朝の光がカーテンの隙間から差し込み、部屋を優しく照らしている。まだ寝ぼけたままのピンク髪の彼は、布団に包まって小さく寝息を立てていた
『ないくん、おはよう』
彼の髪をそっと撫でる。昨夜の疲れがまだ残っているのか、彼は気づかないままだ。
顔を近づけて、彼の唇に軽く触れる。それだけのはずだったのに、少しだけ欲が出た。
もう一度、今度はしっかりと唇を重ねる。
「…..んっ、りう..ぁ?」
ぼんやりと目を開けたないくんはまだ呂律が回っていなかった。
「朝から甘えん坊だね、りうらは」
そう言いながらも、ないくんは俺のシャツの裾を掴んで引き寄せる。今度はないくんのほうから、そっと唇を重ねてきた。
「おはよう、りうら」
『おはよう、ないくん今日も可愛いね』
少し火照った顔で目を逸らしてしまった。またそれも可愛い。
「朝からそういうの….反則…ッ」
『ん〜、俺は照れてる顔が朝イチから見られて幸せだな』
くすっと笑うりうらの声に、彼の耳がほんのり赤く染まっていく。
「ほんとっ、ずるい…」
『なーに、もっと言ってほしいの?』
りうらは冗談めかしてそう言いながら、俺の首筋に唇を落とす。
柔らかな肌にキスを落とすたび、ないくんの肩がピクリと震える。
「….りうら、朝だよ。じか…ん..っ」
『まだ大丈夫、あと五分で終わるから』
そう言いながら、りうらは俺の身体を優しく抱きしめ、額を重ねた。ぬくもりがじんわり伝わって、時間が止まったように思える。
「 ん、っ…ぁ…ッ」
『好きだよ、ないくん』
『ないくん、時間大丈夫なの?』
「はぁ、誰かさんのせいで遅れそうだよ!」
朝のおはようから1時間も経っていたとは思いもしなかったけど。⸺毎朝キスして離したくなくなるくらい好きになってる。
『ないくん、行ってらっしゃい』
「ん!…」
『え、何?』
「……行ってきますのキス、しないの?」
『やっぱり仕事行かないで、、』
「だーめ、仕事は気安く休めないの」
笑いながら、ふたりは最後のキスを交わす。甘くて、ぬくもりが残る、朝のごほうびみたいなキスだった。
END
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