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暗い空間の中
この空間での唯一の光は、小さい柵が着いた窓からの光だった
眠たくても寝れないような他人の荒らげた声
俺は今、冤罪で牢屋に入れられている
この部屋の牢屋に捕まっている人達はみんな冤罪で捕まっていた
俺は最近になってもう諦めた
どうせ否定しても真実を吐けってうるさいし
俺がそもそも罪を犯していないことなんて考えてくれない
ここで死を迎えるべきだって分かった
だからその分、騒いでいる人達は偉いと思う
…今日はもう眠ろう
硬いベッドの上に横になる
その瞬間、窓から漏れる光が薄くなった気がした
「誰かいるの?」
目を瞑ったまま声を出す
すると思ったよりも低音で
「あれ?寝たと思ったんだけど…」
と、返ってきたので慌てて飛び起きる
「?…なんでそんなびっくりするんだよ」
不思議そうに問いてくる彼?に言う
「いや、本当に人がいると思ってなかった…」
笑い声が聞こえる
窓の外を頑張って見ると、緑色の目とギザギザの歯が見えた
「てか、俺お前と雑談しに来た訳じゃないからもう行くわ」
嵐のように過ぎ去った彼のことを忘れようと、
もう一度ベッドの上で横になる
今度は邪魔されずに寝れると思っていたのに、
次はドンッという爆音が聞こえてきた
なんと言っているのかは分からないが、複数人の声が聞こえる
「ーーーーー!」
「ーーーーーーーーーーーーww」
若い男の声…と言っても俺と同じくらいの年齢だろうか
『ーーー、ーーーー!!!!』
次に聞こえたのは野太い声。
恐らくこの部屋の監視員の声だ。
話し声が一瞬収まったと思ったら、ドアの開く音がする。
「こ、こんにちは〜怪しいものではーーーー…無くはないかも知れません…」
「おい!w」
入ってきたのはさっき監視員と話してた若い男達
その中にはギザっ歯で低音ボイスの彼もいた
ガシャンガシャンという音と共に、捕まっていた人達の安堵の声が聞こえる
解放してくれているらしい
「ここで最後かな…?」
「お、さっきの!」
1番最後は俺の牢屋
鍵を使って開けようとしている人の後ろから、また低音ボイスが聞こえた
開けてもらってから、差し伸べられた手を掴んで牢屋から出る
なぜか気まずい空気が流れた
「……あのさ、お前きんときだろ」
「!?…なんで、知ってるんですか…?」
スーツを着ている人に言われる
きんとき、それは俺の名前
ここでは番号で呼ばれるから知ってる人はあまりいないはずだ。
「いや、お前が捕まった原因俺らのせいだから」
和服を着た男から告げられたそれは、衝撃なこと…ではあったが、もう牢屋で人生を終わろうとしていた自分にとってそこまで重要なことではなかった。
「そうなんですか!」
「…あれ?意外と反応薄くない?」
赤いパーカーの人がそう言った瞬間、ドンッという発砲音が聞こえる
パンダパーカーの人に向けられた玉だったようだが、彼は間一髪のところで避けていた
「おい。何をしている。」
流石に話し声を聞きつけて監視員やら何やらが一斉に駆け寄ってきたみたいだ。
俺にパンダパーカーの人が囁く
「えっと、俺らで気を引いてるから逃げてていいよ!」
その時俺は、何を思ったのか彼の持っていたハンドガンを奪った
そして銃口を監視員たちに向ける
銃声が響いた。未だに慣れないこの爆音もこれからはたくさん聞くことになるだろう。
ヘッドショット
何人か倒したら満足したのでパンダパーカーの彼に返した。
「はい、ごめん勝手に取っちゃって…!」
この話をしている今も、ギザっ歯の彼や赤いパーカーの彼はバッタバッタと敵を薙ぎ倒している。
「きんときって銃使えたの?!」
驚いていた。まぁ、無理もないだろう、この人達が知ってた俺はただの木こりだったから。
でも本当は元軍人。
だから銃の使い方くらいなら知っている
「うん、俺元々軍学校通ってたから…」
そう言うと、スーツの彼と和服の彼が振り向く
戦闘していた2人も終わったようで、こちらを向いた
俺以外の5人が目を見合せてから頷く
不思議に思っていた俺にパンダパーカーの彼が告げた
「きんとき、一緒に国を作らない?」
澄み切った笑顔で言った
少し考える素振りを見せるとみんなが不安そうに見つめる
その光景が面白いから、同じくらいの笑顔で言ってやった
「うん、いいよ」
理由なんかいらない
ただ惹かれたから、それだけで俺は簡単に共犯者になってしまう
「とりあえず、名前教えてよ」