「校長、本当に車椅子が必要なんですかね」「分からない。だけど、里臣君が必要だと言っていたんだ。必要なんだろうよ。」校長と白団団長が遠い目をしながら正門の前に立っていた。すると、団長のスマホに突然着信があった。「すみません。ちょっと、出てきます。」「構わんよ」「もしもし」「あ、もしもし。一応、準備は整いました。ですが、本当にすぐに開始できるんですかね。それ以前に、戻ってきてくれますかね」「分からない。分からないが、ほかに選択肢がない以上どうすることもできない。」「そうですね。何か進展があれば教えてください。」「分か、ん?なんでしょうか?」「早く、車椅子に乗りな」「?わかりました。すまん、そろそろ切、うわー!」「だ、団長!?団長?団長、返事してください。」「う。今、着いた。(自主規制)」通話越しと体育館の壁越しに同じ声がしてきた。白団の棒倒しの練習に来ていた学生が全員が慌てて外に出ると、地面に汚物と一緒に伸びている団長と炎上している車椅子。そして、野獣のようなオーラを全身からあふれ出さしている角田がいた。「団長、大丈夫ですか?あ、誰か養護の先生を連れてきて。そして、消火器も誰か、持ってきて。」「は、はい!」すると、数名の生徒が走りだした。数分後。養護の先生と消火器が到着した。「あぁ、何事かと思ったら里田事件か。ほら、立てる?」「う、うーん?」「大丈夫そうね。とりあえず、これを飲みなさい。」養護の先生はそういうと、団長に二錠の薬を飲ませた。「さ、あとはこっちでやっとくわ。みんな、練習へ行きなさい。」「はい」そう元気よく返事をすると体育館に戻り、角田と団長、そして養護の先生が残った。「澤田君。そのジャージの下にまだ着てる?」「着てます」「なら脱いじゃって。洗っとくから」そう言われると、団長はジャージを脱いだ。「さ、練習行こ」「はい」元気よく角田が返事をすると二人とも歩き始めた。「本当にあれでよかったの?」「ええ、問題はありません。あいつと俺の思考回路は似ています。いや、思考回路が理解できるように共有しあい、思考回路が理解できるようにしました。」「そうなんだ。さ、始めましょう。白のわずかな勝ち筋をつぶすために。」「そうね。ちなみに、ケガとかしてない?結構、力を入れすぎちゃったと思うんだけど。」すると、里臣が団長の頬を全力でたたいた。「これでお相子です。目には目を。暴力には暴力です。俺の体はそう簡単に傷つかないようにトレーニングを積んでるんで問題ないです。と説明しても納得してくれないでしょう」「ええ、そうかもしれないわ。ありがとう。おかげで吹っ切れたわ」
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