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あくまで個人の趣味であり、現実の事象とは一切無関係です。スクショ、無断転載、晒し行為等はおやめください。
ドサッと勢いよくベッドにダイブしてきた彼を見て、ちょっと端にズレてあげる。飛び込んで来たまま動かない彼の名前を呼ぶとゆったり体を動かして私の方を見てくれた。
顔にかかった髪を指で払ってあげると、くすぐったいのかいつもより控えめにクスクス笑っている。
実写のイベントで今日は遠方に来ているので、各々ホテルを取ってもらっていた。全員で食事をして部屋に帰った後。シャワーを浴びてきたらしいニキニキは、ほわほわと暖かい体温で私の部屋に来た。
「自分の部屋で寝てもよかったのに」
「…いっしょに寝たかったの」
なんだよ、迷惑?ってちょっと不満げに上目遣いで私を見るニキニキにキュンとした。横になると身長差がなくなるから、こんな彼の姿も見れるのでお気に入り。本当に可愛い。いつもはカッコいいのにね。
「迷惑じゃないよ。私もいっしょがよかった」
素直に伝えると、シャワーで火照った頬をさらに赤く染めて視線を逸らした。
「あーあ、楽しかったなぁ」
照れてるのを誤魔化したかったのか、態とらしく声を上げて仰向けになったニキニキは私の手を捕まえた。血管が浮いてて、大きな手。私とは全然違う。そんな手が弱く握ってくるから、私も握り返してあげる。
「楽しかったね」
「ね、俺ずっとはしゃいでたもん」
「みんなおんなじくらいテンション高かったよね」
「また撮影したいなぁ」
「すぐ実写で生放送もあるよ」
「それも楽しみ」
余韻に浸っている彼を見て、今日の事を思い出す。私はみんなの前に出られないけど、他のみんなが楽しそうに嬉しそうにはしゃぐ姿は何度見ても幸せになれる。その中でもニキニキは離れた場所にいる私のところへ来て、面白かった事、彼が見たもの、楽しかった話などいろんな事を教えてくれる。
「じゅーはち?」
「うん?」
「マジで迷惑なら出てくけど…」
不安そうな目。黙ってしまった私を見て不安になっちゃったかな。ベッドから立ちあがろうとするニキニキの手を引いて呼び止めた。
「迷惑じゃないよ。ニキニキの事考えてただけ」
「俺のこと?」
「ニキニキはみんなの前に出られない私のためにいろんな事教えてくれるなぁって」
「そりゃ18号だけ見られないの嫌じゃん」
照れくさそうに、でもしっかり私の目を見て伝えてくれる。キャラに合わず誠実で優しいところが好きで愛おしい。
「かわいいなぁ」
思わず出た言葉に反応して、繋いでいた手がキュッと強く握り締められた。そんな可愛らしい彼の額に唇を落とすと嬉しそうな笑い声が胸元に触れる。
「可愛い」
「…もう、いいって」
「可愛いね、ニキニキ」
「じゅうはちっ」
しっかり目を見て伝えると恥ずかしそうにする姿も、そのくせ目を逸らせないでいる彼も可愛い。些細な事で不安になっちゃうところとか、可愛いって言われるのが実は好きなところとか。全部全部可愛い。
「していい?」
「…今から?」
「うん。今日は私がしたいの。いいでしょ?」
頭を撫でて、耳元で彼の好きなちょっと低い声で囁いてあげる。迷うように視線をウロウロさせた後、控えめに頷いた。
「ありがと」
「ん、」
「みんなのニキニキを、私だけにちょうだいね」
耳をくすぐるように伝えると、強気な姿はどこにもなく私だけに見せてくれる可愛らしい表情で抱きつかれた。
「…あげる」
じゅうはちだけ。
閉じられた瞳に煽られて思わず口付けた。薄くて柔らかい唇さえも可愛く思えて止まらない。体が火照るのはシャワーのせいでもお酒のせいでもない。
きっとこの可愛らしい恋人のせい。