テラーノベル
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今日も憂鬱な朝が来る…
なぜ人間は学校に行かなきゃいけないの?
学校なんて行きたくもないのに、でも行かなきゃ怒られちゃうかもしれないから…
今日も言う、偽った声で
「いってきます」
学校には特に大きな幸福はない、言えば三人、仲のいい友達がいるぐらいだが、その友達との関係も昔少し荒れていた。
8時15分、朝学習のチャイムと共に、皆の鉛筆やショーペンでノートや問題を解く中、私は一人ペン持ったまま、固まっていた。昔から勉強は得意ではなかった。「好き」ではあるが「得意」というわけではない。出来るとしたら社会ぐらいだろう。
それでも中学に入ってから社会ですらも出来なくなった私に得意なものなんて無いだろう。そして、少し飛ばして9時30分。
私は息苦しい中、ある場所に向かった。そう「保健室」だ。ここは私の心を休めれる場所、本当につらくなった時の必勝法だ。
私以外にも他に一人先輩がいる。別にサボりたくて来ているわけではなく、ただ「心を休めたい」だけ。大体20分ぐらいだが
それでも私の心は休まっていた。はずなのに、ふとした瞬間考える痛い言葉はどんどん私をつらくさせ、やがて私はどんな優しい言葉も刺さらなくなっていた。それでも何で私が学校に居続けるかって?簡単だよ、居場所がもう「ここしかない」からさ。
家にいても、外にいても、友達といても、どこにいたって居場所はありゃしない。もう見つけるための場所も少なくなってきた。だからこそ勇逸の居場所を守るため毎日学校に行く。それが生きるための一番の安らぎだからだ。
でもさすがにこんなネガティブな自分を見せるわけには行けない。見せてしまったほうがいいのかもしれないがそうすると余計にたちが悪い気がしてしまう。そこで私が考えて方法が一つだけあった。そう「偽る事」だった。
本当の自分は誰にも見せずに生きる。これは私の「掟」に過ぎない。昔から嘘は上手かったため何とかやり遂げて見せた。
自分でも驚くほど隠せていて少し良いことではないが嬉しかった。
だが、ある人に言われてしまった。
「○○、なんか変わったね、昔より元気。いや元気すぎて怖いよ。なんか、自分を作ってる感じがするっていうか…」
言い出したのは私の友達だった。
私はそれを聞いて驚いた。私の偽りに気が付いたことに。
私は少し動揺しながらも、いつものように「え、そう?そんなことないと思うけどなぁ。久しぶりに一緒に仲良くなるし、
人間は変わる生き物なんだから。私だってそんな暗いままじゃないよ。」とか言い訳して言い返す。友達は「そうなの」
と返事してすぐ違う話に変えた。友達に心配されるほど、私は暗かったのか?いや、逆だ、さすがに明るすぎたか、あんなはしゃぎ方じゃすぐに見抜かれる。もうちょっと暗く、いやもう少しここはこうして…こうするうちに本当の自分がわからなくなっていく。自分の声ですらもわからない。いつしか私は本当の自分がなくなってしまった「偽り体」となってしまった。
それでも生きている、死のうとしても悲しむ親の顔が見たくない。まだ、やっていないことがある。それに死にたくなくて死んでしまった人のことも考えると私は卑怯者になってしまうかもしれない。まず私は痛いのは御免だ。だから今日も偽って生きる。このとても辛く痛いこの世界の中で。私一人の自分でありながら。この大きな世界で、今日もまた一人偽っていきるのだ。
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