弦月藤士郎さん視点。
コンビニスイーツって普通に美味しいよね。もちろんちゃんとしたお店よりは味は落ちてるのかも知れないけど僕にはコンビニスイーツが十分なご褒美だな。
〚これと…あっ!こっちのが良いかな。〛
大きないちごが乗ったプリンかクリームたっぷりなプリン。どっちのが葛葉さんは喜んでくれるかな。いっそのことどっちも買ってちゃう?でもいちごミルクにいちごのプリンって飽きちゃうかも知れないし…。
〚うーん…。〛
レジまで持ってったけどやっぱりクリームのプリンにしよう。定員さんすみません!!
列から外れた時に見慣れたミルクティー色の髪の毛が見えた。あれってもしかして。
〚叶さん?〛
『あっ!弦月さん、久しぶりですね 』
〚そうですね。〛
〚弦月さんなんか珍しい物買ってますね。〛
〚そうですかね?〛
『はい、プリンにいちごミルクなんて。』
叶さんの目が探るような視線を向けてくる。まるで獲物を捕まえようとする猛獣みたいだ。これは危ない気がする。葛葉さんの事は知られちゃいけない。
〚たまには良いかなって。美味しいですよ〛
『プリンといちごミルク僕の葛葉も好きなんですよね。でも昨日からは会えてなくて。』
僕の葛葉、昨日から会えていない。一つ一つの単語と文章から違和感がくみ取れる。葛葉さんが叶さんに頼らなかったのは叶さんと何か合ったからなのかも。
〚確かにそうでしたよね。〛
『それで弦月さん葛葉知りませんか?』
いつもと違う威圧的なトーンで発せられた言葉に背筋が凍りつく。
〚知りません、僕は急いでるので。〛
『弦月さん葛葉に伝えといてください。』
『今ならまだ許してあげるって。』
〚知らないっていってるじゃないですか!!〛
『そうですか、じゃあまた。』
僕が怒鳴り声をあげたのに振り返って何事もなかったかの用に歩いていく叶さんを睨みつける。葛葉さんを傷つけて追い詰めてるのは叶さんだ。帰ったら話をしないといけない。葛葉さんの為に。
叶さん視点。
あれはほぼ確定かな。弦月さんからあの香水の香りしたしね。動揺してるのも手に取る用に分かった。面白かったなぁ笑。なんで葛葉なんかにあんなに必死になれるんだか。
『もしもし?仕事無くなったから会えるよ』
【本当!やった〜。】
『うん、僕の家おいでよ。』
【分かった、じゃあまたね。】
大丈夫、僕にはこの子が居る。だから別に葛葉にこだわる事はないんだ。それに葛葉は弦月さんの事を選ばない。大丈夫なはず。
『早く帰ろ。』
買ったばかりのタバコを取り出して口に含む。苦くて甘い香りを吸い込んで息を吐き出した。まだ夏なのに寒さで息が白く染まっていく。その白色が葛葉の髪色と重なって見えた。笑顔の葛葉、昨日の怒った葛葉、泣いている葛葉。そして弦月さんの隣で幸せそうに笑う葛葉。それが見えた気がして思わずタバコを握りつぶす。さっきまで良かった気分が嘘みたいに不機嫌になっていく。今日何回目かも分からない舌打ちをしてタバコにもう一度、乱暴に火をつける。
『ムカつく…』
葛葉にも弦月さんにもムカつく。なんでかは分からない。最近、自分の事が良く分からくなったと思う。なんでなのか、これもまた分からないけど。 また白い息を吐き出して今度はそれを掻き消すように歩いていく。不満があるなら女を抱けば良い、それが1番だ。自分でも納得していたはずの答えに吐き気がして思考を振り払った。
はい🙋
ここまで読んでくれてありがとうございます
こんな展開でございます。想像と違ったらすみませんm(_ _)m
あと全部がいいね1000超えてます。ありがとうございます。嬉しいです。
以上きい。でした(*‘ω‘ *)
コメント
9件
きい。さんが書くお話ってやっぱり飽きないですねぇ
うわぁ...叶さん鼻良...こういう展開好き...🫰