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〖突然の登場すみません。主です!
ここから先は特別な距離になった2人の日常です。
基本的にショコラ目線で進みます。
センシティブな内容・二次創作・妄想。色々含みますので苦手な方はご注意ください。〗
夜の帰り道
並んで歩く距離は、以前より近い
肩が触れそうで、触れない距離
ビターの手が、そっと私の指に触れた
ビ「….」
何も言わずに彼は私の手を取る
あたたかい
….でも、
シ《それだけ、なのね》
付き合ってから分かったけど、ビターは意外とウブで、手を繋げるようになるのにも時間がかかった
昔から手を繋ぐことなんて普通にあったのに、恋人になった瞬間急に意識し始めたらしい
_ 正直、足りない
私は胸の奥に溜まったものを噛み潰す
シ《欲張りすぎかしら》
手を繋げるだけで満足そうなビター
その横顔は穏やかで、変わらない
喉の奥が、少し苦い
しばらく歩いてから、私は足を止めた
シ「…ねぇ、ビター」
ビ「ん?」
振り返る彼の顔は、いつも通り
だからこそ、言葉を選ばずに聞いてしまった
シ「あなた、今……楽しい?」
ビターは少し考える素振りをしてから
ビ「うん」
ビ「ショコラといると、落ち着くし、楽しいよ」
と、笑顔で言った
その答えに、胸が少し痛む
シ「…そう」
歩き出そうとした私の手を、ビターが軽く引いた
ビ「ショコラは?」
シ「….私は」
シ「少し、不安」
その答えにビターは目を瞬かせた
ビ「…不安?」
少しだけ視線を逸らしながら答える
シ「私ばかり、欲しがっている気がして」
ビ「……」
沈黙
ビターはすぐに否定しない
でも、すぐに理解もしない
その間が、少し苦しい
信号待ち
私は意を決して、もう一歩踏み込んだ
シ「…あなたは、これで満足?」
ビターは戸惑った顔をした
ビ「….これ、って?」
シ「手を繋ぐだけ」
言葉にした瞬間、胸がきゅっと締まる
シ「私は…..」
少し間を置いてから続ける
シ「あなたに、触れたいと思うわ」
ビターの呼吸が、一瞬止まったのが分かった
ビ「…..」
でも、言葉は続かない
シ《…..やっぱり》
この子の好きと、私の好きは、温度が違うのね
近づいた距離を少し離す
シ「…ごめんなさい」
付き合ってからも、答えを聞くのが怖くて、先に謝ってしまう
シ「変、よね」
俯き、心の中で自嘲する
すると、ビターが小さく首を振った
ビ「…変じゃない」
静かな声
ビ「ただ…」
続きがあるようで顔を上げる
ビ「僕、どこまでしていいのか、分からなくて」
その答えに、目を瞬く
嫌がられたり、めんどくさがられると思っていた
シ《…意外と、不器用よね》
私はさっきよりも一歩大きく近づいた
シ「ビター」
名前を呼ぶ
シ「私はあなたが思っているより欲張りよ」
彼の目が、わずかに揺れる
シ「手を繋ぐのも好き」
シ「でも、それだけだと…足りないの」
言葉にすると、少し恥ずかしい
シ「…あなたは?」
ビターはしばらく黙っていた
それから、ぽつりと
ビ「…ショコラが、嫌じゃなければ」
こちらを伺(うかが)うような視線
シ「..嫌じゃないわ」
私の声を聞いてから、ビターはゆっくり頷いた
たったそれだけ
でも、この子にとってはそれが精一杯なのだと分かる
昔から一緒にいるのだから
シ《…まったく、仕方ないわね》
私は少しだけ前屈みになって ビターの頬に軽く触れた
ほんの一瞬
ビターが目を見開く
ビ「…..っ」
耳まで真っ赤
シ「ふふ、これくらいはいいでしょう?」
ビターは手で顔を隠しながら視線を落とした
ビ「…うん」
声が掠れている
シ《この子、本当に可愛い》
きちんと教えてあげないと
私はそう心の中で呟いた
この距離の、進み方を