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あれから数日。
僕は相変わらずるぅとくんと行動を共にしている。だが、なかなか笑ってくれることはない。一緒にお出かけに行っても、ゲームをしてもなかなか笑ってはくれない。それでも、るぅとくんと仲良くなれているという感覚はあった。
「るぅとくん!今日も僕の家おいでよ!」
いつものように僕の家へ彼を誘うと「いいですよ」と言って隣を歩いてくれる彼。
僕の家につくなりるぅとくんは「今日は散らかってないんですね」と漏らす。
「僕のことバカにしてない?」
少しムッとした表情を作り彼の方をみると、少し笑いながら「そんなことないですよ」と言われた。この時の笑顔は、いつもと違う笑顔で彼が心から笑ってくれたんだなって嬉しくなって「やっと笑ってくれたね。」そう小さな声で呟いてしまった。
「?…何か言いました?」
不思議そうな顔で僕を見てくれる彼「なんでもないよ」と返して、2人でゲームをする。
ゲームをしている時の彼の笑顔は、いつもの貼り付けたような笑顔に戻っていた。
〇
いつものようにるぅとくんと遊んでいる時、その日も変わらず彼は笑顔を貼っつけたような笑顔で笑っていた。
「またるぅとくんの笑った顔がみたいな」
ふとそんな言葉が僕の口から漏れてしまった。急いで口を塞ぎ「ご、ごめん」と焦りながら「えっと」とか「あ」なんて意味の無い言葉を発する。
すると、彼は「僕は笑ってるように見えないですか?」なんて真剣な表情で聞いてくる。この話になった原因は僕から始まった為、僕も姿勢を正してるぅとくんと向き合う。
〇
「またるぅとくんが笑った顔がみたいな」
ころんくんの口からその言葉を聞いた時、心臓がドキッとした。
僕は、笑えていなかったのだろうか。
だから僕はその答えを確かめようと「僕は笑ってるように見えないですか?」と聞くと、ころんくんは少し姿勢を正し少し困った表情をした後静かに頷いた。
「るぅとくんは、本当にロボットみたいだなって」
そんなことをころんくんから言われるなんて思っていなかった。
今まで言われ続けたその言葉を、彼の口からは聞きたくなかった。
「ねえ、るぅとくん。僕の前だけでは素のるぅとくんでいてよ」
「僕がるぅとくんを笑わせてあげるから」
ころんくんが優しい表情でそう言ってくれた時、僕の視界は歪んで見えた。
きっと涙だろう。僕は感情なんてほとんど忘れていて、涙がでることなんてなく、冷たかった僕の心をころんくんはこんなにも暖かくしてくれた。
彼のことなら信用していいのかなそんな気がした。
それでも、彼は僕の返事を待たずに「ねえ、るぅとくん僕と付き合って?」と言われた。
「ころんくん、何言ってるんですか。からかわないでくださいよ。」
鼻をすすりながら言うと抱きしめられた感覚がした。
「からかってないよ」
「僕は本気だよ」
ころんくんは僕の耳元でそう囁いた。いつものガサガサな声がなんだか少しだけいいなと感じてしまったのは気のせいだろうか。
「るぅとくんの今の気持ち、聞かせてよ」
彼は僕の返事を待っている。
「僕、好きとかわかんないですよ。笑顔も楽しいも何かわかんないですよ。」
「うん、知ってる。だから僕が教えてあげる。」
「今は僕のことを好きじゃなくていいよ。絶対好きって感情教えてやるから」
「感情を忘れたくなるほど辛い過去も僕が忘れさせてやる。だから、僕とずっと一緒にいよう?」
彼にそう言われた時、家族と離れてでも彼と一緒に居たいそう思った。
彼といれば幸せを教えてくれるんじゃないかそう思った。
「ころんくん、約束してください。」
「何?」
「僕に幸せを教えてください。」
「もちろん」
彼は「絶対落とすからな」そう付け足して明るい笑顔で僕に言ってくれた。
〇
彼と、幸せを教えると約束して早数年。今、彼はきっと世界で1番幸せで世界で1番明るい人になっているとおもう。
「ころちゃーん?早くお出かけ行きましょ!」
「なんで”お出かけ”なの?デートって言ってよ」
彼は「だって恥ずかしいですもん」なんて頬を赤くしながら言う彼に僕は思いっきり抱きつき彼に「約束、果たしたでしょ?」と聞くと、彼は少し驚いた顔をみせて、今まで見せた笑顔よりも1番かわいくて明るい笑顔で「はい!」と返してくれた。
感情のなかったロボットは普通の人間になりました。
完結しました!!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!!
あとがきだします!!!