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𝓜𝓪𝓲𝓷𝓒𝓱𝓪𝓻𝓪𝓬𝓽𝓮𝓻 ▹▸ 𝒩𝓪𝓲𝓴𝓸 𝓪𝓷𝓭 𝓲𝓯
𝓮𝓷𝓭 ▹▸ 𝓗𝓪𝓹𝓹𝔂𝓮𝓷𝓭
𝓝𝓾𝓶𝓫𝓮𝓻 𝓸𝓯 𝓬𝓱𝓪𝓻𝓪𝓬𝓽𝓮𝓿𝓼 ▹▸ 11, 337 .
※ こちら 大変 長く なって おります 。
時間 が ある 時 に 読む 事 を
お勧め 致します 。
青) おい ないこ …
青) ほんま に どこ 行ったんや …
朝 の チャイム が 鳴っても
ないこ の 席 は 空いた まま だ 。
空 に なった 席 を 見る のも
今日 で 4 回目 。
青) ないこ 今日 も 来とらん … …
青) ないこ が 来やへんの
青) 絶対 おかしいやろ
紫) ないちゃん 来てへんの ?
初兎 は 教室 を 覗くなり
ないこ の 席 を 見て 目 を 丸くした 。
赤) りうら 朝 から LINE 送ってるんだけど 既読 つかない ん だよね … …
赤) もしかして 電源 切ってたり する ?
水) え っ 、がてぃ ! ?
水) ないちゃん 前 会った 時 は
水) いつも通りだったのに … …
水) ねぇ 皆んな ないちゃん と 最後 いつ 会った ?
青) 俺 は 1週間前 やな
青) 一緒 に コンビニ 寄って 他愛ない話してたっちゅーのに … …
青) なんで やろ な ぁ
ドア が ガラッ と 開いた 。
黄) せ ~ ふ ? ?
青) お ! アニキ おは ~
黄) ん おはようさん
黄) あれ ないこ まだ 来とらん の ?
青) う ~ ん … そうなんよ
青) こんな事 ないこ せぇへんくない ?
黄) やな
黄) アイツ が 何も 言わん と
黄) 消える なんて 普通 ちゃう やろ
黄) ……何か あった ん かも な
教室 に 沈黙 が 落ちる 。
誰 も が 、口 に は 出さない
嫌 な 予 感 を
心 の どこ か で 感じて いた 。
赤) りうら ないくん の 家
赤) 行って みよう と 思う
水) 僕 も 行く !
水) 僕も … 心配 だ もん 。
紫) 僕も … 、
青) ん ほな 放課後 な
青) みんな で ないこ 探し に 行こ や
黄) ……よし、俺 も 行く
黄) とことん 付き合う で
放課後 の チャイム が 鳴 っ た 。
青) よっしゃ 行こか
昇降口 で 全員 が 集まり 歩き 出した 。
夕焼け が 差し込む 道 を
5人 の 影 が 並んで 伸びる 。
赤) りうら ないくん の 家
赤) 行く の 初めて かも
紫) あっこな ~ ちょっと 奥 まってんねん
紫) 普通 の 人 は 中々 気づかんやろ ~
俺 は 皆んな の 一歩前 を 歩き ながら
無意識 に 考え事 を していた 。
水) … … いふくん 大丈夫 ?
青) … … あいつ が さよなら も 言わず に
青) 消える とか ありえへん … … [ 涙 目
黄) まろ … 、
黄) 大丈夫 やで 。
黄) 必ず 見つけ 出そな [ 優 顔
いつも より ワントーン 低い 声 で
俺 の 背中 を さすって くれる アニキ 。
青) う “ ん … ッ 、 、[ 泣
黄) … … 心配 、 やな ぁ
住宅街 の 一角 に ある
ないこ の 家 に 着いた 。
古びた 二階 建て の 家 。
外観 は 特別 目立つ わけ じゃない けど
どこ か 寂しげな 雰囲気 が あった 。
インターホン を 押して みるが 、
その後 静けさ だけ が 残る 。
不思議 に 思い
もう 一 度 インターホン を 押す 。
数 秒 後 扉 が 開いた 。
そこ に 現れた のは
疲れた 表情 の 女性
ないこ の 母親 だ っ た 。
母) … … あら みんな
母) ないこ から 何か 聞いて たり しない ?
黄) 特 に は … … 。
黄) 俺ら も 状態 が 分からへん くて
黄) ないこん家 来た っ て 感じ で 。
ないこ の 母 は
申し訳 なさ そう に 小さく 笑 っ た 。
母) そう … なのね 。
母) … ないこ と 最後 に 会った 日 の 朝 ね
桃] ちょっと 出かけてくる ! !
母) っ て 言った まま 帰 っ て 来てないの
母) 携帯 も 置いた まま で … 。
黄) … … え 携帯 も か 、
赤) そ れ っ て
赤) 最初 から ないくん は
赤) 戻る つもり が な か っ た っ て こと ?
紫) うそやろ
紫) … … ないちゃん
紫) そんな こと する子 ちゃうやん 。
ほとけ が
声 を 震わせ ながら 尋ねた 。
水) ないちゃん
水) 最近 元気 なかった とか
水) 変わった こと っ て
水) なかった ですか ?
母) … いいえ
母) むしろ あなた たち と 遊んでる 時 は 本当 に 楽しそう だった 。
桃]みんなに会うのが一番の楽しみ ! !
母) っ て よく 言ってた のよ
その 言葉 に
皆んな が
ぎゅっと 胸 を 締めつけ られる 。
黄) ないこ … ないこ の 部屋
黄) 見せて 貰っても いいですか ?
母) ええ もちろん
ないこ の 部屋 は
整頓 された 静かな 空間 だった 。
机 の 上 に は ノート が 置いて あった 。
開き かけた ページ に
何か 書き かけて ある 。
赤) … これ
全員 が 集まって 覗き 込む 。
そこ には 数行 の 文字 が あった 。
桃》 自分 が 消えても
桃》 誰 も 困らない 。
桃》 皆んな の 笑顔 が
桃》 少し だけ 怖く なった 。
紫) … なに これ … … ないちゃん … …
水) そんなこと ある わけ ない じゃん 、
アニキ が 無言 で 拳 を 握り しめる 。
そして 静か に 言った 。
黄) ……アイツ 苦しんでたんや 。
黄) 俺 全然 気づかんかったな 。
青) 探さな あかん … ッ
青) まろ達 が ないこ を 見つけな あかへん
俺 は 不安 ながら も そう 決心 した 。
日 が 暮れ 始め 、
俺たち は ないこ の 部屋 を 後 に した 。
公園 の ベンチ に 腰 を 下ろしていた 。
虫 の 声 が 響く 中
誰 も が 黙った まま だ っ た 。
紫) なぁ … … ないちゃん
紫) なんで あんな 事 書いて たん やろな
水) 僕ら そんな に 気づけなかった の かな
赤) りうら も … 。
赤) ずっと 一緒 に いた の に … …
赤) 何 も 見抜け なかった
青) … … でも ないこ は 何 も 言ってへん
青) 全部 俺ら の 想像 で しか ないやろ
青) せやから … まだ 信じんくて 大丈夫 や
黄) … … まろ の 言う 通り や
黄) まだ 終わって へん
紫) そう … やんな 。
その とき だった 。
りうら の スマホ が 振動 する 。
画面 に は クラスメイト の 名前 。
]なぁ ないこ の 事 で 。
]1週間前 くらい に
] 駅前 で 誰か と いた の 見た
]多分 知らん 人 や 。
] スーツ 着た 大人っぽい 男 。
]見かけた だけ やけど 、気 に なって て
]もしかしたら 関係 ある かも 思て 。
赤) … … え ?
俺 含め 一同 が りうら を 見つめる 。
赤) りうら の 友達 が … …
赤) 駅前 で ないくん を 見た っ て 。
赤) 知らない 男 の 人 と
赤) … … 一緒 に いた らしい
青) … … 駅前 ?
青) ス ー ツ の 男 っ て… …
黄) 知らん 大人 とか やと …
黄) なんか 複雑 な 事情 が ある かも しれんな … 、
紫) うわ なんか ヤバ ない ! ?
紫) 誘拐 とか やったら どうする ! ?
水) いや いや いや !
水) ないちゃん に 限って そんな 事 … … !
青) … … 落ち 着け
青) 取り敢えず 。
青) 朝 イチ で 駅前 行ってみよ
青) 防犯 カメラ 商店街 の 人 なんでもええ
青) なんか 情報 ある かも しれへん
赤) りうら 駅 の パン屋 に 知り合い
赤) いる から 聞いてみる !
黄) 俺 は 交番 で 話 通して みる
黄) まだ 動いて くれる か わからんけど
黄) 何 かしら 方法 は ある やろ 。
朝 7 時 。
駅前 の ロータリー に
ないこ を 除いた 5人 が 集まった 。
早朝 の 空気 は 少し 冷たくて
どこか 張り つめた 雰囲気 が あった 。
紫) は ~ 寒 ぅ … … っ て ちゃうわ
紫) よっしゃ やったる でぇ !
水) 今日 は 絶対 手がかり 掴む ぞ ~ !
青) よし、役割 分担 や
青) まろ は 商店街 の 防犯カメラ
聞き 込み に 行く 。
青) りうら と ほとけ は パン屋 と カフェ 回 っ て
青) 初兎 と アニキ は 交番 行って 欲しい
赤) 分かった
黄) じゃあ
黄) 10時 に この ベンチ 集合 で ええな ?
その 言葉 に 全員 が 頷いた 。
) ああ ~ 。その子 なら 見た わよ
) 金髪 に ピンクがかった 髪 で
) 細身 の 男 の 子 よね ?
) 駅前 で スーツ の 人 と
) 話してた わよ なんか 真剣 な 顔 してた
赤) その 人 どんな 感じ でした ?
) う ~ ん … … 30代 前半 くらい ?
) ビジネスマン っ て 感じ
) ちょっと 疲れた 顔 してた かも
水) その 男 の 子 どんな 表情 してました ?
) … … ちょっとだけ
) 泣きそう な 顔 だった かしら
) すごく なにか 迷ってる ような … …
青) あの ~ すんません
青) 1週間 前 、この 辺 に おった 子 の 事 で … ________
) この 辺り ? 丁度 この カメラ が 写してる はず やで
) 1週間 前 の 録画 なら まだ 残ってる と 思うけど … … 警察 通さな あかん かな ぁ
青) 分かりました ご協力 ありがとう ございます ! !
黄) あの 友達 が 失踪 してて
黄) ちょっと で ええから
黄) 協力 してくれませんか … ! !
紫) 事件性 は まだ ない っ て
紫) 言われ てる から
紫) こっち から 動かん と … 、
) う ~ ん … …
) 家族 の 届け出 は 来てる から 情報提供 として なら 聞くよ
) 映像 確認 は 難しい けど
)目撃 者 を 探す 協力 は するよ
5人 が 再び 集まり 情報 を 出し 合う 。
赤) パン屋 さん の おばさん が
赤) ないくん を 見た っ て
水) ないちゃん … 。
水) 泣き そう だった っ て……
青) … … [ 悲 顔
青) こっち は 映像 残ってる っ ぽい けど
青) 警察 通さな あかん っ て
青) アニキ 交番 の 方 は どう やった ?
黄) 対応 は してくれた けど
黄) 映像 は 今 の とこ NG
青) やんな ぁ ぁ … 。 は ぁ ~ 、
青) … … … … 、
紫) まろ ちゃん ? ?
青) … … ちょっと 思い 出した こと ある 、
水) え ” 今 ?
青) うっさいな ~ 忘れてた ねん
黄) あ ~ あ ~ 喧嘩 すんな 、
黄) はい まろ 続けて
青) 2週間 前 やったかな …
青) その日 の 放課後
青) ないこ が
桃]話したい 事 ある ん だけど … 。
青) っ て 言って きた んよ 。
青) けど 言い かけて やめた … 。
桃] や っ ぱ また 今度 で 良いわ !
青) て 笑 っ て 誤魔化 し てて … …
青) でも 多分 ほんま は 言いたかったんや と 思う
紫) … … いや それ は ホンマ に 早よ 言え !
青) 俺 ずっと 引っかかってて … … 。
青) もしかしたら ないこ から の
青) 最後 の SOS やった ん ちゃう か っ て
黄) 大人 の 男 と 話してた のが
黄) その 大事 な 話 やった と したら … …
黄) ないこ の 家庭 関係 とか が ある かも知れん な ぁ … 、
赤) りうら もう 一回 だけ
赤) ないくん の 家 行きたい
青) うん
青) まろ も そんな 気が してた
午後 1時 。
再び 俺ら は
ないこ の 家 を 訪ねた 。
母) 何か … … 見つ かった の ?
青) あの ちょっと だけ もう 一度
青) ないこ の 部屋
青) 見させて もらえま せんか
母) … ええ もちろん
部屋 に 入る と
あの日 と 同じよう に 静か だった 。
整った机 。整ったベッド 。
水) ないちゃん の 部屋 っ て
水) なんか ちゃん と してる 。
水) … … 僕 より よっぽど 大人 かも
紫) わかる わぁ ~
紫) 俺 机 の 上 プリント で
紫) 埋 まってる もん
全員 が 部屋 の 中 を 丁寧 に 探り始めた
机 の 引き出し 本棚 クローゼット 。
黄) … … ここ 変 や
アニキ が 小さな 棚 の 奥 に ある
隠し スペース に 気づく 。
中 に は 一冊 の 封筒 と
薄い ノート が しまわれ ていた 。
俺 は そっと その 封筒 を 手 に 取る 。
表 に は 手書き で こう 記されて いた 。
「 お母さんへ 」
青) これ は 家族 に 宛てた 手紙 … … ?
黄) 読む の は 失礼 かも しれへん
黄) けど 今 は 緊急 事態 や 。
俺 は 静か に 封筒 を 開ける 。
中 から 出てきた 便箋 に
丁寧 な 字 で 綴られた 文章 。
「お母さんへ」
多分 、この 手紙 を 見つける 時 には
俺 は もう 近く には 居ない と 思う 。
最近 ずっと 自分 の 居場所 っ て
なんだろう っ て 考えてた 。
笑ってる 時 も ふざけてる 時 も
なんか 心 だけ 置いて けぼり みたい な
感じ で 。
でも 友達 と いる 時間 だけ は
確か に 楽しかった 。
「 あぁ こんな 日々 が ずっと
続けば いいな 」っ て 思ってた 。
でも 家 に 帰る と
何 も 言えなく なる 。
言葉 が 詰まる 。
上手く 笑えない 。
「 なんで そんな 事 で 落ち 込む の ? 」
っ て 言われる の が 怖かった 。
だから 全部 飲み込んで
大丈夫 っ て 顔 だけ してた 。
本当 は 大丈夫 なんか じゃ
なかった のに 。
ごめんなさい 。
でも ――
誰か が 俺 を 探して くれたら
それだけ で 救われる 気 が する っ て
最後 だけ 信じて みたかった です 。
全員 が 言葉 を 失っていた 。
水) … … ないちゃん
水) 泣きそう な くらい 優しい じゃん … …
赤) … … こんな 気持ち
赤) 一人 で 抱えてた なんて
紫) そんなん
紫) 早く 言って くれたら
紫) よかった のにぃ … …
黄) 探して くれる だけ で 救われる か … …
黄) なら まだ 間 に 合うな
黄) 救える はず や
その とき 玄関 の チャイム が 鳴った 。
彼 の 母 が
少し 戸惑った 表情 で ドア を 開ける 。
) … … あの … … すみません 急 に
) ないこくん 居る かな ?
そこ に 立って いた のは
駅前 で ないこ と 話していた と いう
スーツ姿 の 男 だった 。
) 失礼 します
) ないこくん の … … 叔父 です 。
先週 彼 に 呼び 出されて
駅前 で 話 を しました 。
でも 突然 いなく なって
… … 気 に なって 来たん です
彼 の 叔父 を 含め 6人 は リビング に
集まり 、 緊張した 面持ち で 男 の 話 を
聞いていた 。
叔父) ないこ は 昔 から 自分 の 感情 を
抑える 子 でした 。
叔父) 家 で 何か 言おう と しても 僕 の 妹
まぁ 、 彼 の 母 は … … 少し 厳しい所 が
あって 。 弱 さ や 涙 を
認めよう と しなかった 。
水) いつも ニコニコ してた のに … …
叔父) あの子 が 笑ってる 時 ほど
心 が すり減ってる んだ っ て
気づいた の は 最近 です
駅前 で 彼 は こう 言って ました
桃] 自分 が 壊れる 前 に どこか 行きたい
だけど みんな の 事 思う と
逃げたく ない 気持ち も ある 。
だから どうしたら いいか わからない
紫) ないちゃん … …
紫) そんなん ッ そんなん 言うて たん … ?
叔父) 逃げる 事 は 悪い 事 じゃない と
僕 は 言いました 。
でも 彼 は
桃] みんな が 探して くれたら
それだけ で 十分 … 。
叔父) っ て … …
彼 の 叔父 は カバン の 中 から
1枚 の 紙 を 取り 出した 。
叔父) 彼 が 渡してきた もの です 。
桃]もし 自分 を 探し に 来てくれる 人 が
いたら これ を 見せて ほしい んだ
叔父) と … 。
それ は 小さく 折り たたまれた
地図 だった 。
地元 から 少し 外れた
古びた 山道 の 先に ある
小さな 廃 バス停 が 印されて いた 。
青) 此処 … 場所 知ってる 。
子供 の 頃 に 遊び に 行った 事 ある
黄) そこ に … … ないこ が おる んか 、
叔父) はい
彼 は そこ に 最後 の 場所 として
行く つもり だと 言って ました
赤) … … じゃあ りうら たち
行く しか ないよ
水)……ないちゃんが、待ってるかもしれない。
青) … … うん 行こう
俺ら が あいつ を 連れて 帰る
その 日 の 夕方 。
5人 は それぞれ
リュック を 背負って
廃バス停 へ と 向かう 準備 を 始めた 。
「 もう 一度 あいつ に 会いたい 」
「 何 も 言わず に いなくなって
ごめん っ て 言わせ たい 」
「 おかえり っ て ちゃん と 伝えたい 」
それぞれ の 胸 に 強い 想い を 秘めて ――
夕暮れ が 迫る 中
5人 は バス にも 車 にも 頼らず
自転車 と 徒歩 で 山道 を 進んで いた 。
聞こえる のは
虫 の 声 と 風 が 木 を 揺らす 音 だけ 。
水) あれ が … … あの バス停 ?
古びた ベンチ と
今 は もう 動いて いない 時刻表 。
そして その 先 ――
誰か が 1人 座って いた 。
細身 の 背中 。
少しだけ 肩 を すぼめて 。
ずっと 遠く を 見つめて いた 。
それ は 俺ら が 探していた
ないこ だった 。
青) … … ないこ ! !
その 声 に ないこ は 顔 を 上げた 。
彼 は 逃げる 事 も 無く その場 に
固まっていた 。
目 を 見開いた まま 動かなかった 。
彼 は 息 を 飲んで
震える よう に 立ち 上がる と ――
次 の 瞬間
俺 は
「 もう 何処 にも 行かせない 」
と いう 思い で
ないこ を 強く 抱きしめた 。
青) … … 馬鹿 ないこ
「 探して くれたら
それ だけ で いい 」 やと ?
青) ふざけんなや … … ッ
そんな 勝手 な こと 言うて … … ッ ! !
桃) … … まろ … … 、 、
青) 勝手 に いなくなって
勝手 に 手紙 書いて
「 みんな の 笑顔 が 怖くなった 」 とか
そんなん 言われて 笑えるわけないやろ … !
赤) ないくん … … ず っ と 探してたよ 。
りうら ないくん が 言えなかった こと
全部 気づいて あげたかった … …
紫) なぁ ないちゃん … …
「 笑顔が怖くなった 」っ て
ほんま に
僕 の 笑顔 そんな に 辛かったん ?
桃) ちがう … … そう じゃない … …
水) なら ちゃん と 言ってよ
怖い じゃなくて 助けて っ て さ … !
黄) … … 言えなかった んやろ
それ でも ええ
でも もう 一人 で 抱えやんといて ?
彼 の 目 には 涙 が 浮かぶ 。
桃) … … ほんと は ずっと 寂しかった
学校 では 笑ってる のに
帰る と 誰 にも 声 を かけられ なくて
何 が あった の ? っ て
聞かれる の が 怖くて … …
だから みんな の 笑顔 が
自分 だけ 取り残されてる 気 が して … …
青) そんな わけ あるか
青) ないこ が 一人 に なんか なるわけないやろ
赤) りうら 達
ずっと ないくん の こと
大事 に 思ってるよ
紫) 俺ら は
ないちゃん の 笑顔 に 救われてるんや
水) 助けられてる の
僕ら の 方 だもん ! !
黄) お前 が いなかったら
今 の 6人 は ない それ は 事実 や
桃) … … みんな … …
震える 声 で ないこ は 絞り出した 。
桃) … … 帰りたい
みんな と ちゃんと 笑って 帰りたい
青) なら 言え
桃) … … え ?
青) 言うん や ただいま っ て 。
俺ら が ちゃんと
おかえり っ て 言う から
ないこ の 瞳 から 涙 が 静か に 零れる 。
そして 小さく ―― でも 確か に 言った 。
桃) … … ただいま
全 ‐ 桃) おかえり ! !
バス は もう 来ない 古い バス停 の 前 で
5人 と 1人 は
また 一緒 に 戻った 。
それ は 涙 と 笑顔 が 入り混じった
最高 に 静か で あたたかな 再会 だった 。
それ から 季節 が 少し 進んだ 。
夏 の 終わり 。 蝉 の 声 が 遠のいて
秋 の 匂い が 風 に 混ざる 頃 。
教室 の 窓際 。
ないこ は そこ に いた 。
前 と 同じよう に 座って
でも 少し だけ 違う 表情 で 笑っていた 。
放課後 の 教室 に
いつも の メンバー が 集まる 。
水) ないちゃん ! ほら 見て !
水) また ノート 落書き されたんだけど ! !
紫) お前 の 机 落書き 率 100% やな [ 笑
赤) りうら も 描いた ~ !
かわいく 描いた つもり なんだけど
青) まろ は クマ 描いた けど
な んで ハゲ って 書かれてんねん ! !
黄) どない ツッコミ したら ええねん [笑
桃) … … もう みんな ほんと 変わん ないね
笑い声 が 響く 教室 。
その 中 で ないこ は ポケット から
小さな 手紙 を 取り 出した 。
くしゃっ と した 便箋 。
でも 文字 は まっすぐ だった 。
「 みんなへ 」
あの とき 本当 に ごめん 。
そして 本当 に ありがとう 。
一人 で いなくなった のに
それでも 見つけてくれて
迎え に 来てくれて
おかえり って 言って くれて 。
あれ から まだ 少し ずつ しか
歩けて ない けど
今 は ちゃんと 前 を 向けてる 気が します 。
みんな が いたから
俺 は 今 生きてる んだ と 思います 。
だから ――
本当 に ありがとう 。
手紙 は 机 の 中 に そっと しまった 。
もう 誰 に 見せる つもり も ない 。
ただ それ を 書けた 事 が 大切 だった 。
教室 の 窓 から 見える 空 は
あの バス停 の 夕焼け に 少し 似ていた 。
でも 今 は それ を 寂しい と 思わない 。
あの 日 を 越えて
この 場所 に ちゃんと
帰って こられた から 。
本当 に みんな に
感謝だな … _______
… 𝑒𝑛𝑑 …