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【 注意 】



・全て捏造

・🌈🕒 rimn ( CP要素は無し )

・作中伏字無し

・不穏

・死ネタ

・流血表現

・暴力表現

・ヴィランinm

・mn闇堕ち

・MOB出ます

・幸せになる人は居ません

・エセ関西弁

・低クオリティ

・解釈不一致



全て許せる方のみお読みください。












『 ヒーロー 』

 

︎ ︎︎︎︎︎ 

「こちら緋八、そっちの状況は!?」


『粗方片付いた。どうした?』


「やばいわ、こっち…。応援頼めるか!?」


『任せろ。だが、ここからそっちにはかなり時間が掛かるが、大丈夫か?』


「任せろって、なんとかやったるわ!」



ったく、ちっこいのが数体って聞いたからこっちの任務引き受けたんに、なんやコイツら。バリ強いやん…。流石に1人じゃ敵わんかったわ。Oriensは皆今日来とらんし、今日来てくれたライはまた別のところで戦っとる。せやから、 他の警備部隊の人達に頼んだはいいものの、そこそこ俺もボロボロ。久々やな、ここまで痛い思いするん。痛すぎてバタンと床に寝転がって空を見てた。


そして、俺は冗談交じりに大声で叫んでみた



「ヒーロー!助けてや!」



なんて言って、誰かが来るはずもない。

ふはっと笑いが零れてきて、くだらないなんて思いながら俺が立ち上がろうとした時、目の前に影が落ちてきた。早いうちに応援が来たのかと顔を上げると、見慣れた顔…いや、見慣れた顔に似た男が立っとった。



「助けに来たよ、ヒーロー。」



ソイツは俺に向かってそう言った。

なんやコイツ、ライみたいな顔しよって。



「誰やねんお前」


「やだなぁ、わかんない?ライだよ、どっからどう見てもそうでしょ?」



ソイツはヘラヘラと笑いながら俺に手を差し伸べて来た。

悪いヤツ、では無さそうに見えるけど、流石に信用はしきれん。ライはこんなんじゃ無いからな。俺は差し伸べられた手を握らなかった。



「…信じられんわ!邪魔やから通してもらってええか?」



俺はそのまま立ち上がって手を叩いて砂埃を払いながらそう告げた。

すると、何やら腹に鉛でも降ってきたんじゃないかってくらいの衝撃が来た。


殴られた?



「グァ…ッ!!」


「あーあ。せっかく俺が助けてあげようと思ってたのにね、恩を仇で返すんだ?ヒーロー?」


「な、なんやねんお前…」


「だから言ったじゃん?ライだよ。」


「うるさい…!お前がライの名前口にすんなや!!」



俺は腹を抑えながら大声を上げた。

殴ったときのソイツの顔は全く、なんの曇りもなくて、これが当然なんだ!と言わんばかりには真顔だった。平気で人を傷つけられるヤツが、ライな訳ないやろ。



「おい!お前!ライ返せや!!」


「はぁ?…信じてくれないんだね、マナ。」



なんで俺の名前呼んどるん? コイツは。俺は知らんヤツやけど、コイツは俺の事知っとるんか?いやでも、ほんまにライな訳がない。だって、ライは今向こうで…



「…ライをどこやったん?」


「今目の前にいるでしょ?」



信じられない。 どれや?

コイツ、ただのそっくりさんで嘘ついとるんか、ヴィランがライに取り憑いたか、それとも…



「この体、動きやすくていいね。ハンマーは重かったから捨ててきたけど。」




ヴィランは、人の死体に自分の魂を移すことができる。死体は、言わば魂の抜けた抜け殻。魂を入れてしまえばまた動き出す。


俺はソイツの胸ぐらを掴んだ。



「何してんねん!!おい!お前、ライのことやったんか!?」


「ひぃー、怖い怖い。そんなカッカしないで?そんなに返して欲しいなら、俺の事倒せばいいじゃん。ね?」



確かにコイツの言う通りや。

コイツさえ倒せればライの…、ライの抜け殻だけは確保出来る。ただ…、



「…出来るわけないやろ、お前がそんな顔しとるから…」


「あぁ、そっかぁ。マナは殴れないんだ、俺の事。」



殴れる訳ないやろ。今まで一緒に戦ってきて、一緒に笑いあって、一緒に泣いて、一緒に歩んできた相棒やぞ。例え中身がクソ野郎でも、ライの顔面付けたヤツなん、ずるいやろ。ライの体は傷つけられへん…。



「んは!最っ高だねマナ!仲間思いでいい人だ!」



「最っ高にちょろいね。」









あぁ、目の前が暗い。頭もガンガンする。しかもなんや?鉄臭ないか?ここ。なんでずっとこんな全身が痛いんやろ。病院行かなかんなぁ。



「マナ!起きてよ!」


「んがァ…ッ!!ン、グァ…ッ、はァ…!」



ばっと俯いたら、俺の口から吐かれた赤い液体がポタポタと床に落ちていくのが見えた。



「やめ…お前…ッ、!」


「お前なんて名前じゃないよ?ほら、俺の顔よく見てみな?知ってるよね?名前くらい。」



嫌や。嫌や、嫌や嫌や嫌や。

知らん、こんなヤツ知らん。ライやない。俺の知ってるライやない…。



「マナ。」



その顔で呼ばんといてくれへんかなぁ。

ライが、俺のヒーローが、もう居ないって嫌でも考えてまうやろが。タチの悪いヴィランやなぁ。俺の前にライの姿で現れて。ムカつくわぁ、ほんまに。



「…はっ、!すまんなぁ、お前の名前なん知らんわ。悪いけど俺は……」



俯いてた自分にゆっくりと上を向こうと言い聞かせて徐々に顔を上げれば、ソイツの顔がだんだん見えてきた。

ソイツは、本当によく見慣れた目で、よく見慣れた髪で、よく見慣れた口で、よく見慣れた鼻で…。ほんまにライなんやな、って改めて認識したわ。



「…せやな、やっぱライか。」


「やっと分かってくれた!?嬉しいよ、流石マナだね!」


「ったりまえやろ。俺はずっとライのこと見てきたんやで?分からん訳ないやろ。」


「良かった〜!じゃあマナも良かったら俺に着いてきて一緒にヴィランに……!」



ソイツが言いかけた瞬間、俺はレイピアを抜いて、ソイツの体に刺した。その瞬間、俺のスーツは一部が赤く染まった。



「……ハァ、?」


「すまんな。」



ソイツは目を丸くして驚いとった。



『居たぞ!捕まえろ!!』



やっと警備部隊の人達が来てくれた。俺はレイピアをソイツの体から抜いて警備隊の人達にソイツを差し出した。その途端、俺は安堵からか疲労か、バタンと大きな音をたてて意識を失った。








目が覚めると白い天井が見えた。



「……はっ!ライ!!」



俺は急いで立ち上がって走り出した。

長い廊下。今俺は病院に居るんやな。



「すみません、伊波ライの病室って!! 」

俺が通りすがりの看護師さんにそう聞くと、どこか気まずそうに首を横に振られた。


俺はまた別の看護師さん、患者さん、看護師さんと色んな人に聞いた。

でも、皆同じ反応だった。


"もういない。"


と。




俺は自分がさっきまで寝てた病室に戻って気絶するようにベッドに倒れた。


信じたくなかった現実を、今ここで信じなくちゃいけないんだ。

ライは死んだ。


俺がもっと早くヴィランを片付けてライの方に行けていれば。

俺が今日任務を引き受けなければ。

俺が、

俺がヒーローにならなければ。

ライはこの先ずっと生きられたのかもしらん。


胸が苦しい。目からは、熱いものが溢れ出して頬を伝う感覚がした。俺はヒーローなのに、情けない。助けてもらわんとどうにもなれへんかった。今もそうや。分かってた、ヴィランを倒してもライは帰ってこうへんことなんて…。


無理やり笑うしかない。そうでもしないと涙で体内の水分全部出て動けなくなるわ。



俺は冗談交じりに声を出した。



「ヒーロー、助けてや…。」











END.









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