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コメント
10件
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次は渋谷駅に止まります
聞き慣れたアナウンスを聞きながら、
大勢の人混みに呑まれないように、電車から降りる。
自発光する太陽に思わず目をくらます
すぅ、と深く吸った空気は少し湿っていて
今年も夏が来たな、と思う
ふと隣のホームを見ると
電車の中の女性と視線が絡まる
お互いに目を見開いた時にはもう遅くて、
ぷしゅーというやけに響く機械音と共に
電車のドアがしまる。
「!!!」
大声を出したはずなのにそれは声にならず、
どこからか吹いた風に消され、
初夏の暑さに吸い込まれてしまう
彼女を乗せた電車は
僕たちの気持ちなんて知ることもせず
ただただ遠ざかっていく
電車が見えなくなった瞬間、
体が凍りついた
封じ込めていた孤独が、
僕を絶望へと押し寄せる
この世で一生を誓った彼女を
守れなかった絶望が、
彼女だけが、僕の愛する人だったのに。
次回からお話動いていきます…