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彼らの視界は眩しく光る
徐々に体が消えてゆき、それぞれの場所へ移動された
May side
目の前には大きな洋風の屋敷があった
周りを見渡すと、けけさん、もかち以外誰も居ない
本当にバラバラになったのか
ヒナミィとウルボくんには無事を祈るしかないそんな中、俺たち3人は屋敷の中に入る
俺たちの足音が屋敷中に響き渡る
中は広く、ひとつの大きなシャンデリアがキラキラと輝いていた
広々としたロビーは赤くもふもふとしたカーペットが床全体に敷かれている
所々に棚や花瓶などの家具も置いてあったしかしどこを探しても誰もいないようだ
「俺ら戦わなくてもいいってこと?」
俺がそう言えば、もかさんも言い出す
「そんなことある?これじゃあゲームにならなくない?」
すると突然後ろから殺気を感じる
同時にパリンッと何かが割れた音が響く
近くにあった花瓶が割れ、破片が”風の音と共に”飛んでくる
俺は咄嗟に、もかさんに向かって声を張る
「伏せて!!」
もかさんは破片をギリギリで避けた
「あっっっぶねぇぇ…ありがとなメイメイ」
破片は壁や家具に当たり、パラパラと床に落ちてゆく
「……けけさん。今、何しようとしたの?」
俺がそう聞くとけけさんはニコリと微笑んだ「俺はただ”ゲームを楽しんでいる”だけ。”敵を片付ければ勝ち”なんだろ?」
歩きながらけけさんは言う
彼の周りには起きるはずのない風が吹き付けている
しかし妙だ
風の能力が発動する条件は本来の風が無ければ発動 は不可能
それなのに───ここは”密室”のはずだ
窓も空いていなければ通気口などもない
「風も入り込んでないのに…なんで能力使えるの?そうじゃなきゃ発動出来ないはずでしょ……?」
もかさんが聞くするとけけさんはクスクスと笑いだした
「俺の能力使用制限なんてあるわけねぇじゃん。あれは嘘だよ。俺の能力は”風を生み出し操る能力”」
風本来の能力:風を自ら生み出し操ることが可能
そう言いながらけけさんは手のひらに、風を小さく起こし俺たちに見せる
「じゃあ…僕たちを騙したってことでいいんだね?」
俺はそう言ってけけさんを睨みつける
「さっきからそう言ってるじゃないか」
呆れたように言うけけさん
瞬間、先程割れた花瓶の破片が勢いよくけけさんに向かって飛んでゆく
けけさんはすぐさま避けるが避けた先にあるガラスが突然ガタガタと揺れだし、彼の目の前で割れる
それも”重力に従われるように”けけさんに向かって飛んできた
ギリギリで交わすが左頬に切り傷がついてしまう
小さな血がたらりと垂れ落ちる
「へぇ〜……もかち…やり方掴めてきたの?」けけさんはニヤリと笑いながらもかちに問うもかちは両手を地面につけて、鉄球を浮かせけけさんを睨みつけていた
「さぁ…?どうだろうね……けけさんがその気なら俺も応えるしかないかと思ってさ」
そう言いながらも彼の手は震えている
もかちらしいのかもしれない
そんなことを思いながら俺はハンドガンを握りしめる
けけさんは左頬にある切り傷から出る血を手で拭き取った
「さぁ──始めようか」
ネオンダンテside
さて……ここはどこだろう
いつの間にか周りの景色は可愛らしいお菓子でできた家やビルが立ち並んでいた
戦いとならば用心しなくてはならない
私は持っているハサミを片手にティザーの姿でコツコツと歩く
そんな時、目の前の地面にベチャッと音をたてながら謎の液体が落ちてきた
落ちてきたそれはドロドロとしている見た目で地面が溶けてゆくのが分かる
「ん?なんだろうこれ」
ふと気になり地面に目を向けた
「気になるの?」
女性の声が突如として後ろから聞こえる
私はビックリしてハサミを後ろに回し、攻撃するが簡単に避けられてしまった
「わーwびっくりしたぁ。脅かさないでよ」
黒の服装でシルバーのショートヘアに左目の肌には刺青が特徴的な女性がダガーを持ち笑いながら空中を飛んでいた
上から降りてきたのだろう
クッキーでできた地面に着地する彼女
「……貴方は?」
私が1度ハサミを下ろし聞く
すると彼女はダガーをクルクルと回しながら答えた
「私はロウ。このゲームの相手だよ」
「そうですか……であれば話は早いですね」
私はハサミを構えロウに向かって刃を向け、攻撃をするため、走って距離を詰める
腹を切り裂くと思ったがロウはダガーを使い、片手で止める金属同士が重なり合いキリキリと近くで聞こえる
「……まだ話してる途中なんだけど?」
ロウはニヤリとしながらこちらを見た
「早めに終わらせた方がいいのかと思いまして」
「まぁいいや……じゃあこのまま続行という事で」
彼女がそう言ったあと、長い戦いが始まった
レーアside
我は我が子と一緒に教会へと足を踏み入れる
少し気分が悪くなるが仕方がない
そんなことを考えながら大きな白い扉を開かせ、不快な音を響かせて中を覗く
中は、やけに高い天井と豪華なスタンドグラスが教会の雰囲気を薄暗く表現させる大きな十字架の銅像が暗黒で少々不気味に感じた
そんな中、2つの気配を感じる
しかしこの気配は人間ではない
スタンドグラスに影が2つ
「やっと来たかぁ…遅せぇんだよ獲物さんよぉ」
煽るように聞こえてくる声
そうして頭上から言葉をなげかけてきた者に視線を向けると───
白の長髪を首の後ろで束ね、黒の和服を身にまとったその男は特徴的な大柄な体に見合った赤い悪魔の羽を携え、黒の瞳を我に向けていたあやつは片手を腰に当て、煽ってくる
「誰が獲物だと?我のことを知っておるのか?」
我がそう聞くとため息をしながらもう1人出てきた
「ずっと試合を見させて頂きましたから…」
やつもまた、黒髪の高身長で白の瞳をしている服も全く同じ
まるで瓜二つのようだった
「お前と手を合わせたかったんだ。当たって良かったぜ」
白髪のやつがニヤリと牙がある歯を見せながら言う
「そんなのどうでもいいから…早く僕も暴れたいんだけど……」
呆れながら言う黒髪
2人は赤く大きな悪魔の羽を出現させ、白髪は鋭い爪を長くして我らの方へと突き出した
2人はこう言う
「俺はゼロ」
と白髪
「僕はゼルです」
そして黒髪
両者がニヤリとしながらこちらを見つめる
「「始めようか───楽しいゲームを」」
カインside
俺たちは広い森の中に立っていた
生い茂った草に緩やかな風が吹きかける
所々に木が生えており、近くには綺麗な川が流れていた
そんな時、強い風が吹く
一瞬にして目を瞑った
その瞬間ヒュッと上から飛んでくる気配を感じた俺は手元にある剣を抜き、目を開く
そこにはロザリアという美しい女性アバターがレイピアを持ち、空からこちらに刃を向けている様子があった
刃と刃が重なりあい、金属音が静かな森に木霊する
「へぇ〜…やるじゃん君」
予想していた声とは全く違う
落ち着いた男性の声だった
「それはどうも…」
俺はそう言って彼を押し出し剣を振る
しかし簡単に避けられてしまう
彼は遠くに飛んで俺の攻撃を回避した
すると後ろから鉄と鉄が強く当たる音が響く
振り返るとそこには巨大な狼が爪を尖らせて、上から振りかぶりザペルの大盾でガードしている姿が見える
「少しは後ろにも警戒してくれよ…」
ザペルが呆れながら言う
「お前がいれば十分だろ?」
「当たり前みたいに言うんじゃねぇ」
そんな話をして相手を睨みつける
「久しぶりに骨のあるやつと当たったね。りょふ」
狼のプレイヤーがザペルから離れ、ロザリアプレイヤーの隣に移動しながら言う
「そうだな。じっくりと楽しむか。ミルト」
りょふはレイピアを取り出しこちらに刃を向ける
「後ろは任せた」
俺がそう言うとザペルがニカッとする
「言わなくてもわかってらぁ」
そして敵の2人は楽しそうに言う
「「さぁ始めよう──楽しいゲームを」」
オールside
戦闘練習場に俺とアラタ、そしてアリスが送られる
しかし──アリスが裏切った
開始早々俺たちがプレイヤーに攻撃を仕掛けるが防がれたのだ
俺の剣と彼女の日本刀が重なりあう
「……なんの真似かな?」
俺がそう問えば彼女は黙る
まぁいいだろう
どうせ始末すればいいだけの話だ
アリスside
戦闘練習場に飛ばされるらりちゃんと私は目の前の敵と目が合う
「まーさか裏切るとはねぇ〜」
ネオ、またの名をオールは私にそう言いながら剣を振り回す彼らの前は威圧感が尋常ではない正直立つこともやっとらりちゃんはそんなことお構い無しにどデカいハンマーを取り出し、手に持つ
「なになに??君たちは僕と遊んでくれるの???」
ニコニコしながら敵に問う
「遊んでやろうか。それで?お前は何故そっちにいるのかな?」
シン、またの名をアラタはそう問いながら剣を抜く
「…私は彼らと意見が一致しただけ」
私は反論し、日本刀を抜く
オールとアラタは刃を私達に向けた
「「さぁ──ゲームの始まりだ」」
ウルボside
暗い森の中植物も生い茂っている
風が吹き付け、葉っぱが飛び交う
綺麗な夜空と光り輝く満月満月の隣には大きな大樹が立っていた
その周りは木があまりなく草むらが広がっている
けど僕はそんなのは無理で──
「ウルボ君大丈夫?」
「む……無理です…」
ヒナミィさんの後ろに隠れながら怯える
僕は怖いのは苦手だし、なんなら戦いなんてしたくもない
「大丈夫だよ〜私が守ってあげるからね」
ヒナミィさんが優しく声をかける
男なのに情けない
そう思い始めたそんな時
「なんだ。俺の相手はハズレか」
知らない男性の声が聞こえてきた
どこにいるのかと周りを見渡す
大きな大樹の枝そこに小さく小人のような影が見える
見つけた途端に姿が消え、何かが飛んでくる音が聞こえた
「ヒナミィさん!伏せて!」
「え?!」
僕が大声を出して一緒にしゃがむ
真上でなにか鋭い物が通った音が耳に響きわたり通り過ぎてゆく
「…そんなでもないか。反射神経はいい方なんだね」
小さな身長の彼がこちらに歩み寄る
「貴方は…?」
僕がそう聞くと彼は応える
「俺はレイ…マスターの命令に従って君たちをリタイアさせる」
赤く染る瞳が不気味に感じた
「ゲームを始めようか──」
ラケルタside
ゆっくりと目を開ければ先程の場所とは違い、現世で言う住宅地のような場所に居た
時刻は夜、綺麗な満月がありとても綺麗な景色である
「なんだ……また場所が変わったのか」
フロアの声が後ろから聞こえた
振り返ればコルニクスとフロアがその場に立っていたのだ
「して…相手はどこにいるのだ?どこにも気配が感じないのだが」
我が言った次の瞬間コルニクスが突然、片腕をチェンソーに変形させる
そして我の方に飛んでゆけば横を通り過ぎる金属同士が重なり合い高い音を響かせた
「……そう簡単には行かないか…」
久しく聞く声であった
「kkl殿………何をしているのです」
コルニクスが聞けば電柱の上から別の者の声が聞こえくる
見ればそこには見覚えのあるふたつの影
「そりゃあゲームのお相手でしょー。ねぇ?イグニス」
巳魔狼殿が電柱の上に立ち、そう言ったそして彼は屋根の上に両足をゆらゆらとさせながら座っているイグニス殿にそう問う
イグニス殿は我らをじっと見るのみ
「……お主らもか」
我がそう言えば巳魔狼殿はケラケラと笑いながらイグニス殿と共に地面に降りた
kki殿も1度距離を取り巳魔狼殿の近くへと移動する
あやつらの目はいつもの目では無い
殺気と共に我らを見る
さて……どうしたものか
フロアside
目の前の光景に我らは呆然とするしかなかった何故この者たちがここにいるのか
「まさかみなさんと当たるとは……それにしてもお久しぶりですね」
黒く染まった長い髪を揺らしながらクスクスと笑う
怪しい紫色のオーラを放ち、我らに殺意が向けられているのが分かった
「巳魔狼殿…何故お主がここにいる」
ラケルタ殿は少し声を低くして問いかける
「さあ?」
楽しそうに首をかしげる
「早く片付けましょ。後々面倒ですし」
そういうのは久しく会えずにいた
懐かしい声黒く長い前髪から覗く双眸(そうぼう)と目が合いその目が毛先と同様に深い緑が輝いているように見えた
「kki殿。なぜ我らに攻撃を仕掛けた?」
コルニクス殿がそう問いかける
「そりゃあリーダーさんの指示ですからね。断るわけにもいきませんし」
呆れながら言うkki殿
そして我の目の前にはあやつもおった事に驚きを隠せぬ
「……イグニス殿」
我が問うてもあやつは何も言わない
イグニス殿は無の感情のまま突っ立っていた
初めて見る姿
浴衣姿で青い彼岸花が特徴の服を着ている
長髪はより赤く染まっており威圧感が増していた
しかしいつものイグニス殿ではないことは確かだ
殺意が感じられる
これはどうすればよいのだ
考えたとしても何も変わらぬであろう
そして巳魔狼殿とkki殿が言うのだ
「「さあ ──ゲームを始めよう── 」」
shu side
目をゆっくり開ければ、そこには廃墟された街が広がっていた
隣にはやみづきがいる
あいつも目を開け、周りを見渡す
「まーたお前とかよ」
やみづきは呆れながら俺に言う
「なんだ悪いか???」
まぁいいだろう
その前に敵の殲滅が先だ
2人で歩いてみる──が、いくら探しても誰1人居ない
「おいおい敵さんビビってんのかぁ?」
俺が言えば遠くからケラケラと笑う声が聞こえる
「んなわけねぇよ。ここすっげぇ広いから迷子になるんだよな」
名前は知ってるがあまり話はしてなかったな
彼はボロボロの車の上に乗っていた
カエンside
「なーんだ居たのか」
shuという男がそう言った
「おらさっさと降りてこいよォ!」
やみづきという人も煽るように言ってくる
俺は車から飛び降りる
「って……ミルタケ??なんでこんなとこいんの」
「は?誰のこと言ってんの?お前。まぁいいや。早く始めようぜ?」
ミルタケという名前をやみづきから聞くがそんなやつは知らねぇ
俺は手のひらから炎を生み出す
やみづきは剣を構え、shuは弓を引く
「もういいよな?ニアさん」
後ろにはパゴニアさんがいる
彼女の足場は凍りつき、冷気が周りに広まってゆく
「……私の許可など必要ではないと伝えたはずです…あまりでしゃばらないで下さいね」
そう言ってる彼女もやる気満々じゃないか
「始めましょう……楽しいゲームを」