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1 - 水晶玉みたいな君の目【アヌビス】

♥

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2025年02月04日

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♡トッププデレターの実験動物からアヌビスくんの愛玩動物になる話


♡続き思い浮かばなくて没


♡提供🈚


♡パクり🈚 参考🈚 見るだけにしてください😖🙏





無機質に色々な言葉を放つモニターが1つ設置されているだけの真っ白で狭い箱のような部屋と呼ぶのも怪しい一室。それが“実験動物”と呼ばれ育てられた私たちの世界だった。モニターから通じる言葉で書き物や社会での常識などを覚えた。その中で何よりも大事だと教えられたことは、異宙人は人類の敵で、滅ぶべき害悪だということ。

大人たちは子供である私たちを物のように扱う。…─いや、もっと酷いかもしれない。

親や兄弟と呼ばれる存在に会ったこともない。そもそも居るのかさえも怪しいが、そう感じる存在は近くに居なかった。

それも私たちは異宙の住民達よりも強い生物を作るトッププレデターという一つの組織の実験・“デュアルコアプラン”の産物だから無理もない。

“デュアルコアプラン”とは人間の胎児に異宙生物のDNAを人為的に植え付け、異能力を得た『混血児』として育て上げることで異宙生物に対抗しようとしている実験で、地球が異世界転生し人類が生態系の頂点ではなくなった影響で、人間にとって生きづらい異宙をよく思わず、『再び人間の手に覇権を取り返す』ことを目的としているらしい。



「“バステト“ד白虎”の混血児…やはり初めて与えたDNAなので不明な点が多いですね。もう少し実験量を増やしてみましょうか。」


毎日、白衣を着た大人たちが私の体に何本もの管を取り付けていき、色々と検査していく。

時には注射器で体中を刺され、時には得体のしれない何かを飲まされ、大人たちの期待に応えられなかったら酷く罵倒され、気が済むまで殴られた。痛くて辛かったけど世の中というものはそういうものなのだなとすぐに受け入れるしかなかった。

そうしなければ廃棄されてしまう。今まで大人たちの期待に応えられなかった実験動物たちの末路を何度も見てきた。私はああなりたくない。





「明日からもう一段階高い実験へと進みます。人類の為に精一杯取り組むように。」


『はい』


一定の年齢まで生き残れた実験体は、次の実験へと進む。自身の身体に埋め込まれた能力を引き出す実験だ。

「これが私たち人類の敵です。……私たちを守るために戦えますね?」

いつも過ごしているあのモニターのある檻の様な部屋と違う、出口の一切見当たらない無機質な部屋に追いやられ、大きく頑丈な鎖に繋がれた自分よりも何倍もの背丈のある異宙の生物の前に立たされる。獣といっても過言ではないその姿に全身に冷汗が流れるような不気味さを感じ、生まれて初めて感じる“死”の恐怖が古傷の重なった薄い自身の皮膚を掠めた。ガタガタと身体が情けないほどに震える。

『わ、わかりました…』

酷く掠れた声でそう小さく返事を落とす。

フゥ、フゥ、と激しく空気を吸う獣の呼吸音だけが音の洩れどころのない殺風景な空間に静かに響く。そのたびに不安と恐怖の色が濃くなる。

戦うのはいやだ、怖い。だけどここで死ぬのはもっといやだしもっと怖い。

ギュッと恐怖を抑え込むように目を閉じ、自身の全神経を両手に注ぎこみ、能力を引き出す。

途端、体に植え付けられていた“バステト”の能力がナイフのようなもので突き刺し、“白虎”の能力が突風を起こす。

肉の抉れる感覚。鉄分を多く含んだ血の生臭い匂い。骨の折れる音。悲鳴を上げる獣の姿。歯を食いしばる自身の舌に乗っかる、何とも言えない不味い味。五感の全てがその不愉快な感覚に埋められ、腹の奥から酸っぱい液体がせり上がってくるのをなんとか我慢する。

『…ふぅ、』

自分の攻撃で段々と弱っていく相手に罪悪感と安堵を覚えたその瞬間、気を抜いた一瞬の隙を突かれ、がら空きになっていた横腹に体当たりをされたような重い衝撃が走る。

突然の事に「え」、と驚きに目を見開いている間に体のバランスを保っていた平衡感覚を失い、成す術もなくばたりと膝から崩れ落ちる。

『…ぁぁ』

すぐ目の前に迫りくる獣の大岩のような拳に、絶望と恐怖の吐息が口から零れる。

先ほどとは全く比にならないほどの強くて濃い、猛烈な死の恐怖を感じる。


『……いやぁぁああぁぁ…!!!たす、たすけて!!お願い!』


助けを求めるように大きなガラス窓からこちらを観察するような目つきで覗く大人たちに駆け寄り、頑丈なガラス窓を力一杯叩く。だけど窓はドン、ドン、と叩くたびに固い音を鳴らすだけで一向に割れる気配はない。すぐ後ろで獣の荒い息遣いを感じる。


『おねがいします、開けて、開けてください!!…まだ死にたくないよ…ぉ!!』


─…だけど、大人たちは冷めた目でこちらを見つめるだけで助けてくれなかった。






ガチャッと錠の外れる細い音が静かな廊下に響く。


「ちゃんと鍵を閉めておいて下さいよ。別の実験室で太陽神の個体が逃げ出したばかりなんですから。」


「分かってるわよ。」


去っていく大人たちの会話を背で受け流しながら、自身の顔を膝に埋め、溢れ出る嗚咽をかみ殺す。

殴られた体中が焼けるように痛 い。

暑い、熱い。


『ひっぐ…、ゥ…い…』



ずっと死にたくないと思っていた。


死ぬということよりも辛く、痛いことはないと思っていた。


生きていればいつかは報われると心の隅で密かに思っていた。


だけどそんなのはただの願望で、現実はそう甘くないということを知った。


廃棄された子達が羨ましい。この地獄を知らずにいられるのだから。これ以上に痛く辛い思いをしなくていいのだから。



─…本当は死ほど救われるものはこの世に存在しないのかもしれない。




「侵入者、侵入者だぁぁあ!!!」


その言葉に眠っていた意識が破ける。

外がやけに騒がしい。いつもよりずっと慌てた大人たちの声が寝起きの鼓膜を揺らす。


「そんな怖がんなよ、“バステト神のDNAを継いだ人間”を連れてきてくれたら命は助けてやるっつってんだろ?」


初めて聞く、普通の人よりも少し高い男の子の声がぼんやりとしていた耳を擽る。

その声に恐る恐る檻の中から実験室を覗くと、すったばかりの墨みたいに真っ黒な髪に私と似たような耳が生えている、見慣れない少年が大人たちの胸倉を掴んでいた。髪から覗く褐色の頬には変わった逆三角形のような紫がかった茶の色の文様が刻まれており、小さい花びらのような赤黒い血痕がこびりついている。


『ヒッ…』


私とそう変わらないほどの小さく華奢な背丈で、大人よりもずっと小さい彼からは、はけ口のない耐え難い陰鬱な圧迫感と威圧感が纏わりついていた。

生物としての桁が違う。そんなこと一目見てすぐに分かった。


「あ?…ンだよ、居んじゃねぇか。」


『…ぇ?』


少年の意識が大人からこちらへ と向き、水晶玉のように綺麗な紫色の目が私の姿を捉える。その瞬間、何百トンもあろうかという水を全身で浴びているような重圧を感じる。

不安と恐怖が絶頂を通り越し、殴られでもしたようにのけぞりながら一歩退く。


「おい、お前が“バステト神”のDNAを継いだ人間だな?」


褐色の少年がそう私に向けて言 葉を落とした瞬間、手に持っていた大人たちの胸倉を放り捨てるように離し、こちらに向かって拳が振り下ろされる。

『ヒッ…!』


その拳から身を守るように自身の両手で咄嗟に頭を隠し、目を瞑って来るであろう痛みに耐える。

だけどパリン、と物心が付いたころからずっと過ごして来たモニターのついている一室の窓がガラス特有の綺麗な音をたて、細かいヒビを作り、粉々に割れただけで痛みはいつまで経っても来なかった。来たのは割れた破片が腕を掠めた痛みだけ。


「…別にお前のことは殴んねぇよ。顔上げろ。」


頭上から降ってきた声とともに、頭を守っている腕のすき間からはみ出た髪を力一杯引っ張られ、無理やり埋めていた視線を声の主である少年の方へと上げられる。その拍子に首が捻ったように僅かに痛み、唸り声に似た声が唇のすき間から洩れた。

紫色の目が私を捉え、驚いたように見開かられた。彼の頬に当たる影が妖艶な雰囲気を作る。


「……へえ、チビだけど結構イイ顔してんじゃん。」


少年は私の髪から手を離すと、私と目線を合わせるようにゆっくりと腰をおろし、つま先で体を支えて太腿へと肘をつくと、にっこりと顔全体に怪しい笑みを刻んでこう言った。




「お前、今日から俺の愛玩動物ペットな。」







♡カレコレの夢少なすぎてネタ浮かばない。だから多分続きはない。ごめんねアヌビスくん大好きだよ(((

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