テラーノベル
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そうして、2年がたった今日。その日は私の誕生日だった。
両親は毎年、誕生日を祝ってくれていたが今日はそうにもいかない。
“不幸が舞い降りる日”だからだ。
両親は死ぬ気で昼夜を問わず働いていたが全ての借金を返済することはできなかった。
「……っ…すまないっ……俺が……不甲斐ないせいでっ……」
「……いいえ…あなただけのせいではないわ。私がもっともっと働いていれば……っ…」
父と母の悲しい後ろ姿をそっと見つめていた。
(私が無理を言ってでも働けばもっと借金を減らせたかもしれないのに………!)
体が悲しみと後悔で震えた。
私はたまらず父と母の背中にかけより、そっとでも力強く抱きしめた。
「お父さんも、お母さんも何も悪くないよっ…今日だって脅し文句なだけで何も起きないかもしれないじゃない!大丈夫……大丈夫っ」
そうして、その夜本当に”不幸”は舞い降りた。
家族皆でいつもよりもぎゅっと体を近づけ合いながら寝ていたその時、ふいに戸がガタガタと揺れた。
鈍い音とともに小さいうめき声が次々と聞こえる。
私はその音と不穏な雰囲気によって異変を感じ、ゆっくりと目を覚ました。
「……お父さん、お母さん…どうかしたの…?」
そして、次の瞬間お腹あたりが急に熱くなった。痛みもする。
「……うっ…………っ……」
蹴られたのだと悟った。
暗くてよく見えない。
ぐいっと体を持ち上げられ、今度は顔を、腹を、ひたすら殴られた。
殴られた箇所から強い痛みがする。
そして、私が意識を失う直前に死んだと思われたのかその手がぱっと離された。
その足音は遠ざかっていくのが聞こえた。
月明かりに照らされて、賊の口元は
“不気味に笑っていた”。
悪寒がした。たくさん人を殴っておいて何故笑えるのかわからなかった。
そして、私は意識を失った。
コメント
1件
読ませていただきました。第6話、胸が締め付けられる展開でしたね……。家族三人でぎゅっと寄り添って眠る温かさがあったからこそ、突然の暴力の場面が一層生々しく感じられました。特に、意識を失う直前に見た賊の「不気味に笑う」口元という描写が、ただの強奪ではない悍ましさを感じさせて、背筋が冷えました。主人公が「大丈夫」と両親を励ました直後にこれが起こる構成も、切なさを深めています。続きが本当に気になります。