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気難しい時計屋とアリス

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気難しい時計屋とアリス

3 - 第3話 これって拉致だよね?

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2024年04月20日

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「無性にどこかへ帰りたいような気分になることはありませんか?」


手の中の小人は、優しげに笑った


「自分の本当の居場所、大切にしてくれる人、まだ見ぬ…でも懐かしい世界」


オペラの俳優のように、もこもこした手のひらが空に踊る


「でも私あなた達のこと知らないよ」


「それはそうでしょう!」


そう、知らない


知らないのに何故かこの得体のしれない、小人たちが怖くない


それどころか、ずっと昔から一緒にいたような親しみさえ感じるのだ


賑やかな音楽がピタリと止む


花のようにワルツを躍っていた小人たちが、一斉にこちらを見た


「さあ、時間だ。金平糖をくれないなら、早くしておくれ。御主人様におこられちまう」


柱時計がやれやれと電飾をふるい落としながら言った


口がないのに、何を言っているか分かるなんて、どうなっているんだろう


「そうだな。ウォールクロック。さあ!扉を開けてくれ」


しっかり握りしめていたはずの小人は、するりと私の手の中を抜けたると、光り輝いて普通の大人くらいの大きさになった


(大きくなれるの!?)


小人(?)はオーケストラを見て小さく頷くと、柱時計の扉を開け、文字盤を何度か動かした


針が物凄いスピードで回り始め、たちまち眩い光があたりを包む


「だって初めて会うんじゃもん


お嬢様は御主人様の魂の片割れ


この時をお待ちしておりました


御主人様をお救いください」


物凄い力で、がっしりと両手を掴まれた


「痛っ」


燕尾服が目を細め、にっと笑みを刷く


(え、これ夢じゃない)


「イヤイヤ待って!


 他人救ってる場合じゃないの


 迎えに来て欲しいっていうのは、そういうことじゃなくて…!」


全部説明する時間はなかった


光の渦に意識ごと吸い込まれる


脳天気な声が、私の意識に沈んだり浮かんだりした


「大丈夫!このレイモンドがお供しますぞ! レイと及びくだされー!」


「話聞いてる!?」


まぁまあ、そう安心させるように、逞しい腕が背に回るのを感じた


#創作小説 #オリジナル #文章を書く練習


#テラーノベル #ロマンスファンタジー #長編小説

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