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モカ
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病院の診察室。
えとさんは、医師の向かいに座っていた。
医師は少し言葉を選ぶように間を置いてから、静かに口を開いた。
医師「……現時点では、残された時間は半年ほどだと考えられます」
「半年」
その言葉が、頭の中に残った。
えとさん「……半年……」
医師は静かに頷く。
もちろん、経過によって変わる可能性もある。
けれど。
えとさんには、その「半年」という数字だけが強く残った。
病院を出る。
外は晴れていた。
風が吹いている。
いつもと変わらない景色。
なのに。
えとさんには、全部が少し違って見えた。
えと「……まだ半年ある」
そう呟いてから、涙を拭った。
えとさん「だったら……いっぱい思い出作ろう」
みんなと笑いたい。
遊びたい。
出かけたい。
海にも行きたい。
誕生日も一緒に過ごしたい。
そして。
最後までみんなの隣にいたい。
えとさんは、みんなには何も言わないことを決めた。
心配させたくなかったから。
コメント
1件
第1話、拝読しました。診察室の静かな空気と「半年」という言葉の重みが、短い文章なのにひしひしと伝わってきました。特に「まだ半年ある」と呟いて涙を拭く場面が印象的で、えとさんの強さと寂しさが同時に刺さりました。みんなに言わないと決めた優しさが切なくて、続きが気になります。🌷