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ヒロシ宅(豪邸)の宴会場。
広さは、およそ5000畳(サッカーコート1面ぶん)。
広い空間の中央に、20人掛けのテーブルが一台……。
50メートルほど離れた位置に、ホワイトボードが一枚。
レース前の決起集会&メイド20号の歓迎会が開催されていた。
参加者は、ヒロシ、ベルティーナ、メイド長、カトレア、メイド隊(21名)。
ベルティーナいわく、シークレットゲストがいるらしい。
カトレアは、サポート役として帯同。
遠く離れたホワイトボードの横に立つメイド長。
ホワイトボードには、玉座グランプリのルールなどが書かれている。
「司会・進行を務めます……メイドを代表して……」
メイド長が、なにやら説明をしている……らしい。
「メイド長は、なんて言ってるんです?」
ヒロシの隣に座るカトレアが、50メートル先にいる、メイド長に視線をロックオンした。
やはり、良く見えないらしい。
目を細めたカトレアが、そのままの顔をヒロシに向ける。
「カトレアは、寝起きのお爺ちゃんなのかな?」
笑いをこらえながら、ヒロシが軽く突っ込んだ。
「遠すぎて、メイド長がなんて言ってるのか全然わからん……」
そんな、おだやかな時間が流れそうな時だった。
『おい、てめぇら! 人の話を聞けやゴルァ!』
メイド長が、念話で文句を言ってくる。
『こちらヒロシ。電波(念話)が悪くて、よく聞こえない』
面倒そうに、ヒロシが応答する。
メイド長のターンだ。
『おい、ヒロシ! 玉座レースのルール説明__』
ヒロシのターンがやってきた。
『切るよ?』
やっぱりヒロシは途中でぶった切り、念話を強制終了。
本日の給仕担当はベルティーナだ。
ピンクのメイド服の上にスクール水着(ピンク)を着用している。
当然、スカートは仕事をしていない。
ベルティーナいわく、着る順番を間違えたらしい。
「メイド長が不在だから、俺がルールを説明する」
モジモジとヒロシの様子を窺うベルティーナは見なかったことにするヒロシ。
出席者にむけて言葉を発する。
「ベルティーナさまは、なんて格好してんだよ!」
司会進行役のメイド長は、黒の競泳水着。
いつもより露出が少ないだけマシだろう。
「おいおい、メイド長……水泳大会じゃないんだから……」
そんなヒロシは、海パン一丁。
シャツも着ずに、宝石をデコったネクタイを締めている。
「王族がなんで給仕なんかしてるんです?」
「カトレアも知ってのとおり、ドピン子は料理が得意だからな」
「ドヘンタイな王族のくせに家事が得意って、タチが悪いですよ」
ベルティーナの額を小突きながら、メイド長がぼやく。
「メイド20号の歓迎会も兼ねているんですから、皆さん服装には気をつけてもらわないと……って、おまえもかい!」
メイド20号も水着だった。
「スペシャルゲストって誰なんです?」
カトレアが、周囲を見回す。
「ゲスト? そういや、ドピン子がそんなこと言ってたな」
「ヒロシさま。人魚ってことはないですよね?」
「メイド長。それはないだろ」
巨大なワゴンを引き連れて、ベルティーナが調理場から戻ってきた。
王女の辞書に『ドア』という文字はない。
当然、壁は木っ端みじん。
人型に空いた大きな穴が神々しい。
「本日のメインドクシュ(メインディッシュ)は、おさかなですっ!」
自信作のようだ。
満面に笑みを浮かべたベルティーナが、勢いよくフタをとる。
天井にフタが刺さったことは、誰も気にしない。
大きめの魚から、香ばしい薫りが立ち込める。
魚料理(メインディッシュ)を見た参加者全員が、一斉に声を上げた。
「って、人魚やないかいっ!」
「えっと。玉座グランプリのルールですが……」
カラダから湯気を立ち昇らせた人魚が、玉座グランプリ(レース)の説明を始めた。
白い床にマジックで書いている……。
~玉座グランプリ ルール~
特に無し。