注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロです。
・洗脳・暴力表現が含まれます。
ワンクッション
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12月24日、午後11時30分。
W国幹部ciは、S国に捕われていた。
理由は簡単。スパイをしていたのがバレたのである。
ciは地下室の牢屋…ではなく、幹部棟にある小さな個室に監禁されていた。
腕には手錠が付き、足は鎖で部屋と繋がれている。
個室には、汚れた敷布団、小さな机と座布団。
そして、個室の端には仕切られているトイレがある。
本当にそれだけである。
窓ひとつない暗い個室。
頼りになる明かりは、ひとつの照明だけであった。
ciはそこにもう2週間も捕われていた。
なぜ助けに来ないかって??
それはW国にciからのメッセージが毎日欠かさず送られているからである。
S国の誰かが、ciの通信機を使って、嘘の連絡を送っているのだろう。
ciは、そんなことも知らずに、助けを毎日毎日待っていた。
mb「やあ、明日はクリスマスだねえ。」
男が1人部屋に入ってくる。
ciは布団にぐったりと寝転がっていた。
もう2週間も、食事を上手く取れていない。
それに、睡眠も妨げられてしまうのだ。
これをご存知だろうか。
人間の欲求である、食欲と睡眠欲。
その2つ、まあ…どちらかを人間は取られてしまえば、あっさりと堕とされてしまうのだ。
ciはそれに加えて、日々暴力にも耐えねばならない。
W国の情報は守らねばと。
mb「お前にも、サンタさんが来るかもな。ヒヒッ。」
男はそう言うと、水と湿った米を机に置いた。
今日の晩飯だろうか。
ぼんやりと眺めているciを、男が無理に引っ張って起こす。
目の下には濃いクマが、もう身体は骨が浮き上がっていて、肌は白く青あざが目立っていた。
mb「さて、W国の情報は吐く気になったか??」
ci「…さあね。」
ciは喉をこじ開けて声を出す。
男は舌打ちをしてから、ciの顎を蹴飛ばした。
倒れても、また起こされてしまう。
今度は、鼻を殴られた。
鼻血が布団に模様を作っていく。
それにしても、鼻血は変な味だなあ、なんて変なことを考えながら。
mb「ああ…そういや、W国の皆がお前の帰りが流石に遅いと勘づいてきてるらしいぞ。」
「まあ安心しろ、こちらからは安心しろとメッセージを送ったからな。」
ぐたりと横たわったciの身体を足で踏みつけて、嘲笑う。
それから机に置いた水を取り、ciにかけて、米は無理に口へ詰め込んでやった。
ciはむせ返り、吐瀉物を撒き散らした。
mb「うわッ、きたねぇ。」
男は部屋の出口へ向かった。
去り際にこう言った。
mb「サンタさんから贈り物、来るからな。」
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tn「遅い!!」
視線の先の通信機には、ciからのメッセージが送られていた。
ci『S国の飯美味くてさあ!!ちょっと長居してる〜!!』
不自然だ。ciだったら任務が終わればすぐに戻ってくるはずだろう。
tnはそのメッセージを睨みつけていた。
もし、この送り主がci本人では無かったら?
そう考えると、嫌なことが頭に浮かんだ。
捕まったのでは?更には、もう居なかったり。
tnは皆を集めてこう提案をした。
tn「あと、3日帰ってこなかったら、捕まったと考えよう。」
zm「…3日も待たなあかんの?もし、今も助けを待っていたら…??」
shp「そうっすよ。ワイ、今すぐにでも行きたい。」
tn「落ち着け。分かってる。分かってるんだ…。」
会議には、ぐんよりとした空気が広がっていた。
通信機に訪ねたい。
お前は本当にciなのか?
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目を覚ますと、隣に小さな小瓶が置いてあった。
その小瓶を手に取り観察してみた。
美味しそうなジュースだろうか?
まさか、サンタさんが来たのだろうか!
ciは乾いた口を開けて、その小瓶の中身を流し込んだ。
もう、脳が機能していないのか、嫌な予感にも気が付かなかった。
飲んだ途端、息が詰まるような、そんな息苦しさに襲われた。
ciは小瓶を手から落とし、布団に身体を預けてもがいた。
ci「く"ッ…かはッ、か"ッ、、あ"ッ、ぐッ。」
待ってましたと言わんばかりに、男が部屋に入ってきた。
そうして、ciの肩を掴んで言った。
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ガタン。
ダクトから3人は建物に潜入をした。
sho「ここ真っ直ぐ行けば、地下室に行ける階段があるんやっけ。」
shp「はい。それより、tnさん大丈夫ですか?」
tn「…ああ、ちょっとホコリっぽくて。」
滅多に救出には出向かないtnが何故ここにいるのかって?
責任を感じているからであろう。
tnは額に流れる汗を拭って息を飲んだ。
sho「とうッ」
ダクトからshoが出て、先に周りを警戒する。
廊下には誰もいないようだ。
地下室への扉は目の前。
sho「降りてきてええよー。」
shp「ぅしッ。」
tn「はぁ…息苦しい所やでほんま。」
地下室の暗い階段を降りてゆく。
shoはシャベルを、shpは銃を、tnは剣を持っている。
降りた先、目の入ったのはガラリとした牢屋だった。
ciの姿は見られない。
sho「…おらん、な。」
shp「…え?な、なんで、?」
tn「他の所におるとか…?」
rb『他って…捕える場所は、そこ以外無いで。』
まさか。嫌な考えが脳裏をよぎる。
そんな時だった。
sho「ぐあ"ッ」
shoがいきなり倒れたのだ。
驚いて振り返れば、そこには探していた彼がいた。
tn「c、ci…。ど、どこにおったんや?」
ci「…。」
ぎょろり。
気持ちが悪いような視線を向けられて硬直する。
ciではない。直感が働いた。
ci「…。」
ゆらり。こちらに歩いてきた。
tnはshpの前に出て、剣先を向けた。
ciは拳を振り上げ、tnを睨んだ。
その瞳は、ぐるぐると渦巻いていた。
shp「…ci?ど、どうしてん…。」
tn「ciちゃう。これ、多分やけど洗脳されとるわ。気をつけて。」
ci「コ…ろ"…す。侵入者…こ、ろ"…。」
shp「…ッ。」
パシュッ。
shpはciの足に発砲をした。
ciはガクリと身体を落として倒れた。
tnは素早くciを拘束する。
sho「ぁ"…ったまいってー!!!!」
shpは頭を抑えて嘆くshoを支えて、地下室を後にした。
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sn「ci、俺やで〜。分からんかな??」
ヒラヒラと手を振ってみる。
ciはぎょろりと凄い形相でsnを睨んだ。
だが、彼は今縛られているので暴れることは無い。
sn「どうしちゃったん??落ち着いて〜。」
ci「ぐ…ッ。ぁ"ぁ。」
手を近づければ、ciはあんぐりと口を開けて、手を噛もうとしてくる。
精一杯の抵抗だろうか。
sn「危ないなあ。全く。」
ciは、洗脳されているようだ。
強力な薬を、大量に摂取したと思われる。
元に戻すのは不可能に近いだろう。
sn「はぁ、何があったんや…俺の大切な後輩に。」
くしゃり。と資料を丸める。
それからciに視線を向ける。
彼はガチガチと歯を鳴らして、今にも拘束を解こうとしていた。
snは部屋を出て、その部屋に鍵をかけた。
この部屋は大きな窓ガラスがあるので、外からでも見れる。
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shp「あの…ciは、!!」
食堂で昼飯を食べていた時に、shpはsnに尋ねた。
sn「…ううん、駄目だね。」
shp「…そうっすか、。」
shpは俯いて眉を下げた。
snは軍医士として、嘘を付けないのだ。
すまないな、shp。
ut「なあ、面会はOKなん?」
utが煙草を咥えながら、医務室へやってきた。
sn「…いいけど、刺激しないでよ?」
ut「わーっとる。」
部屋へ案内する。
窓ガラス越しにciを見ると、疲れてしまったのか先程の態度は消えていて、ぐったりと椅子に座っていた。
落ち着いていて、暴れてもいなかった。
utは鍵を開けて部屋に入った。
物音に気がついたのか、ciはゆんやりと顔を上げた。
ut「ういーっす。煙草いる??」
ci「…。」
ut「要らんね、ははっ。」
黙りこくっているciの隣へ行き、頭をぽんぽんと撫でた。
ciはぎょろりとutを睨みはするが、暴れはしなかった。
ut「お前、どうしちゃったの??」
「何があってこうなってん。」
ci「…。」
ut「怖かったやろ。はよ助けてって、ずっと思ってたやろ。」
「俺もや。最初から嫌な予感がしててん。でも、皆がまだだ言うから…すまんな。」
これは言い訳や、utはciの頭を撫でながら呟いた。
その呟きは、彼に届いたのだろうか。
ut「あーあ。またお前と飯行きてーよ。」
「軍団やろ??俺とshpだけでもええけどさ、それはもうペアじゃんか。」
「やっぱり、軍団がええねん。あ、これshpが嫌い言うてる訳ちゃうよ??」
utの明るい笑い声が、部屋に響く。
それから、今度はciの前に行き、動かない手を優しく握った。
ut「はよ、帰ってこいよ。いくらでも待っててやる。まあ、長すぎるのは嫌やで??」
ci「…。」
ut「…じゃ、またな。」
utはciの手をもう一度強く握り、それから部屋を出た。
窓ガラスからciを見ると、彼は俯いていた。
こちらを睨むことなんて、無かった。
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sho「sn〜!!頭の包帯取ってええ〜??」
sn「ああ、ええよ。」
今度医務室にやってきたのは、shoとzm。
shoは頭に巻かれた包帯をくるくると取り、開放された頭をわっしわっしと撫でていた。
zm「な、なぁ…ciは、っ。」
sn「…ごめん。まだ…、」
zm「そ、そっか…。」
zmはいつもよりフードを深く被っていた。
すると、奥からutがやってきた。
さっきのさっきまで、ciと面会していたのだ。
ut「お、shoちゃん完治??」
sho「いえす!」
utはshoとハイタッチをしてから、snに伝えた。
ut「ci、ぐったりしとったで。栄養足りてんの?」
sn「…ああ、最初点滴を嫌がるものやからさ…。」
sho「お、ここでzmの食害が…!?!?」
zm「…。」
sho「…zm?」
zm「ほ、ほんまに…あいつは、も、戻って…くるん、?戻って、こなかっ…たら。」
zmは俯いたまま、早口で呟いた。
zmは人見知りながらも、1度仲を深めればもう沼のようにその人の事を大切にして離さない。
shoはくすりと笑ってzmの肩に腕を回した。
sho「大丈夫や!!ciは人懐っこいやん??また、zmに会いたい言うて、戻ってくるよ!!」
sn「そ、そんなのまだ…」
ut「sn」
sn「…はあ。」
珍しくsnが負けを認め(?)、鍵をzmに渡した。
sn「挨拶しておいで。今はきっと、暴れへんから。」
zm「…ほ、ほんまに、?」
ut「ああ、睨まれはするかもな。」
sho「じゃあ、ついでに飯持ってこーぜ!!!」
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zm「…こ、ここ、?」
窓ガラスが目立つ部屋の前に行く。
shoは、飯が乗せられたトレーを持ちながら、着いてきた。
sho「…うわ、ciぐったりやん。」
zm「は、はよ行こ、!!」
zmは急いで鍵を開けて、ciに駆け寄った。
ciは物音に気づき、ゆっくりと目線だけ上に向けた。
すると、zmと目が合った。
zm「ぁ…ci。わ、分かるか、?zm、やで。」
ci「…。」
zm「え、えと…そ、の。ci、。」
分かりやすく動揺するzmの隣にshoが追いつく。
sho「ci、腹減っとうやろ!!これ食お!」
差し出すと、ciは唇を噛み締めた。
そんなことに気がつかず、shoはコップに入ったジュースを彼に差し出した。
水やお茶ではなく、ジュースをセレクトするとは…。shoの明るさは眩しすぎるね。
すると、ciは近づくコップを足で蹴飛ばした。
カランカラン。コップは床を転がっていく。
ci「ふーッ…ふーッ…ぅ"っ。」
zm「ciっ、!?ど、どうしたん…大丈夫か?」
ci「が"ッ…ぅ、ぅ"…。」
shoを睨みつける。
何が彼の怒りに触れたのだろう。
まさか、ジュース?
shoはコップを拾って、ciを見た。
彼の瞳には、怒りの色…そして、微かな恐怖心が浮かんでいた。
zm「ci、ごめんな。怖がらせるためにっ…やったんちゃう、。」
ci「…。ぅ。」
zmがciを抱き締めると、ciはすりすりとzmに身体を預けた。
zmはそれを見て、嬉しそうに微笑んだ。
zm「そうや。俺は、お前の仲間なんやで…。」
「戻っておいで、ci。おれ、ここにおるよ。」
sho「ci…、怖がらせてすまんかった。」
「お前は、怖いことされたんやな。1番の新人の癖して、そこまでのトラウマを植え付けられて、さらに洗脳されて…。」
「俺には…到底無理や。」
shoはゆっくりとciの手を握った。
すると、ciはがくりと意識を失った。
それから、1粒の涙を頬に流した。
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ciの様子を見るために医務室にやってこれば、彼はベットに寝かされていた。
隣には点滴が置いてあった。
zmから言われた、彼にもう抵抗する態度は見られない、彼も戻ってこようと頑張っていると。
そのため、彼はベットに移動されていた。
shpはパイプ椅子に座りながら、彼の手を撫でていた。
shpの対面側には、zmがciの足を枕にして、寝ていた。
つきっきりで見ていたのだろうか。
しばらくして、皆がやってきた。
書類などの仕事を放ったらかしているのか。
それとも、すぐに終わらせたのか。
皆がciの帰りを待っていた。
いつまで待たせる気だ。
でも、彼の為ならばいくらでも待ってやる。
皆は、ciを優しく見つめていた。
その視線で、ぽかぽかと体が暖まる。
ci「…おはよ〜。」
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あれから説教を食らっていた。
だがしかし、その説教は心地よいものだ。
tnも顔面ぐちゃぐちゃになりながら説教をしていたし、周りの皆もそうだった。
ciは必死にその説教を聞いて、謝罪をした。
次に、メンタルケアを行った。
zmとshp、osにgrとだ。
皆は泣いている者もいれば、少し怒っている者もいた。
でも、全てciにとっては心地よいものだった。
暖かく、身体が軽くなった気がした。
そしてそして、待ちに待った戦いが始まった。
W国はいつもに増して強さを発揮。
S国は呆気なく潰れた。
ciは戦いに参戦しなかったが、皆の帰りをまだかまだかと待っていた。
きっと、勝つのだろうと確信づけていた。
後日。
ut軍団がわちゃわちゃと食事に行く姿が、見られたのだと。
へいよー!!お姉さんかわうぃーね!!
(↑1回ナンパしてみたいと思うこの頃)