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『恋という名の貴方を追って』
ーATTENTIONー
⚀ iris様
⚁ nmmn注意
⚂ 複雑関係有
⚃ ご本人様関係無
⚄ コメント欄必ず伏字使用
⚅ 本編伏字使用有〔たまに無〕
#3周年記念story
#りんあにと~どけっ!💌𓂃𓈒𓂂𓏸【My Tag】
カーテンの隙間から細く、か弱い光が暗い部屋に届く。
静かな部屋にアラーム音が鳴り響き、青は起床した。
大きな口を開けて
青「…ふわぁ、ッ」
と欠伸した後、
青「今日、何かあったかな… 」
スマホをとって開き、予定表を見れば〔桃の家で会議、ダンス練、収録〕と沢山予定が書いてあった。
動こうとしてもまだ完全に頭が働いていなく、少しぼーっとした後、ゆっくり立ち上がりリビングへと向かった。
リビングに来たら、すぐさま足はキッチンの方へと向かっていた。
朝食を作り終え、テーブルに持っていき、
青「いただきます。」
と、小さな声で挨拶し1口食べる。
青「んー、んまっ」
独り言を呟きながら黙々と食べ進め、
青「ごちそうさまでした。」
と挨拶し、食器をシンクにやや乱雑に置いて、再度着替えをしに自室へと向かった。
準備が整い、そろそろ行く時間かな~と思いながらもぼーっとする。
数分経ってから、
青「よしっ、」
と、呟きながら立つ。
青「行ってきます。」
誰もいない静かな家を背に挨拶をし、玄関を出る。
さっきまで物音がなっていた家は、鍵を閉める音を最後に静寂に包まれていった。
桃の家に着き、インターホンを押した数分後に桃が玄関から顔を出した。
青「うぇるかむ とぅ ざ ないこ は~(
そこまで言ったところで桃に口を塞がれ言えなくなってしまう。
青「んん~、!」
桃に口を塞がれ、喋れない青が講義の声を上げる。
桃「んふ笑」
桃「ごめんごめんw今離す」[手離す]
青「最後まで言わせてや!w」
桃「だってうるさいやん!!」
青「あいつらの方がうるさいやん!」
桃「も~いいの!」
桃「ほら、早くリビング行くよ!」
桃「あにき待ってるし」
青「あにきおるん!?」
リビング目掛けて走っていく青は子供のよう。
桃「はぁっ、笑」[呆]
その姿を見ていた桃も、青の後をゆっくりと歩きながらリビングへと向かった。
2人の話し声はリビングの方に行き、先程まで寒かった廊下は2人の話し声の余韻に包まれ暖かい静寂になった。
リビングでは、ソファに座っている黒に抱きついて離れない青と、青に抱きつかれ温もりで眠そうな黒と、それを優しく見守りつつ呆れた顔をした桃。
桃「まろ~?」
黒に抱きついていた青に桃が声をかける。
青「ん~?」
ソファから、眠そうな声が返事をする。
桃「あにき寝ちゃうから離れて」
黒「…笑」
何とか起きている黒が微かに笑う。
青「あにき眠いの~?」
黒「まろがくっついて来るからや…笑」
青「まろも眠いから一緒に寝よ~?」
黒の顔を覗き込み聞いている青。
桃「それはだめ!」
青「なんで、」
桃「会議できなくなるでしょ!」
青「んぇ~、…ぇ、ん」
桃「ちょ、まろ?」
青「ん~、」[眠り]
黒の肩に頭を預け眠りに入ってしまった青。
桃「え”、」
桃「ねぇ、あにき!」
桃「まろ寝…た、」[黒見る]
黒「……、」[眠り]
我慢の限界か、黒も頭が垂れている状態で眠ってしまった。
桃「はぁっ、笑」[呆]
呆れた桃が少し笑いながらため息を漏らし、ソファの背もたれ部分に掛けていた毛布を、すやすや寝ているふたりにそっとかけた。
20分後くらいにチャイムが1つ静かな部屋に鳴り響く。
それでも起きない2人を背に 桃が立ち上がり、玄関へと小走りで向かった。
ガチャ。
扉を開けると、3人が並んで立っていた。
白「ないちゃんおはよー!」
水「おはー!」
赫「ないくんおはよ!」
3人の元気な声が玄関を明るい空気にする。
桃「お前らやっと来たか笑」
赫「でも遅刻じゃなくない!?」
桃「そうだけど!笑」
水「しょ~ちゃん!」
水「マリカしよ!」
白「お!ええなぁ!」
水「ないちゃんゲーム機借りるねぇ~!!」
来て早々、2人はドタドタと物凄い足音を立てながらリビングへと走っていった。
桃「あ、!ちょッ…まてっ!」
赫「なんか焦ってる?」
赫「なんかやばいもんでもあんの?笑」
桃「ないわ!笑」
桃「ほら、リビング行くよ!」
赫の背中を押すようにしてリビングへの誘導を促す桃。
外も廊下も冷たく寒いが、先程までの廊下は凄く暖かいものになっていた。
だが、再度冷たい空気が廊下を寒くした。
赫と桃がリビングに入ると、水と白はいつも通りマリカをし、青と黒はうるさくて起きてしまったのか、少し険しい顔でまだ眠そうだった。
赫「あれ?」
赫「2人寝てたの?珍しい」
桃「まろが抱きついてそれが暖かくて寝た」
赫「そういうこと笑 」
起きたばかりの黒が「まろ、よけて」と言うが、
青「ん、むり、」
と、返されてしまった。
黒「ん~、」
水「しょ~ちゃん!」
水「やめて!」
いつものようにマリカを真剣(?)にプレイする2人。
白「いむくん!」
水「なに!」
白「マリカっていうのはこういうゲームなんやで」
無言で水は甲羅を投げ、その甲羅は白に当たった。
白「あ”ぁぁぁぁ、!!」
桃「お前らうるさい!」
これもまたいつも通りに桃に怒られる。
桃「ってか、会議するよ!」
2人は同時に「はーい」と返事をし、今日は珍しく素直にゲームをやめ、皆がいる方へと向かった。
白「ゆうく~ん!」
白が黒目指して走ってきた。
黒「なんやねん笑」
白「なんでまろちゃんと一緒に寝てたの!」
黒「まろから抱きついてきてねんてw」
白「僕にもぎゅーして!」
白が腕を広げると黒が「はいはい笑」と笑いながら抱きつく。
青「………、」
その姿を遠くで青は見ていた。
桃「ほんま仲ええよなぁ笑」
赫「りうらたちもでしょ?」
桃「そうだね♪」
水(平和だなぁ…、)
水「…、」
水も赫と桃のやりとりをソファに座りぼーっとしながら聞いていた。
会議が終わった後、皆が向かった先はダンス練習所。
全員で合わせたり、個人で練習したり、練習の仕方は様々。
赫はキレキレのダンスで何度も個人で練習を重ね、
水と白は2人で合わせる箇所を意見を出し合いより良いものにと奮闘していた。
桃は先ほど間違ったところを何度も繰り返し、
青は一生懸命、ダンスに想いを込め、リスナーに届くようにと、
黒は鼻歌を歌いながら楽しく練習を重ねていた。
ダンス練習が終わり、昼休憩の後、各自の歌の収録や、動画撮影などで全員が忙しなく動き回っていた。
こんな普通の生活の裏は─。
今日の予定が終わり外に出て見ると、もう世界は暗闇に包まれていた。
なんとなく、「はぁッ…」と白いため息を漏らし、歩きながら今日のことを考える。
どうしても 貴方 の行動に目が行ってしまう。
その理由はもう既に把握済み。
俺は初兎がすき。
大好き。
でもその恋が叶うことなんかない。
なぜか。
初兎はもう付き合っているから─。
初兎はあにきと付き合っている。
そのことを知った上で、好きだと言っている。
初兎は俺の好意に気づいていない。
なんならあにきしか見えていないだろう。
叶わなくてもいい。
初兎が俺の好意に気づかなくてもいい。
でも、どうしても、好きなんだ。
たまに見せる優しい笑顔も。
普段はふざけてるけど、頼りがいがあって。
皆が落ち込んでる時には、笑わせてくれて。
綺麗な紫色の瞳も、色白でたくましい腕も、優しくて落ち着く声だって、俺は一生、忘れない。
忘れられない。
俺は 貴方 を追い続ける。
悠くんは、沢山優しくれる、朝ご飯だって作ってくれる、辛い時はそばにいてくれる、どんな時でもぎゅーってしてくれる。
やから大好きなんや。
誰にも悠くんは渡さない。
僕だけの悠くんやもん。
「どんな時でも初兎の隣におるからな」って言われたことがあった。
その時は嬉しすぎて『ありがとう』も『うん』も頷くことすらできなくて、悠くんの袖を優しくそっと掴んだ。
そしたら抱きしめてくれた。
暖かかった。
やっぱり大好きなんや。
俺は初兎が好き。
まろも初兎のことが好き。
そんなの前から知ってたこと。
でもまろ、ごめん。
まろに初兎は渡せへん。
俺にしか見せない笑顔は宝物。
俺がいる時にしか甘えてくれないのも、
初兎が俺を好きだから。
優しくぎゅーって抱きつくと、
ぎゅって返してくる。
それも
初兎が俺を好きだから。
俺だけの初兎─。
俺はないくんが好き。
たまに少しうざい時もあるけど(
優しくて、かっこよくて、俺のそばで支えてくれるないくんが好き。
俺のしたいこと、やりたいこと全部当たり前にやってくれる。
リーダーで、皆を引っ張るないくんが好き。
たまに無理しちゃうけど、ぎゅーってすると笑顔になるないくんが好き。
ないくんが何回も「好き」って言ってくれると照れちゃう、
俺にしか見せない姿だってあるんだから。
歌がかっこよくて、ダンスもキレキレで、でもアドリブは苦手で。
たまに俺に甘えてくる姿が可愛くて。
一番努力家で、
りうらの努力はずっとみてるよ。
それでも、好きなのは俺だけじゃないようで。
俺とりうらは付き合ってるから。
りうらは俺のことを「好き」って言ってくれる。
だから俺も「大好き」って返す。
その時に見せてくれる笑顔がほんとに好き。
りうらと一生 ─。
僕はりうちゃんが好き。
りうちゃんは僕が好きなことは気づいてないみたい。
ないちゃんは…、多分気づいてる。
2人が付き合ってるなんてこと、
ずっと前に知ってる。
それでも好きなことには変わりない。
そして、いふくんが初兎ちゃんのことが好きなことも知っている。
僕といふくんはどっちも叶わない恋をしてる。
そんなの辛いに決まってるじゃん。
だから僕は最近、いふくんのことが好きになっちゃったみたい。
これもまた叶わない恋なのかな、
叶わなくても好きっていう気持ちがあれば十分だよね。
僕は、
りうちゃんが…
いふくんが…
僕はどっちが好きなの─。
俺の目には初兎しか見えてない。
でも叶わないんだって思うと悲しくなる。
初兎、気づいてよ。
俺のこと好きって言って。
俺、ずっと待ってるから。
何年経っても諦めないから。
ずっと初兎しか見ないから。
好意に気づいて欲しいのに、自分から隠してるなんておかしいよね笑
でも、そうするしかないんだ。
ごめんね、初兎。
うざいって思われてもいい。
でも初兎は優しいって分かってるから。
それでも俺を見てはくれない。
大好きだよ、初兎─。