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溺愛国王と王室教師

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溺愛国王と王室教師

8 - 愛しい君日記 8章

2025年05月14日

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─静かな避暑地の別荘にて─
「……本当に、来てしまった……」


湖のほとりの別荘。見事な眺望。誰もいない。


(なぜ私はこのようなことを…)

帰ったあとの王子達の宿題回収、その他いろいろな仕事のことを考え頭を抱えるハイネ。


──と、とても楽しそうなヴィクトール。


「ハイネ、荷物は運ばせておいたよ。こっちが君の部屋、で、こっちが私の──」

「部屋、分けるんですね?」

「いや、それは一応……紳士として」

「どこがですか」


そもそもこの旅は、“付き合ってもないのに”なぜか計画されたものだった。



ということで、非公式ハネムーン in ニーダーグランツライヒ州、スタート。


─回想:旅立ち前の王宮にて─


「明日からハイネと二人で、数日間ほど外出してくる」

「えっふたりで!?」

「お父様、もしや王室公務の一環としての視察へ……」

「違うぞブルーノ」

「じゃあなに!?何しに行くの!!」

「決まってるだろう。ハネムーンだよ」

「きゃあああああ!!!!センセーと父上ついに…!!!」

「誤解を生むような発言やめてください。

……はぁ…宿題出しておきますから、私たちが帰ってくる前にしっかりやっておいてくださいね。」



─現在・別荘の夜。テラスにて─


「……しかし、静かで良いところだろう?」

「確かに……空気も澄んでいて、星がよく見えます」

「私はこういう静けさの中で、君の隣にいられるのが嬉しいんだ」


照れるハイネ、赤い髪が夜風に揺れる。


「……陛下、そういう台詞はもう少し慎重に言ってください」

「なんだい?ハネムーンなのだから、遠慮は無用だろう?」


「付き合ってませんよね!!?」



─深夜・隣の部屋から壁越しに─


「ハイネー?」

「なんですか……」

「……寂しくなった」

「………」

「ハイネー……」

「……今行きますので黙っててください」


しぶしぶ寝間着で部屋を出るハイネ、その顔はほんのり赤い。



─そして翌朝・王子たちからの電報が届く─


『父上とハイネへ

無事ですか!!!

事件とか起きてませんか!?

キスとか、してませんか!?!?

愛は確認されましたか!!??

ブルーノ兄様が眠れてません!!

カイ兄様が「大人の関係…」って言ってます!!

レオ兄が泣いてます!!!

⤴︎泣くわけないだろう!!!!!


追伸:リヒトはうるさすぎて廊下に出されました。』


「……王子たちは、全力でハネムーンを見守ってくれているようですね」

「君と来ると、すべてが楽しくなるんだよ」


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