今回のお話は、エミさんすげ〜って言う感じのものです。
楽しんでいってください。
(視点 グルッペン)
コンコン
規律正しいノックの音が鳴る。書類仕事がひと段落し、トントンと一緒に小休憩をしていた時だった。
「失礼します」
扉の前からエーミールの声がする。短く入れといえば扉が開いた。
トン「どうしたん?エミさん?」
エミ「あっ、トントンさん!いえ大したようでは、ないのですが、」
そう言うとエーミールは、手に持っていた手紙を机の上に置いた。その手紙を、手に取ると宛名書きが書れていなかった。
エミ「どなたのものか、分からず困っていましてグルッペンさん何かご存知ですか?」
「いや、知らないな。困ったな。」
その手紙には、趣味のいいシーリングスタンプが押されてあること以外何も分からなかった。
「仕方がない、手紙の中身を見てみるしかないな」
トン「そうやな、手紙の持ち主には悪いけど開けさせてもらいましょう。」
そういい、手紙を開ける。とても綺麗で華奢な字で文字が書かれている。
< ご機嫌麗しゅう突然ですが、あなたはとても綺麗ですね?まるで蝶のよう!暖かいその瞳はとてもとても美しい!そんなあなたには、いつも小汚い蛾がまとわりついておられる。私はその蛾達のせいであなたに近づくことすらできない!憎たらしい憎たらしい、あなたもそう思われていることでしょう安心して下さいな、私がその蛾を潰して差し上げましょう。あなた様のために!>
まだ続きがあったのだが読むのをやめた、 なんだこれ!なんだこれ!そんなことを思っているとトントンも同じだったのか、うぇ〜と言う言葉が聞こえてきた。
トン「なんなんこれ、気持ちの悪いラブレターやな〜。こんなんもらう相手が可哀想やわ。」
それに激しく同意してから、一様のため続きを読む。
<申し訳ございません。興奮しすぎてしまいましたわ。まずは、あなたのことを馴れ馴れしく、教授と呼ぶあの紫色の目立つ不細工な蛾を潰しましょう。あぁ楽しみです。
エーミール様へ>
名前の文字を見た時ぎょとした。その場にいる本人を見ると、同じらしく白に近く綺麗な瞳を広げて驚いていた。
エミ「、、、紫色の目立つ、私を教授と呼ぶ、まさか、ゆかり君!?」
ゆかり君と言うのは、エーミールが軍と掛け持ちしている大学の教え子だ。とても仲が良くエーミールの話にもよく出てくる。賢くて優しい自慢の教え子だそうだ。
トン「悪戯にしても、タチが悪いわ」
「そうだな、少し警戒しておくことに越したことは、なさそうだ。エミさんしばらくは、大学の方に、顔を出した方がいいゾ」
エミ「ええ、そうさせてもらいます。ただの悪戯ならいいんですけど。」
そう少し不安そうな顔をして、エーミールは総統室をでていった。
しばらくして何事もなく一週間が過ぎていったころに事件が起きた。軍基地の玄関ホールにある荷物置き場に、花束とメッセージカードがそっと置いてあった。その花束は、マリゴールドと紫のライラック、白く小さな可愛らしいガマゼミの花が包まれていた。メッセージカードには、この前と同じデザインのシーリングスタンプがあったものだからすぐにエーミールを呼び出した。たまたま一緒にいたゾムとトントン、エーミールで手紙を読んだ。
<お久しぶりでございます。エーミール様一週間の間あなたを目に入れる機会がなくなんと悲しかったことか。ですが!この度邪魔な汚らしい蛾を追い払うことができました!本当は、駆除しておきたかったのですが運がいいことにあの蛾は生きていたみたいです。まぁもうあなた様の目の前に現れることもできないでしょう!あの時のあの子の顔と言ったら本当に滑稽でした!次は、あなたのことをよく分かりもしないで縛り付けているその軍の人間にいたしましょう。大丈夫です、今度はもっと早くやって見せますわ!それでは、またお会いしましょう。
エーミール様へ>
手紙の内容を読んだ後、気持ちが悪くて吐きそうになってしまった。本当にどう言うつもりなのだろう追い払うことに成功したと言う言葉も気になる。
ゾム「なんやねんこの女、正気なんか?気持ち悪い、反吐がでるほど気色悪い」
エーミールの隣にいたゾムは、ふきげんを露わにして手紙を睨んでいる。そんな感じで、気持ちが悪い手紙をどうするか悩んでいる時だったエーミールの端末に電話がかかってきたのだ。失礼します、と言い電話に出たエーミールの顔がどんどん青白いものに変わっていくそして電話が終わった頃には、今にも倒れんばかりの顔色だった。
トン「どうしたんや、エミさんなんかあったんか?そないな顔して。」
ゾム「ほんまにどうしたん?な、なんかあったんやんな?だ、大丈夫?」
ゾムとトントンが心配そうな顔をしてエーミールに話しかけていると、エーミールはひどく震えた声で話し始めた。
エミ「今、大学から連絡があってゆかり君が誰かに階段から突き落とされ意識不明の重体だと病院から、死亡は免れたがこれから目を覚ますかはわからないと言われていると。ゆかり君の教授である私に連絡が来ました。」
何やって!、ゆかりちゃんが!と3人で一斉に驚く。なんてことだ、誰がそんなこと!そう思っていたが一旦落ち着いて、エーミールを病院に行かせることにした。エーミールは、光の速さで準備をして病院へ向かっていった。
(視点 エーミール)
看護師「205号室です。どうぞ〜」
そんな看護師の言葉を聞いてすぐにゆかり君のいる部屋に向かう。心の中は、ドキドキとうるさいほど音を響かせている。扉の前で一呼吸置いてから部屋へ入るとポーンポーンと機械音だけが響く病室でいつもの明るい表情を隠して眠っている少女がいた。まるで眠っているように穏やかな顔を見て少しだけ心の音が静かになった。だが、ベットの隣にある棚の上の花瓶の花を見てから心の音はまた騒がしく響き出した。キンギョソウ、真っ赤な花をつけて風に少し揺れている。その揺れる姿がひどく憎らしく踏み潰したくなった。心の音は先ほどの音とは、違うガラスにヒビが入る時のような音が響いた。
クローバーの葉が一枚散る
(視点 エーミール)
それから一週間も経たないうちだった、我々だ国幹部ショッピがバイクで事故を起こし怪我をしたのは、そしてまた花束とメッセージカードが届いた。
ショッピ「なんでかは、分からないんですが。いつも通りバイクでツーリングしてお気に入りの風景が見える道を通って帰ってたら、青いワンピースを着た女の人が飛び出してきて、危ない!と思ってバイクを避けたらうまくいかずにバイクが公転してワイは、この通りですよ。」
包帯に巻かれベットで、イラついた顔をしてショッピがことの顛末を話した。そしてお見舞いの品として届いた花を飾ったと言っていた花瓶には、ロベリアの花がさしてあった。
クローバーの葉が今度は2枚散る
笑顔を作り、そうですかと言い医務室を後にした。
(視点 トントン)
また、届いてしまった。どうやら偶然や悪戯ではないらしい。花束には、真っ赤なバラとベゴニアが包まれていた。
<あぁ、あんな蛾一匹駆除できないなんて私は不甲斐がないです。どうかお許しください。あなた様のためそいつも、あの子のようにして差し上げます。どうか、もう少しだけお待ちください!そうそう綺麗な青いワンピースを買いました、あなた様が好いておられるモルフォチョウのような儚さのあるものです。この姿であればあなたは、私を見てくださるでしょう!エーミール様あなたのことをアイシテルんです。 アイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテル
エーミール様へ>
アイシテルの文字は赤くどこか茶色くも見える気持ちの悪く汚い手紙を見てエーミールは席を立った。その表情は、怒りに染まっているでも恐怖に震えているものでもなかった。そう笑っていたのだ、ミルクティー色のサラサラの髪をゆらし白に近く輝く瞳を細め桃色に染まっている口元を三日月型に歪ませ。綺麗な、だが恐ろしい笑顔で笑っていた。
「どこへ行くんや、エミさん、、、」
恐る恐る口にすれば思っていたよりも声が震えていた。それほどまでに、美しく恐ろしかった
エミ「たくさんお手紙をもらったもんやからお返事を書きに行くんですよ。あぁそうや花束もつけましょう。この方がいつもくださるように私も、綺麗な花を。ふふふ楽しみやな〜」
落ち着いているような、冷めているような声色でエーミールは、部屋を出た。止めようとは、思わなかった。彼を今止められるものなどこの軍にいないだろう。ため息をついてから、手紙をライターで火をつけ燃やした。
「厄介なやつを、怒らせたもんやな、まぁ自業自得やな。何日後かが地獄に変わりそうや。」
もう散る葉は、クローバーになくなった。
(視点 エーミール)
コツリ
無機質な音を立てて廊下を歩く。 私は、今ある人物の元へと行く道を歩いている心の音はパリーンと音を立てている。歩く度 扉の前に着くノックを鳴らさずに部屋に入る。応接室と書かれている札が揺れる。中には青いワンピースを着て惚れ惚れしている顔をした女の人が1人座っている。私の隣にいるゾムさんは、その女を睨み今にも殺してしまいそうだ。ゆっくりとした動作でいつも通りに椅子に座る、口を開いた
「ちゃんと来ていただいた見たいでよかったです。ありがとうございます。」
女「いえいえ、そんなことありませんわ!エーミール様のためならばこのようなこと。なんともありませんわ!」
「そうですか。どうでもいいですね、あなたの感情なんて」
女「え?、エ、、エーミール様?」
「正直あなたに会いたくもなかったんやけどなぁ〜あなたとは、少しお話ししなければならないと思ったんですよ。」
「あなたのような、人のことをよく知りましないで、行動する頭の足りない馬鹿な人は消えてほしいいんですよね。私の大切な教え子に、手を出し、それでも止まらず俺の家族とも言えるここの人たちにまで手を出す始末。あなたには、ほとほと呆れますね。」
女「どうして!どうしてなの?エーミール様も私と同じことを思っていらっしゃったはずでしょう!私は、あなた様のためにやっただけなのに!」
「あぁついに言葉もお分かりになられなくなったのでしょうか?あなたの様な蛾を汚いものとしか見ていない腐った目と心の持ち主には、モルフォチョウを名乗る資格もありません。その似合ってもいない汚いワンピースは、早く脱いだ方がいいですよ。それでは、さようならもう一緒話しかけることも俺に関わることもしないでください。」
そう言い残し扉を閉めた。中からは、汚い声で何か叫んでいたがどうでもいいですね!
(視点 ゾム)
随分とうちの参謀を怒らせたものだ。気色の悪い女は、エーミールからの言葉で無様な顔をしていた。そのエーミールと言えば、ゆかりちゃんがいしきを戻したらしく、さっきの笑顔とは全く違う笑顔で笑い。駆け出していった。 きっとあの女は、もう近づくことすらできない様にうちの幹部大好き五歳児総統が手を下すだろう。
「いい気味やな、俺らの参謀に手を出すからいけないんやで?気持ちの悪いゴキブリさん? ふっはははは!」
(おまけ 出てきた花の花言葉)
マリゴールド 嫉妬
紫のライラック 恋の芽吹き
ガマズミ 私を無視しないで
キンギョソウ 出しゃばり
ロベリア 敵意 悪意
赤のバラ あなたをアイシテいます
ベゴニア 愛の告白
クローバー 復讐
ありがとうございました!
コメント
16件
フォロー失礼します めっちゃ尊い作品で キャラクター性も掴めててすごいなぁってなりました!
(*-*)タヒッタ
え、あ、…スゥーッ…(タヒ)