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声の正体は…誰…
意味深…
ツバキに案内されて行ってみると…
見渡す限り木木木…あれ、既視感が…
ツバキ「えと…確かここに…」
ツバキさんはどんどん森の奥に入っていく
…何分間か歩くと…黒色のテントのようなものがあることに気付いた
…テントの中からは弱い光が見える
何人か人がいるようだ
ツバキ「あそこです」
ツバキはテントを指差す…あそこか…
私「じゃあ行こう!」
ツバキ「…はい!」
テントの中に入ってみると、大勢の人と…
ステージに乗っている紫色の髪のメガネをかけた男性がいた
私「…品…?何様だあいつ…」
あまりに酷い態度に本音が漏れ出る
ツバキ「さくr…大丈夫ですか?」
私は笑顔を浮かべ、こう言った
私「大丈夫!ちょっとイラついただけ!」
ツバキ「…そうですか…」
???「それじゃ…最初は100万から始めましょう!」
男性の声にステージに目を向けると…
子供「…ぅ…ひぐっ…うぅ…」
…は?子供?
子供を売ろうとしてるの?あいつ…
男性「はいはい!!300万!!」
男性2「甘いな!!俺は500万出せるぞ!!」
子供「ぃや…やぁ…帰りたい…よ…ママぁ」
???「は~い静かにしてようね。」
…何?あのふざけた態度
許せない…
ツバキ「…あの…気分が悪いので出ま…」
ツバキが私にそう言いかけた時、私はステージに上がっていた
???「…ん?あぁ君は…」
紫色の髪の男性は手を振ろうとしたのだろうか…まぁそんなこと知りたくもないけど
私は男性の胸倉を掴んだ…細身だったから簡単だった
ツバキ「…??」
ツバキはきょとんとしたままステージを見ている
???「おっと…どういうつもりかな?」
紫色の髪の男性は薄ら笑いを浮かべながら言った
私「…どうしたもこうしたもない…」
私「あなた何考えてるの!?子供を売るなんて…」
???「?…だって…」
???「ここはそういう世界だよ?」
澄ました顔のまま、彼は言った
???「弱肉強食…弱いものは喰われ強いものが喰う…今さらどうしたんだい?」
…確かにそうかもしれない…そうかもしれないけど…
私「そうだとしても!!子供を売るのは納得できない!!」
私がそう言うと、彼は溜め息をつき…
???「…なんだ…俺が悪いみたいじゃないか」
私「みたいって…実際あなたが…!!!」
???「…俺は白けたから帰ろうかな…でも…」
???「よく周りを見てみなよ…じゃあね。また今度」
紫色の髪の男性は簡単に私の手から抜けてみせると堂々と出入り口から外に出て行った
私「…待っ…」
ツバキ「…は、早く出ましょう。変な目で見られてるので」
ツバキの言葉を聞き、周りを見てみると…複数人が私の方を見て軽蔑の色を浮かべていた
…なんで…私が…
…あれ…何か声が…
私「でも待って!この子は連れて行かなきゃ…」
私は首輪を付けられている子供の手を握り、ツバキの元へ戻った
ツバキ「行きましょう!!こっちです!!」
ツバキに案内され、走っていくと…ある街角に着いた
すると、子供が突然泣き止み、こう言った
子供「…あ…ここ家の近くだ…ありがとう…お姉さん達!」
子供は笑いかけ、どこかへ行ってしまった
…大丈夫かな…
ツバキ「よかったです…偶然でしたけど…家の近くで…」
ツバキは安心そうに走る子供の後ろ姿を眺めている
私「うんうん…そうだ…ね…?」
…その時、ふと見てしまった
私「…え…あ…え?ツバキ…?」
ツバキ「どうしました?」
私「ツツツバキ…喉仏が…!!」
震えながらツバキの喉仏を指差すと…
ツバキ「え、はい……あれ、言ってませんでしたっけ」
ツバキは首を傾げてからこう言った
ツバキ「わっち男ですよ?」
…え
私「ええええええぇぇぇぇ!?!?」
ツバキ「え、なんですかその初耳みたいな…」
私「いや、初耳!!めちゃくちゃ初耳だよ!?」
『そ、そうですか…』とツバキは戸惑いながら言った
…待って…そうなるとツバキは女装…
ツバキ「あと…少しいいですか?」
私「どうしたの?改まって…」
ツバキは視線を地面に落としながらこう言った
ツバキ「さっき…あの男に勇敢に立ち向かって子供を助けたの…かっこいいなって思ったんだ」
ツバキ「…ごめんね。正直に言うと僕は君を疑ってた」
ツバキ「でも…さ…その…」
私の顔を見ないのは気恥ずかしいからだろうか…
断られるかもって心配だから…その想像から逃げたいのだろうか
…でも私の返答はもう決まってる
私「…何言ってるの」
ツバキ「…そっ…か…友達…か」
ツバキ「ありがとう」
…ツバキの笑顔を始めて見た気がする
私「よかった……あと…」
私「ここどこ?」
ツバキ「…えと…多種族オークションに行っても記憶は取り戻せなかったから…」
ツバキ「シュガーさんに助言を聞こうかなって」
シュガーに聞く…ってことはシュガーの城の近くっていうこと…
シュガーに貰った地図を使えばここがどこかも分かるはず!
私「じゃあ行こう!」
ツバキ「…うん」
ツバキ「…思い出してほしくないなぁ…」
ツバキは小声で何かを言った…が私にその声は聞こえなかった
私「ツバキ?何か言った?」
私が聞き返すと、ツバキは首を横に振り…
ツバキ「ううん。なにも…早く行こう」
ツバキは私を追い抜いて慣れたようにどこかへ向かった
私はまた迷子にならないようにツバキの背中を見失わないように追いかけていった
続く