テラーノベル
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転校先の学校では普通の生活を送っていた。友達もできて慣れてきた頃だった。楽しい、楽しいはずなのになにか足りない……。そう感じ始めてきた。その、”足りないナニカ”に気づくこともできず、1ヶ月が過ぎようとしていた。
「そう言えばさー、ゆあんって、彼女いる?」
「───え…?…あ、彼女ね…元カノなら… 」
その友達の言葉で、俺は”足りないナニカ”の欠片をみつけた気がした。
「あ、まじ?やっぱモテそうだもんね〜。」
モテる、か。確かにモテてた方ではあるのかもしれない。
「まぁ、ちょっとは、?」
「は、お前マジでずるいわ〜。」
そんなやりとりをした三日後だった。俺が”足りないナニカ”の欠片を見つけた三日後。
「HR始める前に転校生がいる。」
先生にそう言われ入ってきた生徒に目を見開く。あの子だ。元カノ。俺はまだ気づいてないであろう。俺の”足りないナニカ”であることを……。
「燈山えとです。〇〇高校から来ました。よろしくお願いします。」
俺だけ時間が止まったかのような感覚。まじか……。そう思いながら、彼女と目が合う。その瞬間、彼女も目を見開いたが気に止める様子もなく案内された席に向かう。しかも、俺の後ろの席かよ…。
席に着いた、彼女は何事もないように振る舞う。元カレ、元カノとしてではない。転校生として。
HRが終わり、彼女の席には生徒が集まる。
「燈山さんって、部活入る気ない?!」
「めっちゃ可愛い〜!」
「友達ならない?!」
彼女は、前と変わらず、笑顔でひとつひとつ答えていく。彼女は、何も変わってない。そう思っていた。
「燈山さんって、彼氏いる?」
彼女は、それもなんのためらいもなく答える。
「うん。いるけど、学校別々だし……会えなくは無いけど遠距離かなぁ。」
「えー!!やっぱり?」
────いるんだ。そりゃそうか。彼女は前の学校でもモテてた。見た目、性格。全てが完璧だったもんな。
それからは、何事もなく、放課後になった。俺は部活に入ってないし、帰ろうとした時。
「赫月くん。同じ道かな?一緒に帰らない?」
彼女が話しかけてきた。驚いたな。俺のことをなんとも思ってないのか。それとも……話があるのか。
「あぁ。いいよ。」
そう言い、校門へと歩いていく。
「…久しぶりだね。元気だった?」
「うん。元気。そっちは?」
他愛のない会話。それが逆に居心地がいい。どちらも深く踏み込まない。それぐらいの関係。
「てか、彼氏いるんだ。」
しまった。言ってから気づいた。これは聞かない方が良かったと。
「…うん。まぁね。」
そう言った彼女はどこか寂しそうだった。
「なんで転校してきたの?」
「親の事情。まさか、ゆあんくんと同じになるとは思ってなかったけどね。」
そう言い、苦笑いする君。俺のことを特別になにか思ってるわけでも無さそうだし、普通に接すればいいだけだよな。
────気まずい。あれから一言も喋ってない。えとさんは、ずっと前を見てるだけだし。特にこの沈黙になんとも思って無さそう。
「えとさーん!」
そんな時だった。後ろから声がした。ふりむくと、そこには俺らと同い年だろうか、制服を来た男がたっていた。制服的に俺らの高校ではない。
「…うり?え、なんでここに?!わざわざ来たの?」
彼女の知り合いだろうか。彼女は、嬉しそうに笑い、男に話しかけている。
「あ、紹介するね。この人、うり。私の彼氏!」
────あ、こいつか。えとさんが言ってた彼氏……。
「…ども。」
「あ、どうも……。」
彼は俺に、一言挨拶をし、えとさんと楽しそうに話す。
「だって心配だったんだもーん。まぁ、えとさんの家もあっち方向でしょ?」
「そうだけど……!」
彼氏。えとさんがこうも、他の男とこんな楽しそうに話している。それを見ると、何故だろうか。胸が苦しい……。なんなんだ。この気持ちは……。
コメント
1件
読了しました〜!転校先でまさかの元カノ再会、しかも彼氏持ちって…これ、主人公の“足りないナニカ”が確実に彼女だよね。胸が苦しいって自覚してる時点で、もう気づきかけてる気がする。彼氏登場で一気に拗れそうな展開、続きすごく気になります🌙
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ゆあくん/🖤❤️🪽
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ももちゃん