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md視点
目が覚めても、御伽噺のように解決してるわけでもなく、ぼんやりと壁をみつめていた
俺の性格は自分でも自覚してるぐらいめんどくさい
自分からは攻撃的なくせに、相手からの真意をついた攻撃には脆い
さっきの攻撃は泣けないこと
おれだって、泣きたいのに
「ラダオ…」
呟いて来てくれたら、なんて
そんなに甘い妄想が叶うなら、とっくに俺は望みを叶えてる
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ru視点
食堂の騒ぎを聞いた時、正直本当か疑ったな
…みどりくんに手を出す一般兵なんて、いつらっだぁに殺されるのか…
まぁでもいま重要なのはみどりくんのこと!
みどりくんが悩んでるのは多分C国のことと、泣けないことかな
なんでわかるの?ってなるかもしれないけど、
俺らは何年も運営として助け合ってるんだからこのくらい理解出来る
それと、前みどりくんが相談に来たんだよね
そこからもあるかな
だから俺ができること
「らっだぁ?」
「ん、レウどうしたの?」
コンちゃんによるとらっだぁはそこまで傷ついてる様子はなかったらしい…けど
さっきも言ったように、運営として長いからね
「自分が正常じゃないこと、わかってる?」
「…まぁね」
普段のらっだぁならあんな…束縛のようなことしない
どれだけ心で思ってても、運営のみんなが気づいていても、隠そうとする
俺の見立てでは焦りと怒り、かな
みどりくんに対しての焦り、一般兵に対しての怒り
「落ち着いて、正常じゃなきゃみどりくんのこと守れないよ」
「でも、」
話していいかわかんないけどね、
「前みどりくんが言ってたんだ」
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「ネェ」
「どうした?」
あの日は夜遅くだっけか
みんな寝静まって、俺とみどりくんだけ起きてたとき
「ラダオクンノ色ッテ青ダヨネ」
みんなにはイメージカラーっていうのかな?
通信機とか、お揃いの物があって分かりずらいときはそのみんなの色を使ってるんだよね
「青、だね」
「青ニ、染メラレタイナァ」
「…みどりくん!? 」
なんだか一世一代の告白のようで俺が聞いてもいいのか不安になってしまった
そんな言葉をきいて少し照れてしまった俺をみて、みどりくんはくすくすと笑ってる
「マァデモ、本当ダヨ。青ダッタラ溺レラレルシ」
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「青に染められたいってね」
らっだぁはポカンとしてみっともなく口を開けてる
「溺れられるってそのときはよくわかんなかったけど今ならわかる。らっだぁも?」
さっきの言葉のインパクトが強かったのか頭が回っていないと言いたげに頭の上にハテナを浮かべてる
「…みどりくんは、泣きたいんだよ。青色って涙とか海とかいろいろある。涙に溺れたら泣けてる証拠になる。海に溺れたら誰でも泣いているかさえわからないよね?だから、」
「泣いている、もしくは泣いてても泣いてなくてもわからないっていう証拠が欲しいって、こと?」
「そういうこと!」
俺が今から言う言葉
…本当に言ってもいいか分からないし、お互いにとっていいのかさえもわからない
これで悪い方に転がるかもしれない
でも俺はこれを言う
緑の彼の、切ない叫びが聞こえたから
青の彼の、手が届かない不安さが伝わったから
どんな選択肢も時に間違ってる
けど、時に正しい
だから俺は、
「ねぇ、染めてあげなよ」
勇気を出せない彼に、
俺がただひとつ できること
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コメント
2件
今すぐに染めちゃってください!! 今すぐに!!たのもぅ〜!! 更新感謝!!幸せです!!💖