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#年の差
水無月 京
836
鷹槻れん

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鷹槻れん

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#強引
その頃、昴はというと――。
「…………ッ」
目を覚まして軽く身動ぎをするも、痛みで顔を顰める。
(……ここは、どこだ?)
今自分が置かれている状況が理解出来ない昴が辺りを軽く見渡していると、
「あ、昴さん! 白城さん! 昴さんが目覚ましました!!」
ちょうど病室へやって来た乙哉が目を覚ました昴を見るなり大声で実にそれを伝えていく。
「……乙哉、白城ってことは、ここは病院なのか?」
「そうっすよ! 車が襲撃されたって聞いて飛んできたんですって!」
「…………」
乙哉の言葉に覚えがあるのか、昴は朧気な記憶を辿っていく。
(……そうだ、確かハンドルを取られて車をぶつけて、それから……)
そして、一つ一つ記憶を蘇らせた昴はあることに気づく。
「おい! 羽衣子はどうした――ッ!」
「あ、昴さん、まだ安静にしないと……」
羽衣子の存在が頭に浮かんだ昴が乙哉に尋ねるも、傷に響いたのか痛みに顔を歪めた。
「そんなことより、羽衣子は?」
それでも羽衣子を気にする昴に乙哉は表情を曇らせると、
「……すいません、その、不注意で攫われてしまって……」
「なっ……」
羽衣子が攫われた経緯を話し始めた。
乙哉から何故攫われる状況になったのか、相手から何か要求があったのかを聞いた昴は、
「それなら今から羽衣子を助けに行く」
痛みを堪えながらもベッドから降りようとする。
「いや、その身体じゃ無理ですって!」
「無理だろうが行くしかねぇだろ!?」
「ですから代わりに俺が……」
昴一人でという指示があったものの、とてもじゃないが外出出来る状態では無い昴に代わって乙哉は自分が行くと伝えるも、
「駄目だ! 俺一人でと言ってる以上俺以外の人間は姿を見せるな。羽衣子の命に関わるかもしれねぇからな」
断固として譲らず点滴を外そうとしているところへ、
「何騒いでやがる。怪我人とは思えねぇな」
気怠そうな表情を浮かべた実が病室へ姿を見せた。
「白城さん! 昴さんが羽衣子ちゃんを助けに行くって聞かなくて……」
「助けに行く? 傷は塞いでるが、痛みはあるだろ?」
「こんなのどうってことは無い。痛み止めだけくれればいい」
「ったく、相変わらず強情な奴だな。広瀬、コイツを止めても無駄だ。一度決めたら誰が何と言おうとそれをする。お前らに出来ることはコイツをサポートすることだけだ」
「そんな……。けど、本当に大丈夫なんですか?」
「まあ、無理すりゃ傷口は開くかもしれねぇが、その時は止血さえしときゃ死ぬことはねぇだろうよ」
「ということだ、乙哉、お前は他の組員と連携取って羽衣子が捕らわれてる建物の近くで待機しろ。何があっても、俺が指示するまでは姿を見せるな。お前が調べた限り、もう内通者はいねぇんだろ?」
「はい……皐月とも意見交換しましたけど、俺らの見た限り他には居ないかと……」
「まあ俺も、例の狭霧兄弟の動向には少し気をつけてはいたんだ。特に兄の方は時折何かを探るような動きをみせていたからな」
「それなら早く言ってくれれば……」
「確証が無かったんだ。アイツらは一生懸命やっていたし、俺としても疑いたくはなかったし、憶測だけで処分は下せなかったからな」
「……すいません」
「謝ることじゃねぇよ。見抜けなかった俺の落ち度だ。アイツらも、うちより高遠の方が条件が良くて寝返ったんだろう。とにかく、今更過ぎたことを言っても仕方ねぇ。今は羽衣子を救出することが最優先だ。それと、お前には例の建物まで運転を頼みたい」
「勿論! そんなの言われなくてもやりますって」
「助かる。希海はどうしてる?」
「希海は皐月が片時も目を離さないで側についてるんで、問題無いです」
「そうか、なら安心だな。準備するから表に車回しておいてくれ」
「了解」
こうして昴は怪我を負った身体に鞭打って羽衣子救出へ向かう準備を整えることになった。
コメント
1件
うわ、昴くんかっこよすぎる……! 怪我で身体ボロボロなのに「羽衣子を助けに行く」って即決するところ、強情で真っ直ぐで最高だわ。実が「一度決めたら誰が何と言おうとそれをする」って苦笑いしながらも止めないのも、チームの信頼関係が感じられるし。乙哉の焦りと責任感も伝わってきて熱い展開だった🔥 次どうなるかマジで気になる…!