇒ 主人公
星宮 彼方 (ホシミヤ カナタ)
姫野 葉月 (ヒメノ ハヅキ)
坂田 美玲 (サカタ ミレイ)
有村 葵奈 (アリムラ アイナ)
舞台
桜岳高校
※空想の学校です。
第一章
『輝く君』
初恋だった。
それは花が咲くようにぱっと咲き、泡が弾けるように呆気なく消えた。
ずっと、ずっと、遠い存在だった君を、好きになってしまった。
何もない私と、煌めいていた君。
叶わない。
これからも、そうなるはずだった。
二年になった春。
初めて彼を目にした。
なんとなく、一年の時も噂には聞いていた。
頭も良くて、運動神経もいい。
いわゆるモテ男子。
初めは全く興味がなかった。
女子たちが騒ぐ中、私は一人で窓の外を眺めているだけ。関わったところで、何かが変わる訳でもない。なら、関わらなくていい。それで良かった。
それでも、同じクラスになってから段々と周りの女子と同じような気持ちが芽生え始めていた。目で追ってしまう。話しかけたい。
そんな気持ちをぐっと堪えて、過ごしていた。
彼は…星宮くんは、クラスの人気者でいつも中心にいた。男女平等で、みんなに優しい。
それに比べると、私は得意なものもない。ましてや好きな物もなく、特にこれと言った特技が無かった。クラスでもそこまで存在感もなく、ただひっそりと生きていた。
もう、あんなことにはなりたくないから。
一学期の半ば、席替えが行われた。
席替えは完全なるくじ引きだった。
誰と隣になりたい、とかも無かった。
強いていえば、一年の時に同じクラスだった葉月達と近くなれたら嬉しいな。ぐらいだ。
葉月は、私を救い出してくれたから。
……いや、嘘。
星宮くんと同じになりたい。密かに思った。
結局席替えは、私は教卓の真ん前の席。
最近で言うとアリーナ席とやらの場所だ。
別に先生に関しては今回は当たりだから不思議と嫌じゃなかった。
周りの人はと言うと、隣は初めて同じクラスになった男の子。後ろには葉月が居た。
美玲と葵奈は一列挟んだ横。
肝心な星宮くんはと言うと、同じ列の一番後ろ。一番前と後ろという関係で、最も彼を見るのが大変な席だった。
あぁ…遠いな。
なんて、無意識に思うようにまで。
その日の昼休み、いつも通り私と、葉月、美玲、葵奈の四人で教室でお昼ご飯を食べていた。今日の話題は恋バナ。最近流行っているんだ。誰が好き、とか、どんな人がタイプか、とか。前の私は興味無かったけど、今は彼という存在がいる以上、無視することは出来なかった。
美玲「ねぇ、そろそろみんな好きな人いないの?」
葵奈「そうだよ、二人ともいつも言わないんだもん。いないって。」
夢泡「だって…いつも思い当たらなくて…」
美玲「まぁでも、それはそれで夢泡らしいよね。」
嘘はついてない。
今までは思い当たらなかった。
だけど、今は違う。でも、言ってバレたら恥ずかしいし…。
#創作BL
灯依
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葵奈「葉月はどうなの?」
葉月「ぇっ、私…、?」
…あれ。
葉月がいつもと様子が違う。
いつもは真っ先に「いないよぉ!」と言うのに。
葵奈「え、何その反応、!」
美玲「どうなの、何!出来たの…?!」
見事な二人の食いつき。
私も気になるけど、二人みたいには聞けなかった。
夢泡「…もしかして、好きな人いる?」
葉月「……ぇっとね…実は、出来たの。好きな人。」
ついに葉月が告白した。
どうやら本当に出来たらしい。
今まで私と同じで居なかったのに。
葵奈「え、誰々?!」
美玲「イケメン?!どんな人?!」
葉月「や、やめてよぉ…、!聞こえちゃうから…っ」
葉月は顔を少し赤らめて言った。
それから、ちらりと見る。
彼、星宮彼方の方を。
その瞬間私はどきりとした。
嘘。まさか、葉月もそうなの?
嫌だ、取られちゃうの?確かに葉月は私よりも可愛くて、大人っぽくて、学年の中でも有数と言われるほどの美女だ。
そんな彼女が人気者と。そんなのお似合いでしかないし、どう考えても上手くいく。
誰しもがそう思うほどだった。
覚悟を決めて、葉月に聞いてみることに。
夢泡「……誰なの、?」
葉月「ぁ、あのね…彼方くんが、好きなの……っ」
それを聞いた瞬間、私の恋は終わったと思った。こんな形で終わるなんて。
思ってもいなかった。諦めるしかない。
勝手に、そう決めつけて、言い聞かせた。
他の二人はきゃあきゃあと盛り上がっていた。
葵奈「えー!そうなの、!」
美玲「確かに人気者だ気いいよねぇ!」
葉月「ぅ、うん、そうなの。」
そう話す葉月は、恋する乙女のように、悔しいほど、酷く美しく見えた。
葵奈「そっかー!応援するよ!葉月の恋!」
美玲「私も!全力でサポートする!」
そういう美玲に、ね!と促されてハッとした。私も何か言わなきゃ。
夢泡「うん、そうだね…。」
咄嗟に、そう言ってしまった。
私も星宮くんが好き、なんて死んでも言えなかった。葉月の恋を邪魔したくない。
だから、我慢しよう。
そうして、私は自分の気持ちに蓋をして、閉ざすことにした。
それから、夏休み。
夏休みは課題と、部活に追われる日々となった。
葉月は部活はやっていないがプライベートの勉強に、美玲と葵奈も吹奏楽部で追われていた。そんな私はと言うと、美術部として絵を描くことに追われる毎日。
本当は合唱部か、演劇部に入りたかった。
でも、あの時決めた心の約束を破る訳にも行かない。だから、辞めたのだ。
今年の夏はコンクール用の作品を描きあげなければならない。二つ。
一つは風景が。今回は夏なので、夏の自然を描くつもり。もう一つはテーマ自由。だから今悩んでいるのだ。
部室である美術室は南校舎二階の一番端。
両サイドの窓は、片方は北校舎が見えて、もう一方はグラウンドが見える教室だ。
私は描くものによって描く席を変えていた。
でも、最近の大体はグラウンド側。
そっちの方が自然も多いし、何より、外で部活を頑張る彼が見えた。
うちの学校は部活のグラウンド使用が交代制で、バレーボール部、バスケットボール部が体育館とグラウンドを交互に使用していた。
私はバレー部が外の時は必ずグラウンド側に座るようにしてた。
もちろん、バスケ部の時もそうだけど。
時折、気づいたら彼を描いていることがあった。仲間からトスを貰い、高く飛び上がる。そのフォームは美しく、綺麗な鳥のようだった。そんな彼を私は描く。
その時、ふと思った。
二つ目の作品は彼を描こう。でも、彼とはバレないように少し変えて。
そうして、夏のコンクールの作品を描き始めた。空に羽ばたく彼を見つめながら。
作品制作を初めて数日経った頃、気分転換で窓を開けて外を眺めていると、ちょうどグラウンドに出てきたバレー部がいた。
ぼーっと見ていると、彼が来た。
視線に気づいたのか、星宮くんは顔を上げて私を見た。
すると、目が合った。
しまった、と思った頃にはもう遅い。
驚いたように固まっていると彼が先に動き出した。
彼方「おーい!聞こえるかー!」
まさかの声をかけられた。
自分では無いと思い、辺りを見回していると、下からくすりと笑う声が聞こえた。
彼方「君だよ。夜沫さん。」
夢泡「……ぇ、私、?」
彼が声をかけたのは他の人ではなく自分だった。どうして。なんで。
嬉しさと困惑がぶつかり合っていた。
彼方「そうそう。元気?」
夢泡「ぁ、うん。元気だよ。星宮くんは…?」
彼方「俺もちょー元気!これから部活だし!」
そっか。そうだよね。元気だから、やりたいから部活来てるんだもんね。
夢泡「そっか。良かった。」
思わず、安堵の言葉を口にしてしまった。
夢泡「ぁ、えっと、今のは、そのーっ」
動揺しまくり。口が滑って焦る。
彼方「ははっ、焦りすぎ。」
彼に笑われた。恥ずかしいはずなのに、少し嬉しかった。
彼方「大丈夫だよ。ありがとう。」
夢泡「…うん。」
優しい。彼はいい人だ。
彼方「夜沫さん、これから部活?」
夢泡「ぁ、今日はあと少しだよ。今日は午前中で終わりなの。」
彼方「お、マジ。俺と同じだ。」
同じ。ただ終わる時間が同じだけなのに、嬉しかった。
夢泡「そうなんだ。部活頑張ってね。 」
彼方「おう。ありがとな!夜沫さんも頑張れよー!」
そういうと彼はバレー部の仲間の元へと走り去った。
初めて、頑張れって言われた。
美術部に頑張るも何もあるのかと思いつつも、私は続きを描くことにした。
夏休みも後半。
今日も絵を描き続ける。
今日は画材探しで少し町外れの小さな森ようなところにやって来た。
一つ目の自然の画材の為に。
道具を持って小さな森中を歩き、ふと、川を見つけた。浅く、川幅も狭いが、夏の風景にふさわしい川だった。
近くの岩に腰を下ろし、下描きを描くことに。どれだけそうしていただろうか。描いているうちに、楽しくなり鼻歌混じりで描いていた。一人だから。そして、一時間くらいした頃、後ろ、来た方向から、かさっと葉が鳴る音がした。ぱっと反射神経で振り返った。
描く手と、歌を止める。
するとそこには、見覚えのある姿が一つ。
夢泡「…星宮くん。」
なんと、恋焦がれていた彼の姿が。
どうしよう。なんでこんな所に?何をしに?
そして、ハッと気づく。
歌、聞かれたかも。
彼方「夜沫さんだ。こんな所で会うのんで凄いね。」
夢泡「…うん。ど、どうしてここに…?」
彼方「俺?散歩。ランニング帰りに息抜きで。」
夢泡「へぇ、そうなんだ。お疲れ様。」
ランニングなんて、凄いな。
私にな到底できない事だ。
彼方「おー、サンキュ。ところで、夜沫さんは何してたんだ?」
どきりと、心臓が跳ねた気がした。
なんて答えよう。絵を描いてました。で、いいかな。
夢泡「ぇ、えっと…絵を、描いてたの。」
そっと抱えていたキャンバスを見下ろした。
彼方「絵?いつもの?」
いつもの。とは。なぜ彼が知っている?
確かに最近コンクール用で描き続けていたが…。
彼方「あ、変な意味じゃないよ?見たことはないけど、この前美術室に居たから何か描いてるのかなって。」
それから彼は「どんな作品かは見たことないけど。」と呟いた。
夢泡「あー、覚えてたんだ。」
彼方「当たり前だろー?夏休みなんてあんまりクラスメイトとか合わねーし。」
当たり前。その言葉が聞こえた瞬間心が跳ねた。後から来た文に、そうだよね、と言い聞かせた。
彼方「…なぁ、どんなの描いてんの。」
夢泡「ぇ、?」
彼方「いや、別に見せたくなかったら見せなくていいんだけどさ…」
見せたくないわけがなかった。
好きな人に見て貰えるなら、見せたいに決まっている。
首を横に振って
夢泡「そ、そんな訳ないよ…!」
そう言って絵を星宮くんの方に寄せた。
すると、彼は興味津々に覗き込んだ。
彼方「うわ…うまっ。」
…今、上手いって言った?
そう言ってくれたよね?私が彼の言葉を聞き間違えるはずがない。
夢泡「…ほんと、?」
彼方「うん、ほんと。めっちゃ上手い。」
なんだか照れくさくなった。顔がほんのり熱い。この熱がバレませんように。
彼方「夜沫さん、凄いな。絵も上手い。さっきの歌も。」
夢泡「う、た…っ、?」
歌。やっぱりさっきの歌、聞かれてたんだ。どうしよう。変だったかな。気持ち悪かったかな。嫌だ、どうしよう。
彼方「夜沫さん……、?」
名前を呼ばれてハッとする。
夢泡「…ぁっ、ご、ごめん。なんでも…。」
彼方「…本当に?無理してない?」
夢泡「っ……、うん、。」
ごめんね。星宮くん。これだけは、まだ言えない。だから、嘘ついちゃった。
彼方「…そっか。無理しないで。何かあったら言って。」
夢泡「ごめん…ありがとう。」
こういう優しさこそ辛いが、今は居心地がよく感じられた。
暫く二人とも話さなかった。 ただ、自然を見上げているだけ。
彼方「…なぁ。」
そんなとき、星宮くんが口を開いた。
彼方「……いや、なんでもない。帰ろっか。」
結局その後もその話はせず、どうでもいい世間話をしながら帰った。
そうして、大変だけどコンクールの作品も両方完成し、提出出来た。
課題も順調に進み、時々星宮くんと話しながら過ごしていた。
楽しかった夏休みももう終わり。
明日からまた、葉月達と会うことになる。
星宮くんも葉月に会うことに…。
あぁ、嫌だな。なんて思ってしまう自分が嫌いだ。
そんな気持ちを抱えながら、明日の二学期に向けて備えた。
第一章
『輝く君』 𝑒𝑛𝑑.
コメント
2件
...主様すっげぇ...
みぅです🥀 第一章、読み終わりました。 夜沫ちゃんの“好きだけど言えない”気持ちが、すごく丁寧に描かれていて胸が締め付けられました…。 特に、葉月ちゃんから好きな人が星宮くんって聞いた瞬間の「私の恋は終わった」ってところ、痛いくらい伝わってきて苦しかったです。 それでも笑って応援する姿とか、夏休みに偶然会ったときの距離感とか、一つひとつがリアルで…。 続きがすごく気になります。さゆらさんの筆致、好きです。🍒🌙