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タナトスから少し離れた南方の鉱山。
その麓にある町。ラゲーサの酒場で、ステラは監視役として後から来た学舎の教師と対面していた。
「つまり、後二日待てと‥…‥」
「うん。そうなるよ。まさか、インパルスドラゴンと一人で戦わせると思ったの?」
教師が言うには、さすがにインパルスドラゴンをDランクの私一人で討伐させるのは無理があるらしく、丁度二日後、再試験を受ける生徒がおり、その生徒と二人で討伐させるそうだ。
「二人でもキツいのでは‥…‥」
「再試験を受ける子はA級のライセンスを持っている。二人でも大丈夫だ。多分。」
学舎ハデシスに依頼される案件は、冒険者組合と同じく、S、A、B、C、D、Eランクで難易度を決めている。
違いがあるとしたら、Sランクの有無だろうか。
冒険者組合にはSランクが存在し、ハデシスには、Sランクが存在しない。
だから、ハデシスでは実質、AランクがSランクみたいなものだ。
「その子のロール(職種)は何ですか?」
「エクソシティナイトだと聞いてるよ。珍しいよね。」
魔法剣士の類いですか‥…‥大変珍しい事で。
「何で、Aランクでもあろう人が再試験を?」
Aランクとは、ハデシスに十数人しかいない文字通りの優等生。
入りたくても入れない名門校である学舎ハデシスで、そこまでの地位を手に入れておいて、再試験を受けるのならば、相応の理由があるはず。
「それは言えないし、その子にもその質問をしない方がいい‥…‥これは教師としての忠告だ。」
“それ以上踏み込むな”とハッキリ拒絶される。
少しムッとなったが、教師のいう通りにすべきだろう。
教師の忠告には、いつも理由がある。
昨年、私は忠告を無視して、死にかけたメリアを通して、痛いほど知っている。
「私は待機でいいですか?」
「それで良いと思うよ。」
酒場の店員へのチップと思しき硬貨を何枚か、机に置き、教師は立ち去った。
取り残されたステラは、二日後、会うAランクの人がマトモな人である事を祈るだけだった。
私は今、とても、お勉強を頑張っています。
二日後にある再試験に臨んで、座学を徹底的に叩き込んでいます。
実技の方は毎回ランダムだそうですし、対策のしようがありません。
『そこ間違えてるよ。』
「ほ、ほんとうだ。」
もちろん、ナカユビさんも手伝ってくれてます。
これなら、案外何とかなるかも知れませんが、ナカユビさんは『試験なめんなよ‥…‥』と、さらに座学を叩き込もうとします。
まるで試験がトラウマのように。
私がもっと頑張らないと。
私はさらに意気込みます。
どうも、ハラムちゃんです。
この作品がファンタジー部門で銅メダルを取りました。
きっと、たくさんの方々がいいね!を押してくれたからだと思います。
本当にありがとうございます。
ハラムは猛烈に感動しています。
これからも、ご一緒して頂くと、もう、望みがありません。