テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ch side
目が覚めた。
いつも通りのベッドだった。
違和感はなかっ、、、否、迚大きな違和感があった。
両腕に感じる違和感。
そう、
___なんでお前らが俺の腕掴んで寝てんだよ!!!!
太宰や敦、なんと芥川までが俺のそばで安心しきった様な顔をして寝ていた。
今は一体何時だ、?空は明るいはずだが、、。
嗚呼7時か。通りで起きてねぇわけだ。
昨日、そういえば探偵社のヤツに助けられたっけな。
そうしみじみ思い出して腕を見る。
いつもと分からない、点滴の跡だらけの腕。跡こそ多いが、それ以外に外傷は一切見受けられなかった。
そういえば頭がスッキリする。昨日の昨日まで消えてしまえばいいと死ぬ程思っていたというのに。これも女医の効果か?
まぁ完治した、とは言えない。薬の時のふわふわ感は残っているし、頭痛も酷い。だがもう薬には手を出さないだろう。そう言える。
これで一段落着いた、と言っても大丈夫そうだ。
嗚呼、安心したら眠たくなってきた。
懐かしい。
寝るって、こういうことだったな。
DZside
お昼に目が覚めた。
昨日の儘のベッドだった。
否、昨日の儘ではなかった。
芥川くんや敦くんは何ら変わりないが、中也だけは1度起き上がった跡がある。
敦くんと私の腕を解いて、昨夜よりも幾度か幸せそうな顔をして寝ている。
体調が良くなったんだろう。
この様子を見るに薬を飲むために起きた訳じゃ無さそうだし、顔色もどことなく良い。
嗚呼、良かった、中也、、、
目が少しずつ熱を持つ。そして溢れる涙。
「良かったぁ、、ッ」
ふと漏らした本音。
声に出したつもりはなかったのだが。
そして声は意外としっかり出てしまっていたようで、中也が目を開けた。瞳に外の光が反射する。綺麗な蒼。
変わらず痩せこけた身体をゆっくりと起こし、口をゆっくりと動かす。
それから___
「情けねぇ顔。」
其れはとてもとても小さな声で、掠れてて、弱々しくて、今迄の苦しさを伝えてきた声だった。
でも、その、中也の、声が。
いつもの、【生きてる】声で。
【生きようとしてる】声で。
嬉しくて、。
先程より熱を持った目がどんどん赤くなる感覚がした。
「ちゅ、やぁ、ッ、、ひぐっ、、よかッ、ほんとによかっ、たぁ、、ッ、ぅぅ、ッ」
どうしても耐えきれなくて、堪えきれなくて涙が止まらない。
ひた、、と無意識に触れた中也の頬。本当に痩せこけた。
でもしっかり生命を感じる。
しばらく嗚咽を漏らしていると、ふと指が濡れた気がした。
ばっと顔をあげると、静かに顔をべしょべしょにする中也がそこに居た。
「迷惑、かけた、、ッ、毎日、毎日、ひぐ、ッ、、。ありがとう、、、太宰、、」
「無理させて、、、ごめん、ッ」
目を赤くして大粒の涙をこぼす中也から聞こえてくるのは感謝と謝罪。
生きてる中也が本当に、本当に愛おしくて、つい抱きしめてしまったのは言うまでもない。
中也は私に腕を回した。私は中也の頭を抱えた。
昨夜、血だらけの中也を震えて抱えてたあの時とは違う。
そのまましばらく泣いて、泣いた。
部下ふたりは知らない間に起きていたらしくて、敦は顔をべしょべしょに、芥川君は後ろを向いている。
いつものような平和な日が、今日から訪れる。
なんて幸せなんだろう。
今日から中也が仕事に戻るまで、きっと長い時間がかかる。
でも今の中也なら、これからの中也ならきっと乗り越えられるだろう。
大丈夫。私が傍で支えるから。
嗚呼、幸せに心が込上がってくる。
嬉しい。
もうすっかり夕方に差し掛かった頃、弱々しい手で数ヶ月ぶりの1人前のご飯を食べた中也が、自分の足で立ちたいと言った。
敦くんはまだ筋肉がしっかりしていないから無理はするなと念を押していたけれど、中也は、
「前よりも意識がしっかりしてるんだからやらさしてくれ。」
と引かなかった。
私と芥川君に肩を借りながらゆっくりと骨しか残っていないような足を地面に落とす。それからすっかり軽くなった体重を支える。
そしてゆっくりと肩から腕を離す。
___成功だ。
中也は目を煌びやかにして喜んだ。
敦くんは文字通り手を叩いて喜んだ。
芥川くんは表情こそ出なかったけど喜んでるの、私にはバレバレだよ。
ちなみに私は、嬉しくて、吃驚して、つい腰が抜けた。
「え!太宰さん大丈夫ですか、?」
「いやぁ、ごめんごめん、嬉しくて。」
ヘラヘラ笑っている私に手を差し伸べたのは中也。
まだ中也がフラフラしている事を嬉しすぎて忘れていた私は中也の手を取ってしまった。
___そして思いっきりずっこける中也。
当たり前だ。細い身体が181cmの私を起き上がらせられるわけないのだ。
「うわぁぁあ!ちょ、ちょっと大丈夫ですか!?」
叫び声をあげる敦くん。
あれ、痛くない?と思ったら下に毛布が置いてあった。芥川くんが羅生門で敷いたらしい。相変わらずの反射力。助かる。
「うん。大丈夫。芥川くんもありがとう。」
褒められた芥川くんが硬直。
「中也、ごめん、、。大丈夫?」
「あ、嗚呼、、大丈夫だ、、。すまねぇ、すっかり忘れちまってた、。」
敦くんと動き出した芥川くんの手を借りて起き上がる。
よろめいた中也が私にしがみつく。非常に可愛い。
「早く歩けるようにならないとな、」
「どうして?」
「手前が散らかした儘の部屋片付ける為だよ。ばーか。」
「あ、、、そういえばそうだった、」
ゴミこそないけど、埃は積もってる。中也の説教コースだ。
芥川くんがなんだか笑ってる。あれ、敦くんまで。
「否、、、お二人の元気な姿が見えて光栄でございます。」
「本当に元気になって良かったです。今日からも僕たち支えるので!」
「いい後輩を持ったなぁ、、、俺ら、」
「ほんとにね。」
後に中也に、どうして急に立つと言い出したのか聞いてみたところ
中也は前に私が立ってみない?と話したことを覚えていて、立ったら喜んでくれるんじゃないかと思った。
との事。
いや喜びすぎて腰が抜ける事態になっちゃったよ中也。
君はいつも私を驚かすよね。まぁそこが好きなのだけど。
まぁ、数ヶ月後に無事働けるまで元気になった中也は、今迄以上に綺麗好きになり、今迄以上に私が好きになったらしい。非常に可愛い。
部下達や同僚からは時折心配の声を貰うけど、勿論元気に。
国木田くんからは元気になりすぎるのはいいが入水癖が戻ったのはマイナスだと苦情が入った。
無事与謝野さんの買い物にも付き合うことができ、平和な探偵社に戻った。
ch side
安定して立つ為に3日。普通に歩くために1ヶ月。筋肉が戻るまで5ヶ月。その他諸々1ヶ月。
今まで通りになる迄合計7ヶ月。
1年近く来ていなかったポートマフィアに今日から働けるのだ。また、首領の元で。
「首領。長い間の休養、誠に申し訳ありませんでした。この中原中也、本日から以前のように、いえ、以前以上の功績を出す事を誓います。」
「嗚呼、、久しぶりだねぇ、中也君。戻ってくれて本当に喜ばしい。今日は挨拶だけにしておきなさい。そして少しの間だけは、小さい組織の任務を渡すから、働くことを思い出して来なさい。」
久しぶりに聞いた。首領の声。組織の奴隷。俺も頑張らなくては。
「あ、チュウヤ!」
執務室の奥からエリス嬢が現れた。
「お久しぶりです。エリス嬢。長らくお待たせしてしまってすみません。」
「気にしてないわ!それより、アクタガワから話を聞いてたコウヨウがチュウヤの事楽しみにしてたわよ!早く行ってきなさい!」
姐さんか、、元気にしているだろうか。
「分かりました。首領。失礼します。」
コンコン。
重厚な木製の扉の音が響く。
「中原中也です。姐さん、ご挨拶にまいりました。」
そしてすぐに開く扉。
「待っておったぞ中也!長い間顔を見なかった分、妾に撫でさせておくれ。」
懐かしい声。安心する。姐さんの傍は。
「はい。長い間お待たせしました。」
嬉しい。本当に嬉しい。家族に会えるのは。
ガチャ。
家に帰る。大したことはしてないが、疲労は倍だった。
「あ!中也〜!おかえり!出勤大丈夫だった?森さんからセクハラされてない?」
即やってきた太宰。結局これが一番嬉しいのだ。
「大丈夫だ。てかなんだその首領を貶すような言葉はよ、、。」
「ねね、今日!私特製の鶏ガラスープ作ったのだよ!飲み給え!」
「、、、味の素は」
「、、、、、、、、、、、、、、ごめん全部。」
最悪だ。
「一寸にしとけや。」
「いやぁ、、久しぶりなものだからつい。」
「つい、じゃねぇ!、、、一寸待て全部?あれ一昨日芥川が買ってくれたんじゃなかったか?」
「、、、」
「おい」
「つい。」
「つい。じゃねぇ!ったく、、、食べるから皿用意しとけよ。」
「、!勿論!もりもりにしとくね!」
「辞めろ。普通盛りにしてくれ。」
今日からまた、幸せな2人の声が部屋に響く。以前となんら変わらない、2人の声。
以前と変わったところといえば、、、時折声が4人になることだろうか。
どうやら元々接点のなかった中也と敦は太宰の苦労の話で盛り上がったみたいだ。
芥川というと、、、半ば太宰メインで家に来ているみたいだ。敦の顔を見るのは不本意らしいが。
そんな3人に太宰は相変わらず茶々を入れ、なんやかんや1番幸せそうだ。
平和に幕を閉じた4人の双黒。
今日も部屋から笑い声が聞こえる。
あれ、中也だけ怒鳴り声?
嗚呼、どうやら太宰が鍋の中に味の素を入れたらしい。
でも幸せそうだ。
めでたしめでたし。
はいいろぴーすのあとがき
終わりました〜!!
全部で7話あったこのお話!
なんやかんやで1番変化を書き込んだ作品だと思います!
過去にも可笑しくなった太宰さん中也さんは書いたんだけど、やっぱ全然ちがうね。
この作品、続きはマジで思いつかなくて書く度悩んでたんだけど、1番書くの楽しかったわ!
いやぁ最終話にして太中感増したね。私も多幸感でいっぱいです。
相変わらずの深夜だけど!
幸せな4人に幸あれ!
コメント
5件
コメント失礼します! やっとコメントできたぁ(泣) 文章の書き方が好きすぎる…文ストのOD好きなのでありがたい!
この最終話、読んでいて胸がいっぱいになりました。中也が太宰の手を取ってずっこけるシーン、あの軽さが逆に「生きてるんだな」って実感させてくれて。毛布を敷く芥川、手を叩く敦、腰を抜かす太宰…みんなの反応に愛があふれてて。最後の味の素ネタも、日常が戻ってきた証みたいでほっとしました。4人の「双黒」がこんな形で家族みたいになるなんて。素敵なお話をありがとうございました🌷
#役者パロ
パピコォォォ
64