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午前中の刑事部捜査一課は慌ただしい。昨日は定時で家に帰った。が、今日はそうではいかないらしい。今朝は捜一の男達がテレビに釘付けになっていた。
扱う事件は、強盗、殺人、誘拐、放火、立てこもり、不同意性交等、不同意わいせつ…重大すぎる。が、事件解決は我々にとっては誇りでしかない。
それに、一人一人の大切なものを減らしていきたくないのだ。
『昨夜、東京都 葛飾区の公園で足立区在住の高校二年生、咸篠 九恩さんが誘拐された事件で警視庁は… 』
「女子高生の誘拐事件か…厚木、奈須現場行ってこい」
信濃警視が指揮を取り、男達はいい返事で直様動き出す。
俺はその指揮を待ち続ける。俺の下の巡査も呼ばれている筈なのに、いつ待っても呼ばれない。
「緋騎はすぐ情報捜査…琴森は…」
「はい!」
「警視正に頼まれたんだ。この資料読んでここに行ってこい」
「え?」
警視正?自分が頼られることも予想外だが、それより事件現場に行けないことも驚きである。
「なんで俺が…」
そう、情けないことを言いながらその、指定された場所へ行く。
「今日は来客が来るらしぞ」
「雪葉幹部それは言わないと言ったはずでしょう」
「で、どこの連中?」
「それが、捜査一課の刑事さんらしくて」
「刑事?何にしに?」
「それどんな奴?」
架空の捜査庁、第五部探偵室は小学生のような会話が続いていた。
「…いえ、私は何も」
「いや、お前今わずかに間があった」
「いえそんなことは」
「言え、お前絶対知ってるだろ」
雪葉は濱越の首を腕で締めている。
「言っちゃいなよ。濱越」
そこに入ったのは第五探偵室の室長。雛宮だった。
「いやー、それが捜一の巡査長らしくここに来るのは望んでないらしく…」
「つまり、知識も薄い」
「けど、イケメンらしいよ」
「いや、俺は担当から外れる。濱越お願い」
「いえ、僕は今回の資料を…」
「あぁ、星百合にやらせよう」
「あの新人に?!」
「いいですね、初仕事が捜査一課と合同潜入捜査。いい経験になるじゃないですか」
そうすると、毎回開いている探偵室の扉からノックが聞こえた。
「すみません。捜査一課の琴森 在守ですが」