第十二話
注意書きは第一話をご覧下さい。
水side
水「に、逃げるって…どうやって……」
妹「私、1年前くらいから考えてたの」
妹「姉ちゃんを連れて、ここから逃げたいって」
妹「それで、去年の修学旅行で行った場所が、自然がすごくてさ、いい場所だったんだ」←現在高一
妹「だから、修学旅行の後も何回か行ってそこで仲良くなった年配夫婦の人達に相談したの」
妹「そしたらさ、泣きながら最後まで話を聞いてくれて、喜んで力になるって言ってくれたんだ」
水「…」
僕が…ただただ勉強してる時に、いろんなことを考えてくれてたんだ……。
妹「もう、あっちの人たちは迎える準備満タンで待ってくれてる」
妹「私は、離れるって決めた」
妹「後は…姉ちゃん次第だよ」
水「…僕は……」
ここから逃げれたら…どんなに楽なんだろうか……。
もう、この親に縛られることも無く、自分の好きなように過ごせるんだろうか。
今なら…妹を信じてもいいかもしれない。
信じるべきなのかもしれない。
水「……僕は…ここから逃げたい……ッ!」
妹「…うん、それが姉ちゃんの答えだね」
妹「じゃあ、私に作戦があるの。だから姉ちゃんは引越しするとでも思ってここから出る準備しといて♪」
水「ほ、ほんとにいいの…?」
妹「うん、いろんな手続きもあるんだけど、そういうのもこれから一緒にやってこ♪」
妹「あっちの方に連絡しなきゃいけないから、詳しいことはまた明日くらいに言うね」
水「そ、そういえば思ったけど……監視カメラがあるのに…なんでバレてないの…?」
妹「そりゃぁ、寝てるからね、♪」
水「ぁっ…そっか…今深夜…」
妹「だから明日もこの時間くらいに来ていい?」
水「…うん、待ってる」
妹「それじゃ、おやすみ」
水「おやすみなさい」
バタン
次の日
母「…早く車に乗りなさい」
水「…はい」
夜遅くに妹と和解した次の日。
僕は、学校に行かなければならない。
水(ほんとに、どんな顔したらいいんだか…)
学校の送り迎えも母になり、自然とみんなと過ごす時間は減る。
授業中も喋る必要は無い。
問題は、休み時間と、朝のHRまでの時間。
生憎、母も仕事があるため、早めに家を出て早めに学校に着く。
それに…いふくんはきっと約束を破ったこと、怒ってるだろうな。
母「…それじゃ、帰りも行くから逃げたりするんじゃないわよ」
水「…はい」
水「…」トコ…トコ…
<ねぇ、あれって稲荷さんよね…? コソッ
<あーあれでしょ?昨日急に叫び出した子 コソッ
<ちょっと不気味だよねー コソッ
水「ッ…」
なんだ、もう結構広まってるんだ。
水(…じゃあ、きっと皆も話しかけてこないよね)
教室にて
赤「……ぁ、ほ、ほとけっち__」
<りうらちゃーん?そんな子に話しかけてないでこっち来てよー!! グイッ
赤「あっ、ちょっ…!?」
水「…」
いいんだ、これで。
僕といない方が絶対にいいから。
しょうちゃんも、ないちゃんも、アニキもずっとこっちを見てるけど話しかけてこない。
りうちゃんもきっと勇気出してくれたんだろうなぁ。
青「__なあほとけ」スッ…←水の前に来る
水「…」
今1番会いたくなかった人は、目の前にしゃがんで話しかけてきた。
水(…これは…無視できない…)
水「…なに」
青「…」
青「…嘘つき」
水「ッ!」
青「…俺、信じてたんに」
青「……あの元気なほとけはどこに行ったんや?」
青「…俺のせいでそうなったらごめん」
青「昨日、妹さんと話した」
青「ほとけが1位じゃなかったって言ったら、すごく焦ってた」
青「なぁ、なにがあったん?」
水「……何回も言ってるでしょ。言えないって」
水「…とにかく、もう僕に話しかけてこないで」
水「早く、どっか行ってよ……ッ」
青「…」
これ以上喋ると涙がでそうだった。
いふくんは一向に動く気配がない。
青「……そんな泣きそうな顔して、どっか行けるわけないやろ…ッ!」
水「…」
青「…俺やだよ。ほとけに消えて欲しくないッ…!」
水「ッ…」
青「このままだったら…お前が、消えてしまいそうで……ッ」
青「俺の前から居なくなってしまいそうで…!」
青「……そんなの、嫌なんよ…!」
青「俺が、お前を助けるから…ッ!」
水「…ッ」
そんなこと言ったって、結局無理なんだ。
口だけなんだ。
もう、学校にいるのも疲れる。
水 スッ…←スマホを出す
『ごめん、やっぱりもう待てない』
水(…………送信…ッ)
水 ガタッ←立つ
青「…ほ、ほとけ…?」
水「……ごめん」
水「……こんな僕で、ごめんなさい…ッ!」ダッ
青「!」
青「ほとけッ!!!」
コメント
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ガティで天才✨️✨️!