OCの話、アインの日常小噺、一人称視点です、レグレテが舞台だけど夢要素は多分皆無、グロ注意
今日も朝日が昇ってきた。ツールボックススリフトの裏のゴミ捨て場、久々に寝床にしてみると悪く無い。ヌルの旧ボディから追い剥ぎしたジャケットを布団代わりに出来るし、コレ自体が結構ふかふかで寝かせりゃ枕にできる。強いて言えば寒いのが嫌だけど。
とりあえず服を戻してやったけどどこに行こうか。フロアチケットは15枚…行きたい場所なんてない。いや、あの泣き虫じゃない方のピエロ野郎倒しに行きてぇけど、落ちて復帰の時のあの内臓ひっくり返る感じがヤなんだよな。まぁそれ以上のことを普段から経験しているが。
とりあえずエレベーターに乗ろう。テキトーに乗ってりゃ飯食える場所にでも辿り着けるさ。
「オエ゛…気持ち悪ィ…」
ロビーの床から起き上がれねぇ、クソ、最悪だ、1フロア目からSTATドメインに着きやがった。チケットを使おうかと思った時には遅かった。あのかわいこちゃんは嫌いじゃねぇけど、あのクソ機械は最悪だ。当たる度に皮膚の焦げる臭いがするし、オマケにホーミング機能付きのロボット共がいるから死んだ後も死体めちゃくちゃにされるせいで再生の時本当に身体がいってぇ……本当に最悪だ。ゲロ吐きそう。
とりあえずせっかくだしカフェでスピードラテを飲んだ。旨い、丁度良い濃さのコーヒーとミルクの塩梅が良い。口は潤った。あとはあのピザ屋でこっそりピザ摘めたらいいが…とりあえずもう一度乗ろう。チケットはまだまだあるけど、使う程じゃないだろうしいいか。
はぁ、はぁ、クソ、クソが。クソ痛い。暑い。熱い。まだ皮膚がビリビリしやがる。そりゃ寒がりだけど、クソ高い炎で焼かれたら流石に死ぬ、マッハ…あのババア…丁度ホイールでDEATH止めやがって……クソ、最後の一発喰らっちまった。周りは平気そうだけど俺はもう痛くて仕方ねぇ。腕のところが丁度真っ赤に爛れちまってる。HPもギリ50だ。一度リセットしちまった方がまだマシかもしれねぇ…リセットなら割と楽に死ねるし修復箇所も少なく済むが…そんなこと考えてたら、別のフロアに着いた。
アイスクリームの店だ。ここはありがてぇ、丁度暑かったところだ。チョコ味買ったけど本当に旨い。HPも増えるしな。まぁ増えたところで俺の場合死ぬまで傷は治らないが。あくまでも数値しか増えない、厄介だな。この身体。そういや他の奴らってどうしてんだ?なんだっけ、そういやマッハのババアがコンティニューの守護かなんかで守ってるんだっけ?俺も守ってくれたらいいのにな。まぁ、死んだら勝手にどっかで生き返ることできるって特権の方が優先高いんだろうけど。
エレベーターにまた乗り込んでふと思う。そういや、この体になってから何年経った?このエレベーターで移動するようになったのもいつだ?……何も思い出せねぇ、起きたらちょっと小銭持ってあのロビーに居たし、それで…本当にダメだ、あの頃からずっと、自分のことは名前しか思い出せない。
もっとちゃんと、自分のことを調べるべきかもしれない。思い出さなけれbおっ可愛い女の子発見!ウヘヘちょっとナンパしちゃおあっやべっここWALL OF
あの女、スイスイと行ってたな、エグすぎだろ…あぁ痛かった、せっかくアイス買ったのに無くなったし、結局全身丸焦げにされて再生したし。皮膚の再生は本当にいてぇ、擦り傷ならいいが火傷全身は本当に死にそうだ。いや、死んだから修復でそうなってるんだけど。あぁせっかくかわいこちゃんだったのによ…まぁちょっとパンチラ見えたからヨシとするか。黒でエロかったな〜
それにしても今日は本当に運がないな…チケット使っときゃそんなこと…いや、ランダムで結局変わらなかったかもな。もういいか、今日はロビーの地下で寝るか。ちょっとウルセェけど、あのプロジェクターの部屋とか落ち着くし、そうしよ、もう寝よ……
「…おい、叛逆者」
「早く出せよ、なぁ、せめてよ、あの可愛い女王様でもええからさ、話させろよ」
「武力で国家転覆を狙うような野蛮な混血児なんかの話なんて価値はない。それに、お前が最後だ。明日の7時、国営放送の元でお前の死刑を執行する」
「…絞首刑か? 」
「はっ、そんなわけないだろう?……5時間生放送で、きっちり拷問した上で斬首とする」
「うわぁ、国がこんなことするなんて、やっぱちゃんと首獲っちまえば良かったな」
「それ以上口答えするならば」
「ハイハイわかったよ…でもさ、せめてブランケットとかはねぇか?寒いんだよ…俺超冷え性でさぁ」
「…許可はしよう」
鉄格子からうっすいシーツが投げ込まれる。薄汚ねぇ、ボロボロでほつれたとこばっかのシーツ。でも、丁度いい。あの看守の野郎も暫くは来ないだろ。今のうちだ。
シーツを引き裂いて、なるべく細長くする、ちぎれた所は結んで繋いで、鉄格子の上っとこに縛り付けて輪っか作れば…完成だ。最高の首吊り縄だ。これくらいキツくしりゃまた来る前には死ぬだろ。背が高くて良かった、監視カメラもこっそり潰せた。ここも杜撰だし誰も気付いちゃいないだろ。
首にかける前に、輪っかを覗き込んだら、なんか見えた。楽しげな奴らの姿が。なんかぼやけてるけど、デカい灰色の巨人?ランプの頭のロボット?なんだこれ、幻覚か?まぁそうだろうな、もうまともな考えなんてねぇんだ。だから、ここに居る。だから、ここから抜け出す。そっと、首に掛けて────
また、朝が来た。普通の朝。地下室だから、朝日なんて見えないけど。なんか変な夢見たけど思い出せない。いつだってそうだ。
さて、今日はどこに行こうか?せっかくだしモゼルの城行こうかな、あのオバケ野郎にも顔見せてやろう。
ああ、今日も楽しみだ。
終
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