第十一話
注意書きは第一話をご覧下さい。
妹side
母「あら、おかえりなさい」
水「…ッ」
妹「どうかしたのー?」
母「コイツったら、学年2位だったのよ!?」
母「ありえないでしょう!?」
妹「えー!?そうなのー!?」
妹「あんなに勉強して2位って、ダッサw」
水「ッ…」
ごめんなさい
本当は、そんなこと思ってないのに
本当は、1番尊敬してるのに
自分の身を守るため、他人を犠牲にする。
そんな私は最低だ。
ガチャ
妹「……今日も、ちゃんと監視カメラが動いてるなぁ」
妹(ほとけにも…これがついちゃうのか…)
妹「……やっぱり、電話してみよう」
水side
水「……」
もう終わった。
母にはバカにされ、妹にもバカにされ、学校でも大声出して恥かいて、居場所を完全に失った。
部屋に新しく導入された監視カメラは、ずっとこちらを見ている。
もう、あの5人と関わることは許されない。
隣に住んでいるいふくんも、今までは近く感じたのに、今となってははるか遠くにいるように感じてしまう。
水「……いっそのこと、みんな居なくなってしまえばいいのに」
夜
今日はなんだか、寝るにも眠れなかった。
明日から学校でどのように過ごせばいいのか、
監視カメラの視線が怖い
水「…今までずっと、偽ってきたのに……ッ」
僕は、どこで道を間違えてしまったのだろうか。
コンコンッ
水「…?」
水「はいッ……」
深夜なのに、誰かが扉を叩いてきた。
ガチャ
妹「…失礼します」
水「!」
なぜか、妹が入ってきた。
水「ど、どうして…ッ」
妹「しッ、もし“私”がここに来たことがバレたらおしまいなんだから」
水「…?」
あれ、一人称“私”だったっけ…?
妹「…なにから話せばいいかな……」
水「え、えっと、、?」
妹「…まずは、今までのこと、謝らせてほしい」
妹「ずっと…酷いこと言ってごめんなさい」
水「!」
妹「私ね、実は結構前から姉ちゃんみたいに部屋に監視カメラがあってさ」
妹「そうなったのは私が、アイツの期待に応えられなかったからなんだけど」
妹「…ずっと、脅されてたの」
妹「アイツは、異様に姉ちゃんのことを嫌ってて、地獄に陥れたいって…ずっと言ってて」
妹「私は…どんな時でもアイツの味方になって、姉ちゃんを苦しませるようにさせなきゃいけなかった」
妹「そうしなさいって言われてた 」
水「…」
妹「今更こんなこと言ったって…信じがたいよね、笑」
妹「私は、自分の身を守るために姉ちゃんを犠牲にした」
妹「今まで散々罵詈雑言を言ってきた」
妹「私は、“偽りの自分”を作って自分の身を守ってきた 」
妹「私の罪は重たい。そんなことわかってる」
妹「許してくれなくてもいい」
妹「……だけど、どうしても言いたいことがある」
水「…なに…?」
妹「私は、姉ちゃんを心の底から尊敬してる」
妹「毎日私たちからいろいろ言われても、頑張って挽回しようって努力してる所も」
妹「一生懸命勉強する所も」
妹「全部、全部尊敬してる」
妹「今回のテストも、アイツがそう告げたのも聞いてたから」
妹「私みたいになって欲しくなくて、言葉に出来なかったけど、ずっと応援してた」
妹「絶対1位になれるって思ってた」
妹「だって、あんなに努力してたから」
妹「でも…もし、もし2位だったら、私が救わなきゃって思ったんだ」
妹「今までずっと酷いことをしてきたから、もう、見てらんないから」
妹「……ずっと準備してきたこと、今日から実行しようと思う」
妹「姉ちゃん」
妹「…私と一緒に、ここから逃げよう」
水「…え…?」
コメント
2件
初コメ失礼します(>_<) いつも隠れて見させてもらってます! 今回もとても面白かったです!逃げるっていう選択肢は想像していなかったのでビックリしましたWW 次回も楽しみにしてます( *´꒳`* ) 頑張ってください💪🔥(๑•̀ㅂ•́)و✧